片面R CANON IXY 510IS

キヤノン製コンパクトデジタルカメラ・IXY 510ISのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー


1.概要
キヤノン・IXY 510ISは、2009年2月26日に発売されたキヤノン製コンパクトデジタルカメラ。同年にはキヤノンから6機種が発売されている。次年の2010年から両手の指では足りない数のコンデジが発売されるため、コンデジ爆発期の少し前に発売されたカメラと言える。
1210万画素の1/2.3型CCDセンサーと35mm判換算28〜112mmのズームレンズを搭載している。
カメラの起動時間、シャッターのレスポンスはよく、電源ボタンを押すとレンズがせり出してくる、キヤノンの標準的なスタイルを採用している。バッテリーはNB-4L、仕様は3.7V、760mAh、2.8Whで満充電時の公称撮影枚数は200枚となっている。最短撮影距離はマクロモードのワイド端が最短でレンズ先端から2cm。ボディカラーは、シルバー、ゴールド、ブルー、ピンクの4色展開。
カメラ上面は、ビデオ、写真を切り替えるスライドスイッチ、電源スイッチ、ズームレバー、シャッターボタン、カメラ背面は、画像再生、メニュー、機能のボタンと、セレクトダイヤルがあり、基本的な操作はボタンとダイヤルで実行できる。ダイヤルの四方向にも機能が割り当てられており、電源オン時に液晶画面に機能が表示されるようになっているため、ボディ表面には印刷された案内がない。ダイヤルには次の機能が割り当てられている。
- 上:タイマー
- 下:ディスプレイ表示変更
- 右:フラッシュ設定
- 左:撮影モード(マクロ、風景)
中央のFUNC SETボタンで記録解像度、露出補整、ISO設定などのメニューにアクセスできる。露出補整がメニューの中にあるのが少し面倒に感じられ、後継のIXY 30sでは先述したダイヤルの上方向にに露出補整が割り当てられていたが、このカメラは少し古い仕様のためか、個人的には使わないタイマーが割り当てられており変更できないのは印象が悪い。
2.使用感
キヤノン・IXY 510ISの描写はキヤノンカメラの特徴をよく引き継いでおり、撮影プレビューをみるとキヤノンの色だな感じさせる。その一番の特徴は色のりであろう、この時代のコンデジ含めデジカメが苦手な赤をそれっぽい色に仕上げてくるところだ。
IXY 510ISはコンデジの中でも汎用的な普及機で突出した特徴は無く、AF性能はそこそこ、撮影においては晴天下で撮影する際は不満を感じることは少ない。しかし、広角28mmはレンズの歪みがそれなりに目立ち、露出調整をしても白飛び黒つぶれは避けられないことは認識して使う必要がある。
また、カメラのリリース時代的に背面液晶が23万ドットと低品質なので、撮影結果のプレビューでピントずれ、手ぶれを見分けるのも難しく、特に暗いシーンの撮影結果はPCで表示してがっかりすることがそれなりの頻度でみられる。とくに望遠端のF値が5.8と暗いため手ぶれしやすいカメラだ。
手ぶれ対策としてレンズシフト式の手ぶれ補正機構を搭載しているが正直なところあまり効果を感じない。カメラ撮影の基本であるしっかりとカメラ側をホールドしてブレないようにする必要がある。手ぶれ対策のもう一つとしてISO感度を上げるがあり、ISO感度を1600まで上げることができるが、小センサーの悲しさでISO1600の画質は許容できない。
個人的にはISO200くらいまでが撮影結果として我慢できる限界だ。高感度の許容範囲は人それぞれ感覚が異なるため、これはあくまで個人的見解とご承知いただきたい。
このカメラはJPG記録しかできないが、撮影距離によっては樽形の歪みが目立つ画像がそれなりにある。ホワイトバランスと色再現性は良好で、オートモードで撮影しても不満の無い色の画像を記録する。
コンデジは横長長方形に奥行が1cm程度という限られたフォーマットの中で各社が独自性を競う世界で、このIXY 510ISは握り手側の面を大胆なRにすることで他のカメラと差別化を図っている。この片側がラウンドしたボディはキヤノン製コンデジの数機種にみられるが、なかでも510ISはもっともRが大きく個性的なデザインとなっている。
