一眼バッテリー搭載 SONY Cybershot DSC-S70

SONY コンパクトデジカメ サイバーショット DSC-S70のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー


1.概要
SONY DSC-S70はソニーが2000年に発売したコンパクトデジタルカメラ。
主な仕様として、画素数は300万画素のCCDセンサー、レンズは35mm判換算で34mm~102mmの光学3倍ズーム、実像式光学ファインダー、背面液晶1.8インチ、12万画素を採用している。
カメラに記載されている6倍ズームはデジタルズームを併用したときのズーム倍率だ。
センサーサイズは1/1.8インチで、広角端の実焦点距離が7mmで35mm判換算の焦点距離が34mmとの換算(換算倍率4.85)からも確認できる。
記録メディアは、メモリースティック。
カメラを動作させる電池は、ソニー1眼レフと共通のNP-FM50、NP-FM500Hなどの大容量バッテリーを使用する。
2.使用感
SONY DSC-S70は2000年のカメラだけあり、起動ももっさりしている。
カメラの厚みが6cmあるためかなり分厚いカメラで、小さめの一眼レフカメラ程度の厚みがある。
しかし、そのおかげでカメラのホールド感、撮影時の安定性はよく、手ぶれ防止に一役買っている。
そして、このカメラは34mm~102mmのズームレンジの広角端34mmの絞り開放F値がF=2、望遠端102mmの絞り開放F値がF=2.5と明るいという特徴がある。
薄型のコンパクトデジカメの場合、広角端は開放F値がF2.8程度でも焦点距離が100mm程度になると絞り開放F値がF=5を越えるカメラも多くあり、その場合カメラに手ぶれ補正機能があったとしても、少し暗いところでは手ブレの発生する可能性が高くなる。
マクロ機能はボディ背面にあるFocusボタンで切り替えられる。Focusボタンの動作は、Macro>0.5m>1m>3m>7m>∞となっている。Macroが先頭に来ているのは嬉しい配慮だ。通常モードに戻すためには5回押す必要があるのは操作性が練り込まれていないと感じる。
電源ボタンを押してから、オープニング画面が表示され、一呼吸置いてから撮影可能になる。オートフォーカス、自動露出(明るさの加減)の追従速度はこの時代のカメラなりなので、起動直後に慌ててシャッターを切ると不適切な明るさのピンボケ写真ができあがる。
ズーム連動実像式光学ファインダーは、その機能上ピント位置は確認できず、撮影範囲の確認だけとなる。ピント位置は合焦時の音で確認することになる。当然だが、合焦時の音はカメラがピントが合ったと判断して音が鳴るだけなので、どこにピントが合っているかは不明だ。
また、実像式のファインダーは遠距離はそこそこ撮影結果と見た目が合うが、近距離になるほどレンズ位置とファインダー位置の視差、パララックスによって撮影位置と見えている位置がずれるので注意が必要だ。これコンデジあるある。電子ビューファインダーは背面液晶を見ているのと同じなのでズレはないので、光学式ファインダーを初めて使う人は戸惑うかもしれない。そういう意味では一眼レフはイメージにズレがないし、ピント位置も分かるのでよくできたシステムだ。
また、背面ディスプレイはライブビューなのでレンズが捉えた物が表示されているが、その仕様は1.8インチ、11万ドットと2000年初期のスペックを踏襲しているため、背面ディスプレイの表示クオリティは低く、構図は判別できるがピント位置は当てにならない。
よって、ピント位置は撮影結果をみてのお楽しみと言うことになる。
露出補整機能はメニューの中にあるので変更するのが面倒に感じる。
カメラの撮影モード切替として、Programボタンがあり、そのボタンを押すと絞り値のマニュアル設定(Aモード)>シャッタスピードのマニュアル設定(Sモード)>その他撮影モードを5種類設定できるが、設定の選択が一歩通行でSモードを選んだらAモードを選ぶためにはボタンを5回押す必要があり、こちらも操作性は今一だ。これはより上位カメラのDSC-S75、DSC-S85はモードダイヤル、ジョグダイヤルを装備しており、使い勝手が向上している。
撮影画像の明るさに関しては、露出固定が効くため設定で露出を±しなくても、暗いところで露出を固定してから明るいところにカメラを向けると、露出過剰な明るい写真が撮れ、明るいところで露出を固定すると、暗い写真を撮ることができる。コンパクトデジタルカメラによっては、シャッター半押しでもレンズを向けた位置で自動的に露出が再計算されるカメラもあるため、露出固定ができるこのカメラはわりと気に入っている。
