いにしえの標準レンズ2 LEITZ SUMMAR 5cm F2

いにしえの標準レンズ2 LEITZ SUMMAR 5cm F2

ズマール 5cm F2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA M9

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ズマール 5cm F2はライツ(ライカ)社が1933年にリリースした標準レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 2
  • レンズ構成 4群6枚
  • 絞り羽根 6枚か10枚
  • 最短撮影距離 1.0m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 1.0m
  • フード SOOMP

2.使用感

ズマール 5cm F2はライカ標準レンズでレンズ構成にガウス型を採用した初期のレンズだ。

しかし、初期ガウス形式のためかズミクロンなどに比べると設計が煮詰まっていない印象を受ける。これは使用したレンズが劣化していたことも影響している可能性はある。

そのようなレンズで絞り開放のF2で撮影すると、ピント合焦部の描写は美しいが、アウトフォーカス部となる周辺部において像が甘くなり2線ボケがみられることが気になった。

それほど高い価格で入手したレンズではないため、期待していたわけではないが、撮影結果を見てもなんとも微妙なレンズと感じて、しばらくして手放してしまった。ライカレンズなので購入価格程度では売却できたので、遊びにそれほど費用がかからなかったのは幸いだ。

この悪い印象は使用したカメラがLEICA M9ということも災いしたかもしれず、よりセンサーサイズの小さなEPSON R-D1、LEICA M8で使用していれば周辺が写らないので粗が見えなかった可能性もある。また、フィルムカメラでは周辺部の粗もマイルドに描写されたのかもしれない。35mmフルフレームセンサー搭載デジタルカメラで使用したことがよくなかったのかもしれない。

このレンズは一般的な沈同教頭のレンズと、固定鏡筒版の「ひょっとこズンマー(ズマール)」という名前で中古店に陳列していることがある。とても高価でコレクター向けの商品となっている。リンク先の本に載っている作例を見るかぎり、通常版と大きな差があるとは思えなかった。

3.まとめ

結論としてズマール 5cm F2をまとめると、ライカガウス型レンズの先駆けで、完成されたレンズとはいいがたい。ズミターが発売される前後までの6年間で12万本製造されているので、人気のレンズであったことは間違いない。

製造本数が多いため、状態のよいレンズがみつかる可能性はあるが、その場合、総じて高価になっている。

仕様・考察など

ズミクロンにいたるまでライカが試行錯誤をしたF2標準レンズでF2に到達したのはこのズマールからだ。レンズ構成にガウス型を採用しズミクロンの原型と言えるレンズだ。変形トリプレットレンズのヘクトールの3年後にリリースされているため、ヘクトールと並行して開発されたと考えられる。

項目ヘクトールズマールズミターズミクロン
焦点距離(mm)50
最大絞り2.5222
最小絞り1812.512.5/1616
絞り羽根66/10610/16
レンズ構成3群6枚4群6枚4群7枚
最短撮影距離(m)1.0
レンズ長(mm)
マウント面からの距離
32
レンズ最大径(mm)4747.847.847.8
フィルター径(mm)A36かぶせ36.539
フードFIKUSFIKUS / SOOMPSOOPDSOOFM / IROOA / ITDOO
重量(g)190
130
205
180
240
リリース年1930193319381951
製造本数5,600127,950172,390253,314

参考情報

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更新履歴

  • 2024.05.22

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