見た目は個性的だがカメラを握る部分が小さくなり、自分で具合のいい握りのポジションを確立するまでは、握ったとき親指が来る付近にある再生ボタンを誤って押すこともある。
電池を満充電でCIPA準拠200枚とのことだが、少しへたったバッテリーだとその半分くらいで電池切れとなる。外観はプラスチックに薄塗りの塗装でそれほど高級感は無い、メッキ部分はそれほど丈夫では無く裸婦に扱うとメッキが剥げる。
3.まとめ
結論としてキヤノン・IXY 510ISをまとめると、キヤノンコンデジの伝統を引き継いだ、そつのないコンパクトデジタルカメラ。
キヤノンのコンデジは2010年からCMOSセンサーに変わるため、CCDセンサーを搭載している最後の世代となる。絵作りはセンサーの性質よりもカメラの画像処理のウェイトが大きいという話も説得力はあるけれど、CCDセンサーカメラは35mm付近スタートのコンデジが多いため、広角28mm+CCDセンサーというのは1つの特徴と言える。
仕様・比較
項目 | IXY Digital-20IS | IXY 510IS | IXY 30S |
焦点距離(35mm版換算) | 38-114 | 28-112 | 28-105 |
画素数 | 800万画素 | 1200万画素 | 1000万画素 |
センサータイプ | CCD | CCD | CMOS |
センサーサイズ | 1/2.5 | 1/2.3 | 1/2.3 |
実焦点距離&絞り | 6.2-18.6 F2.8-F4.9 | 5.0-20.0 F2.8- F5.8 | 4.8-18.6 F2-F5.3 |
撮影距離 (オート) | 30cm~∞ 広角マクロ時3cm | 通常撮影:50cm~∞ マクロ:2~50cm(W) / 30~50cm(T) 遠景:3m~∞ | 3cm~∞ / 30cm~∞ |
手ぶれ補正 | – | レンズシフト方式 | レンズシフト方式 |
ファインダー | 実像式ズームファインダー | – | – |
背面液晶サイズ | 2.5(TFT) | 2.8(TFT) | 3.0(TFT) |
背面液晶解像度 | 23万ドット | 23万ドット | 23万ドット |
バッテリー | NB-4L | NB-4L | NB-6L,NB-6LH |
メディア | SD メモリーカード SDHC メモリーカード マルチメディアカード MMCplus カード HC MMCplus カード | SD メモリーカード SDHC メモリーカード マルチメディアカード MMCplus カード HC MMCplus カード | SD メモリーカード SDHC メモリーカード SDXC メモリーカード マルチメディアカード MMCplus カード HC MMCplus カード |
WIFI | なし | なし | なし |
サイズ 幅 x 高さ x 奥行 | 86.8×54.8×22.0 | 97.9×54.1×22.1mm | 100×54.1×23.6 |
重量(g) ・本体のみ | 125 | 145 | 150 |
リリース年 | 2008.3 | 2009.2 | 2010.5 |
カラー | シルバー ピンク キャメル ブラウン ホワイト | シルバー ゴールド ピンク ブルー | シルバー レッド ホワイト イエロー ブラック |
オプション
- バッテリーチャージャー CB-2LY
- ACアダプターキット ACK-DC40
- DCカプラー DR-40
- コンパクトパワーアダプター CA-DC10
- ソフトケース IXC-400
- レザーネックストラップ IXS-300
- イクシチェーンネックストラップ
- ネックストラップ IXS-100
- ハイパワーフラッシュ HF-DC1
- HDMIケーブル HTC-100
- インターフェースケーブル IFC-400PCU
- AVケーブル AVC-DC400ST
参考情報
- IXY-510IS・キヤノン公式
- NB-4Lバッテリー・キヤノン公式
- IXY Digital-20IS・キヤノン公式
- IXY 30S・キヤノン公式
- CANON IXY 30S・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.6.29
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