最初期R180mm APO TELYT R 180mm F3.4

最初期R180mm APO TELYT R 180mm F3.4
eye catch

アポ・テリート R 180mm F3.4をデジタル中判カメラ・HASSELBLAD X2D-100Cで使用したレビューと写真作例

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目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

  • HASSELBLAD X2D-100C
  • SONY α NEX-6 +SPEED BOOSTER x0.71
  • SONY α7Sii +APO EXTENDER x2
  • SONY α7Sii +EXTENDER x2
  • SONY α NEX-7

レビュー

APO TELYT R 180mm F3.4After image

1.概要

APO TELYT R 180mm F3.4は1975年から1998年にかけて17,000本造られたライカRマウントの望遠レンズ。

レンズ構成は4群7枚、絞り羽根は8枚、最短撮影距離は2.5mとなっている。

このレンズのマウントタイプは、中古市場で3カムとRカムのROM端子付きは売られているのを見かける。今回紹介しているレンズも3カムである。Rカムを見たことが無いのは、このレンズの不思議なところである。

ライカはRマウントで焦点距離180mmの望遠レンズを多くのバリエーションでリリースしている。代表的なレンズは下のとおりだ。このアポ・テリート 180mmはもっとも初期にリリースされた180mmレンズだ。

ライカR 180mmレンズリスト

  1. APO TELYT 180mm
  2. ELMAR 180mm
  3. ELMARIT 180mm 旧
  4. ELMARIT 180mm 新
  5. APO ELMARIT 180mm
  6. APO SUMMICRON 180mm

このレンズラインナップにズミクロン 180mm F2が含まれていることが、ライカが180mmにこだわりを持っていたことを感じさせる。
ズミクロン 180mm F2は非常に興味があるレンズだが、製造数が少なく高価で、長焦点距離の180mmはそれほど使い道が無いレンズなので購入するにいたっていない。

2.使用感

APO TELYT R 180mm F3.4は、細身の割りに重量感があるレンズで、LEICA R8などの比較的大柄なカメラで使用すると安定した撮影ができる。

このレンズを入手したのは、入手できそうな時期がちょうど桜の季節と重なり、レンズの価格も安かったため購入して使うことににした。

絞りリングは他のRマウントレンズ同様に鏡筒付け根にあり、その少し前方にフォーカスリングがある。細長いレンズの操作性と見た目のバランスを考えると、フォーカスリングはより幅が広いデザインが良い。

これは同時期にリリースされたエルマー R 180mmレンズのフォーカス部分を流用しているため、このようなデザインとなっている。このあとに記載する最短撮影距離の問題は、ヘリコイドを流用したために繰り出し量が足りなくなった可能性がある。

そのような撮影上の制約はあるレンズだが、撮影画像の抜けのよさと、美しいボケはこのレンズの特徴で、お値段以上の写りは確実にしている。場面によってはより高価なアポ・エルマリート 180mmとの差を感じない。

ハッセルブラッドのX2Dで使用したところ、イメージサークルは、中判デジタルセンサーの44x33mmを完全にカバーしており、周辺部にも顕著な乱れは感じられない。
本レンズは広いイメージサークルを持っているので、LEICA S Typ007で使用したいところだが、カメラとレンズのフランジバックの違いから叶わない夢となっている。

その他、より小さなセンサーのカメラでも使用したところ、大きなイメージサークルのおかげで、LEICA純正の2倍テレコンバーターを使用し焦点距離の延長、METABONES社のSPEED BOOSTER ULTRA X0.71 ワイドコンバーターで焦点距離を短くしても、撮影画像にそれほど大きな乱れはみられない。これはレンズの素性の良さと考えられる。

撮影時における問題点は最短撮影距離が2.5mという点だ。
それを補う方法の1つとして、LEICA純正のマクロアダプター(14299)を使うことで、最短撮影距離を1.5m程度まで短縮することができる。この値はより現代的な180mmレンズと比べると物足りなさが残る。
さらに改善するためには、2倍テレコンバーターで焦点距離を360mmに延長して、さらにマクロアダプターを装着すると、撮影距離が2m程度とマクロ性能も十分なレンズとなる。

焦点距離180mmはアポ・エルマリート 180mm、バリオ・アポ・エルマリート 70-180mmを購入したがそれほど熱心には使わなかった。望遠レンズを使うなら300mm以上、焦点距離の短いレンズは90mm以下を使うことが多く、個人の撮影嗜好として135mmから180mmはあまり活用どころがないことは自覚している。

長焦点距離のマニュアルレンズは、中判カメラ向けのレンズは中古市場でかなり安く流通しており、HASSELBLAD Xシリーズや、フジフィルムGFXシリーズなどの中判デジタルセンサー搭載カメラで使う場合は、そちらも候補になるだろう。

3.まとめ

結論としてAPO TELYT R 180mm F3.4をまとめると、イメージサークルも広く、色再現性もよい望遠レンズだ。価格が安めなので、焦点距離の長いレンズをとりあえず買う際には候補になる。弱点としてはレンズ単体での最短撮影距離が2.5mと寄れないことだ。

それを補うために、マクロアダプターやテレコンバーターを使う必要があり、現代の最短撮影距離が短いレンズと比べると汎用性は低くなる。

仕様・考察など

最初期のAPO TELYT 180mmと最後期のAPO ELMARIT 180mmのレンズ構成図を比べてみた。
最新のAPO TELYT 180mmはレンズ配置が前群と後群が離れた望遠鏡的な設計となっており、設計に古さが感じられる。そして、APO ELMARIT 180mmと比べレンズ径が8mm細くレンズ長が3mm長いためLEICA R8などの大型のカメラに取り付けた際のバランスはAPO ELMARIT 180mmより悪い。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
Before imageAfter image
項目Apo telytelmarapo elmarit
焦点距離(mm)180180180
最大絞り3.442.8
最小絞り222222
絞り羽根868
レンズ構成4群7枚4群5枚5群7枚
最短撮影距離(m)2.51.81.5
レンズ長(mm)135100132
レンズ最大径(mm)6885.576
フィルター径(mm)605567
重量(g)750540970
フード組み込み組み込み組み込み
マウントライカRライカRライカR
製造年197519761997
製造数17,00011,5001,900

参考情報

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更新履歴

  • 2025.7.27
  • 2025.1.5
  • 2024.07.14
  • 2024.03.26

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