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ビオゴンコピー? Jupiter 12 35mm F2.8

Last updated on 2026-04-14

ロシア製・ジュピター 12 35mm F2.8をフィルムカメラとデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例は以下のカメラを使用した。

レビュー

Jupiter 12 35mm F2.8Jupiter 12 35mm F2.8 +LEICA M8

1.概要

Jupiter 12 35mm F2.8は、ツァイス・ビオゴンのコピーと言われるロシア製のレンズで、対称光学系でありながら、後玉の張り出しが特徴的なレンズだ。ビオゴンのコピーについては、いくつかのレビューへのリンクを参考情報として張っているので、確認していただければ幸いだ。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に示している。

  • 開放F値 2.8
  • レンズ構成 4群6枚
  • 絞り羽根 5枚
  • 最短撮影距離 1.0m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 1.0m
  • フード なし
  • レンズカラーバリエーション シルバーとブラック
Jupiter 12 35mm F2.8 Jupiter 12 35mm F2.8 +LEICA M8.2

2.使用感

Jupiter 12 35mm F2.8の描写は、異形の大型でフィルム面に近い後玉を持つレンズとしてはそれなりにまともな描写をする。

これは、焦点距離が35mmであることの影響が大きいと考えられる。後玉がフィルム面に近い、より広角な21mmのレンズでは、撮影結果に周辺減光やカラーキャストの問題がほとんど見られないのと同じだ。

中心部の解像度は高いものの、周辺に行くにつれて像が緩くなり、周辺部分では崩れて見えるシーンもある。この効果は主題を浮き上がらせるには有効だが、記録的な用途には不向きで、像面の解像度が均一ではない。このレンズが採用する対称光学系により直線部の歪みが少ないだけに、周辺部の緩さが残念に感じられる。

また、絞り開放の撮影はF値2.8だが、数値以上にピント面が薄く、シビアに感じられる。ピント合わせを任意の位置で行ってから、構図変更のために撮影位置をずらすと、ピント位置もずれていることが多く、このレンズのスイートスポットの狭さを感じさせる。

絞り羽根は5枚で奇数なので、10条の光条を得ることができる。最短撮影距離は1mと、バルナックライカの標準的な値である。そのため、レンジファインダーカメラでは、もう少し寄れないレンズとなるが、ミラーレスカメラであれば、補助ヘリコイドを使うことによって、この弱点を回避できる。

また、この大型のレンズ後玉は、カメラに装着時に問題になることがある。ギャラリーで使用したカメラを見て分かるように、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーを搭載したカメラであれば、ほぼ問題なく装着できる。LEICA M8はAPS-Hサイズセンサーだが、センサー部分が35mmフルフレームセンサーを見越した設計で余裕があるため、このレンズを装着できる。

LEICA M8で使用すると、小センサーの恩恵で、描写が崩れがちな周辺部をクロップする効果がある。焦点距離は35×1.33=47mmとなり、ほぼ標準レンズと同じ焦点距離で使いやすいレンズとなる。

しかし、センサーサイズが小さいAPS-Cセンサー搭載カメラやマイクロフォーサーズセンサー搭載カメラでは、センサーを囲むように存在する壁にレンズの後玉が接触して装着できないことが多い。小センサーカメラに装着する際は、カメラとレンズが干渉しないか慎重に確認する必要がある。

個人的に確認したところ、LEICA T typ701を含むLEICA T、TL、CLシリーズ、SONY α NEXシリーズ、PANASONIC LUMIX GM5では装着できなかった。

より大きなセンサーである中判デジタルセンサーを搭載したHASSELBLADのX2Dで使用したところ、44×33mmをカバーするイメージサークルはなく、35mm判が限界であることがわかる。

外白枠が44×33、内白枠は3:2トリミング

3.まとめ

Jupiter 12 35mm F2.8をまとめると、カメラに装着して普通に使えるレンズだ。その描写は、中心部の先鋭さは現代レンズに劣らないものの、周辺部分では像の崩れが気になる。中心部に主題が来る被写体には向いているが、そうでない場合はあまり良い結果を得られない。

世界のライカレンズ Part2 140ページに菊池芳文氏がレビューを寄稿している。

仕様・考察など

ロシア産レンズは、デッドストックが掘り起こされたり新造されたりと状態が良く分からないものがピンからキリまでの値段で売られている。ジャンク覚悟で安価に買うか、実物を見てからの購入が無難と思われる。実際、価格が安かったため3本購入したが、状態はそれぞれ違っていた。しかし、いずれのレンズでも絞り羽に油がしみているのが見られ、ロシアレンズはわりと絞り羽に油がしみやすいように感じた。
油が固着して羽が開かない状態でなければ問題ないが、防湿庫に長く入れていると、そのうち固まる気がする。最初に購入したレンズはKMZ製、2本目と3本目はLZOS製だった。Arsenal製のレンズもあるようだが、こちらは見たことがない。

ロシアのL39スクリューマウントレンズは、20mm、28mm、35mm、50mm、58mm、135mmと焦点距離は揃っている。2010年代後半まではかなり廉価に販売されていたが、2020年代に入り他のライカマウント互換レンズ同様に価格が上昇しており、安いので試しに使ってみようという価格ではなくなっている。

項目Jupiter 12BiogonC-Biogon
焦点距離(mm)353535
最大絞り2.82.82.8
最小絞り22
レンズ構成4群6枚4群6枚5群7枚
絞り羽根510
最短撮影距離(m)1.00.7
レンズ長(mm)30?30
レンズ最大径(mm)51?52
フィルター径(mm)40.5←(0.5ピッチではない?)43
フード専用バヨネットフード
リリース年1950(L39)-1937(Contax)2008(VM)
製造本数
重量(g)116
Walz hoodを装着
?200

参考情報

寄付のお願い・Request for donations

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更新履歴

  • 2025.8.9
  • 2024.05.05
  • 2023.12.30

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