撮影したJPG画像のレンズの歪みは広角端の34mmでもほとんど気にならず、小さいセンサーに大口径レンズの組み合わせはレンズ中央部の歪みの少ないところを利用しているため撮影結果の歪みは少なくなるという利点を生かしている。それに比べると、広角端が24mmなどワイドになっている影響もあるが、スタイリッシュなコンパクトデジカメのレンズは光学的に無理をしていることがわかる。
オートホワイトバランスは、オート、屋内、屋外、ホールド、の4モードでマニュアルによると、屋学は「夜景」のことらしい、ホールドは「単一色の被写体や背景を撮るとき」とのことで、物撮りでも想定しているのだろうか?基本的にはオートで使えのようだ。また、ISO感度の設定はない。
モニターに表示される撮影枚数は撮影枚数が減る表示ではなく、撮影した分だけ増えていく表示なのであと何枚撮影できるかをユーザー自身で把握する必要がある。もっとも解像度の高い2048×1536にした場合、64MBのメモリースティックで約50枚撮影できる。解像度は変更できるが画像の圧縮率は変更できない。そのかわり無圧縮のTIFFモードがメニューの中にある。TIFF画像1枚の画像サイズは約16MBとなっており、64MBのメモリースティックで4枚という厳しさがある。
対応メモリーカードは、メモリースティックで、PROには対応していない。メモリースティックDuoアダプターMSAC-M2を使うときは、PROの表記がない小容量のメモリースティック Duoを調達する必要がある。
電源、電池カバーにはロック機構があり、不用意に開閉する心配はないのは良いが、実際に使うときは面倒に感じることがある。
3.まとめ
結論として、SONY DSC-S70をまとめると、一眼レフ向け大容量バッテリーを採用しているため電池の持ちがよい。付属するNP-FM50は入手困難だが、このカメラで使用可能なNP-FM500Hは現在も純正新品が入手可能なので、互換バッテリーに不安がある人はこちらを使用するのがよい。
2005年のコンパクトデジタルカメラとしては太めでスタイリッシュでは無く、焦点距離も34mm~102mmの3倍ズームと平凡な仕様だ。しかし、レンズの絞り開放値が明るいという利点がある。
仕様・考察など
このDSC-S70は2000年〜2001年に発売された、DSC-S30、DSC-S50、DSC-S75、DSC-S85の兄弟カメラとなる。
DSC-S30、DSC-S50、DSC-S70が2000年に発売、DSC-S75、DSC-S85は2001年の発売になる。
2001年に発売されたDSC-S75、DSC-S85はDSC-S70の改良カメラで、レンズなどカメラの基本コンポーネントはDSC-S70とほぼ同じだが、カメラボディのボタン配置が改良されており、モードダイヤル、ジョグダイヤルなど操作性を向上させる装置が追加されている。また、DSC-S75はDSC-S70と同じ300万画素だが、DSC-S85のみ400万画素にイメージセンサーの画素数がアップしている。
項目 | S30/S50 | S70/S75/S85 |
ズーム倍数 | 3倍 | 3倍 |
焦点距離 | 39-117 | 34-102 |
レンズブランド | ソニー | カール・ツァイス |
レンズ構成 | 不明 | 7群11枚 |
明るさ | F2.8-2.9 | F2-2.5 |
画素数 | 125万 202万 | 324万:S70/S75 398万:S85 |
センサー | 1/2.7 | 1/1.8 |
ファインダー | 実像式光学 | 実像式光学 |
液晶サイズ 画素数 | 1.8インチ 12万 | 1.8インチ 12万 |
バッテリー | NP-FM50 | NP-FM50 |
メディア | メモリースティック | メモリースティック |
重量(g) 本体のみ | 316 | 310:S70 352:S75/S85 |
サイズ(mm)(幅x高x奥) | 113×68×69 | 117×71×64 |
リリース年 | 2000.4 | 2000.3:S70 2001.4:S75 2001.6:S85 |
カラー | シルバー | シルバー:S70 グレー:S75 ブラック:S85 |
オプション
- DSC-S70専用アダプターリング『VAD-S70』・希望小売価格2,500円円(税別)
- メモリースティック / メモリースティック Pro
参考情報
- DSC-S70、DSC-S50、DSC-S30プレスリリース
- DSC-S70、DSC-S50、DSC-S30仕様
- DSC-S75・プレスリリース
- DSC-S85・プレスリリース
- DSC-S70・マニュアル
- DSC-S75,DSC-S85・マニュアル
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更新履歴
- 2025.8.20
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