T27A・望遠マクロ+フォベオン

タムロン 27A SP 28-80mm F/3.2-4.2をシグマ製 一眼レフカメラ SD9で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はSIGMA SD9
レビュー


1.概要
タムロン 27A SP 28-80mm F/3.5-4.2は1983年に発売された、マウントにタムロン・アダプトール2を採用した標準・回転ズームレンズ。
タムロン 27A の特徴として、望遠端の焦点距離80mm時に最短撮影距離は0.36mと寄れる。このレンズを使用していたのがフォベオンセンサーを搭載しているSIGMA SD9だったので、表題は「T27A・望遠マクロ+フォベオン」としている。回転ズームはオートフォーカスカメラでは一般的な仕組みのため、表題にはいれなかった。
レンズの詳細な仕様は表に載せているが、主な仕様を抜粋すると以下の通りである。
- 焦点距離 28mm~80mm
- レンズ構成 8群9枚
- 絞り開放値 F3.5-4.2
- 絞り羽根 8枚
- 最短撮影距離 0.36(80mm)
- フィルター径 67mm
- フード 47FH(ゴム製のはめ込み)
このレンズはマウントにタムロン独自規格であるアダプトール2を採用しており、マウント部分を交換することにより、各社の一眼レフのレンズで使用することができる。また、ニコンFやキヤノンEFマウントなどミラーレスカメラ用アダプタが多く用意されているアダプトール2アダプターを経由すると、最新のミラーレスカメラで使用できる。
2.使用感
タムロン 27A SPはアダプトール2のマニュアルフォーカス(以下、MF)広角から中望遠の28mmから80mmをカバーし、SIGMAのAPS-Cセンサー(センサー倍率 x1.7)で撮影すると、35mm判換算で48mm〜136mmのズームレンズとなる。
使用していたのは2000年代前半で、それなりに美品のレンズだったが、近接撮影では柔らかなタムロンらしさが見られるが、遠景では28mm〜80mm全域でシャープさが足りない。
マクロ撮影は望遠端の80mmで最短撮影距離0.36mの準望遠マクロ撮影ができる。このマクロ機能は十分に実用的だ。
この28Aは35mm判フィルムに対応したレンズだが、35mmフルサーズセンサーで使用したことがないため、APS-Cサイズセンサーでの結果をみるかぎり中央部分の描写もそれなりだ。
SPの名前は付いているが、絞り開放値も平凡で写りもそれなりなので、SP銘の安売りレンズの1つで、中古価格もかなり安く、多マウントカメラを持っていて標準レンズをチョイスするときに、売ってれば買おうかなという程度のレンズだ。積極的に探して買うレンズではない。
フードを所有していなかったため、太陽が入る場面ではゴーストが発生していた。このゴーストがフードでカットしきれるかは不明だ。
シグマ SD9への装着は、シグマ SAマウント-M42マウントアダプターCSM42を使用し、アダプトール2はM42マウントを使用した。

一眼レフカメラで実絞りで撮影するとき、絞り値を大きくするとファインダーが暗くなる弊害があるため、絞り開放で使用していた。
3.付加情報
タムロンは売れ筋のズームレンズを多くラインナップしており、28mmはじまりのレンズも多くある。
- 1980年:07A:28-50(回転ズーム)
- 1983年:27A:28-80(回転ズーム)
- 1983年:28A:28-135(直進ズーム)
- 1986年:44A:28-70(回転ズーム)
- 1988年:59A:28-70(回転ズーム)
- 1991年:159A:28-70(回転ズーム)
- 1994年:71A:28-200(回転ズーム)
- 1997年:167A:28-105(回転ズーム)
- 1998年:171A:28-200(回転ズーム)
28mmからはじまるアダプトールレンズのなかで、この27Aはオートフォーカスレンズで採用の多い回転ズームを採用している。
直進ズームを採用している、28Aはリンク先にて紹介している。
回転ズームは、オートフォーカスレンズで採用されている2リングの操作方式で、焦点距離変更用のズームリングと焦点距離変更用のフォーカスリングがレンズに備えている。オートフォーカスカメラではズームリングはマニュアル操作、フォーカスリングはオートで使用することが一般的だ。
このため、多くのオートフォーカスレンズにおいては、フォーカスリングはおまけの扱いで、リング幅が狭くオートフォーカス時のモーター出力を小さくして電力消費を抑えるため、回転トルクはスカスカになっておりマニュアルフォーカス時の操作感はよくないが、こちらのレンズはマニュアルフォーカス向けにヘリコイドが作られており、トルク感のあるフォーカスリングになっている。
時代が進むほど、タムロンのマニュアルフォーカスレンズもオートフォーカスレンズとの部品共用が進むため、フォーカスリングはスカスカになっていく。
仕様
項目 | 27A | 28A |
焦点距離(mm) | 28-80 | 28-135 |
最大絞り | 3.5-4.2 | 4-4.5 |
最小絞り | 22 | 32 |
絞り羽根 | 8 | 6 |
レンズ構成 | 8群9枚 | 10群17枚 |
最短撮影距離(m) | 0.36(80mm) | 0.26(28mm) |
レンズ長(mm) | 86.5 (Nikon-F) | 110.5 (Nikon-F) |
レンズ最大径(mm) | 70 | 70 |
フィルター径(mm) | 67 | 67 |
フード | 47FH | 45FH |
重量(g) | 480 (Nikon-F) | 771 (Nikon-F) |
マウント | ニコンF キヤノンEF ソニーα オリンパスOM キヤノンFD M42 ライカR など | ニコンF キヤノンEF ソニーα オリンパスOM キヤノンFD M42 ライカR など |
リリース年 | 1983~1987 | 1983~1988 |
価格(¥、税別) | ¥44,000 | ¥74,000 |
参考リンク
更新履歴
- 2025.2.25
広告
- タムロン・Ads by Amazon
- タムロン・書籍・Ads by Amazon
- シグマ一眼レフカメラ・Ads by Amazon
- タムロン・アダプトール2・Ads by Amazon
コメントを残す