SONY FE 28mm F2 (SEL28F20)
フルサイズEマウント向け広角レンズ
ソニー FE 28mm F2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- FE28mm単体、写真作例の撮影はソニー α7sII(A7S2)
- FE28mm +ウルトラワイドコンバーター、写真作例の撮影はソニー α7sII(A7S2)
- FE28mm +フィッシュアイコンバーター、写真作例の撮影はソニー α7sII(A7S2)
レビュー
FE28mm F2は、2015年に発売された大口径広角レンズ。
コンパクトな単焦点レンズで、アルミニウム製と思われる金属製鏡筒は軽いが華奢な感じはしない。
Eマウントはレンズを電子制御するため、鏡筒にはフォーカスリングのみ存在するシンプルな鏡筒になっている。しかし、鏡筒に距離計さえ無いのはコストダウンとしては行き過ぎているような気もするが、デジタルネイティブな撮影者はEVFさえあれば、そんな物は不要なのだろうか?
前述した距離計について、ページを作りながら、このレンズで、MFで0.5m位置で固定して撮影するようなことをする撮影者はほとんどいないだろうから不要な気がしてきた。
レンズはインナーフォーカスを採用しており、ピント位置によるレンズ長さの変化はない。
フィルター径は49mmで一般的なフィルターを装着できるが、後述するフロントコンバーターを装着する場合は、取り外す必要がある。
レンズ単体の写りは35mmフルサイズセンサーカメラにおいても、四隅が少し歪む程度である。Raw画像とJpg画像を同時記録して、その画像をモニター上で並べたときに、変化に気がつく程度の差だ。Jpg画像は画像記録時にすでに歪みは補正されている。
レトロフォーカス型のレンズ構成なので、周辺減光やカラーキャストがおこることも無く安心して使える。
逆付け可能な花形バヨネットフードが付属しているが、装着するとレンズが大きくなること、コンバーターを付けるときは、フードを逆付けする必要があるなど、撮影時に面倒が発生するためフードは装着せずに使っていた。フードが無い場合、太陽が直接はいるシーンではゴーストの発生がみられることがあるが、フードを装着すると改善するかは試していないので不明である。
APS-Cサイズセンサーカメラでは、焦点距離42mm相当となるため、標準レンズに近い焦点距離となる。前述の少々の歪みをおこす周辺をカットするため、より四隅が整った画像を得ることができるのは利点である。
FE28mmには、以下の専用オプションコンバーターがあり、基準となる28mmから広角側へ撮影範囲を広げることができる。
- 「ウルトラワイドコンバーターSEL075UWC」(4月17日発売。税別3万8,000円)
- 「フィッシュアイコンバーターSEL057FEC」(5月22日。税別4万5,000円)
コンバーターを装着したときのレンズスペックの変化は以下の通りである。
35mmフルサイズセンサー | APS-Cサイズセンサー | 開放F値 | |
レンズのみ | 28mm | 42mm | F=2 |
ウルトラワイドコンバーターSEL075UWC | 21mm | 31.5mm | F=2.8 |
フィッシュアイコンバーターSEL057FEC | 16mm | 24mm | F=3.5 |
35mmフルサイズセンサーでは、ウルトラワイドコンバーターを装着した焦点距離21mmは、Raw画像は周辺が若干歪むが、画像の周辺部に直線の物体が無ければほとんど気付かないレベルだ。また、Jpg画像は補正された結果が保存される。
フィッシュアイコンバーターを装着した焦点距離16mmは、魚眼レンズなので歪みはそのまま残されており、RawとJpgの撮影結果に画像補正の差は無い。
ソニーのレンズラインナップでは、16mmから始まる広角側ズームレンズは、Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA、FE 16-35mm F2.8 GM、FE 16-35mm F2.8 GM II、FE PZ 16-35mm F4 G、FE 16-25mm F2.8 Gと他のカメラメーカーと比較して充実のラインナップだ。むしろ多すぎる感じさえする。
ズームレンズは複数の単焦点レンズを持ち歩くことに比べると、撮影機材の量が減るというのが最大のメリットだが、これだけレンズラインナップがあると、どのレンズをチョイスするかはとても悩ましい。
広角側の使用頻度がそれほど多くなく、28mmを基準に少しだけより広角側を使う撮影者であれば、FE28mm +オプションコンバーターは価格的にも、お勧めできる組み合わせだと思う。
単焦点と専用コンバーターの組み合わせは、AFも使えるし画質的な問題はほぼ無く、28mm単体では明るく軽いレンズでフットワークよく撮影でき、少し広角が欲しいときは、バヨネットマウントのコンバーターを付けると瞬時に焦点距離21mmにすることができる。
魚眼レンズは、Eマウントでは商品化されていないため、Aマウントのレンズか、他社のレンズを使うことになるが、使用頻度が低いと予想される魚眼レンズのためにレンズを買うのは、それほど良い選択とは思えないため、オプションのフィッシュアイコンバーターで済ませてしまうのは妥当な選択肢と思える。
ただし、両コンバーターともに、レンズがかなり大型化することと、レンズ前部に重量物が装着されるため、カメラをかまえたときの重量バランスは悪くなる。テストする機会があれば、実際に撮影して重量バランスに問題ないか確認した方が無難と考える。
仕様・比較
項目 | FE 28mm F2 |
焦点距離(mm) | 28 |
最大絞り | 2 |
最小絞り | 22 |
絞り羽根 | 9 |
レンズ構成 | 8群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.25(MF) |
レンズ長(mm) | 64 |
レンズ最大径(mm) | 60 |
フィルター径(mm) | 49 |
重量(g) | 200 |
型番 | FE28F20 |
発売日 | 2015.04.17 |
希望小売価格(円/税別) | 74,000- (65,000-) |
参考文献・参考リンク
- 参考リンク:SONYのレンズ公式ページ
更新履歴
- 2024.08.02:更新