角形コンパクト・CANON IXY3

キヤノン製コンパクトデジタルカメラ・IXY 3のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー


1.概要
キヤノン・IXY 3は、2012年3月9日に発売されたキヤノン製コンパクトデジタルカメラ。
1/2.3型・1680万画素CMOSセンサーをクロップして、1010万画素を記録する。レンズは35mm判換算28〜336mmの12倍ズームレンズを搭載している。
焦点距離は35mm判換算28mmスタートだが、実際には広角端に焦点距離4mmを採用しており、搭載している1/2.3インチのセンサーをフルに使うと広角端で22mm相当となる。しかし、このカメラはセンサーの周辺をクロップして、焦点距離28mm相当となっている。これはIXY1も同様である。
カメラデザインは横と縦の比率に黄金比(縦横比1.618:1)を採用し、表面処理に「スピンカット」を施し一体感ある輝きを纏っている。この「スピンカット」はIXY3のみで、IXY1は光沢ありのペイント処理となっている。
以下に主な特徴を記す。
- 絞り羽根は2枚だが6角形を採用。
- 最短撮影距離はマクロモードのワイド端が最短でレンズ先端から1cm。
- 画像の記録はmicro SDXC規格に対応しており、大容量カードが使えるため128GBを用意しておくと数千枚の記録が可能である。
- バッテリーはNB-9L、仕様は公称電圧3.5V、870mAh、3.5Wh。IXY1、IXY50S、IXY 51Sは同じバッテリーを採用している。
- 電池を満充電でCIPA準拠190枚とのことだが、少しへたったバッテリーだとその半分くらいで電池切れとなる。
- ボディカラーは、ブルー、レッド、シルバーの3色展開。
2.使用感
キヤノン・IXY 3は起動ボタンを押すとレンズがせり出してくるコンパクトデジカメの標準的なスタイルを採用しており、撮影可能になるまで待つという感覚はしない。そして、撮影時にオートフォーカスの合焦時間、シャッター反応も大きなラグを感じることは無く、画像記録も待つような感じは無いため、総合的にカメラレスポンスは上々である。
撮影結果は自動ホワイトバランスと色再現性はイマイチで、オートだとけっこう変な色が出てくる。割り切って晴天にしている方が良い。
コンデジ特有のハイライトに粘りが無く白飛びし、暗いシーンの撮影結果はPCで表示したときにノイズでがっかりすることがある。また、望遠端のF値は5.3と暗いため手ぶれには注意が必要で、レンズシフト式の手ぶれ補正ISを積んではいるけれどあまり効果を感じない。
しっかりとカメラ側をホールドしてブレないようにする必要がある。ISO3200まで上げることができるが、小センサーの悲しさ、個人的にはISO400くらいまでが撮影結果として見ることができる限界である。高感度の許容範囲は人それぞれ感覚が異なるため、あくまで個人的な感想だ。
背面液晶が46万ドットで撮影結果をプレビューでみると、ピント位置、写真のぶれがなんとか判別できる。
このカメラはJPG記録しかできないが、撮影距離によっては樽形の歪みが目立つ画像がみられる。2010年台のカメラはそれほど積極的に記録画像に補正処理を加えていないことがうかがえる。画像エフェクトもあまり実用的なモノは無く、こちらもおまけ程度の機能となる。
ボタンレイアウトはコンパクトなボディを実現するためにかなり窮屈になっており、小さなボタンにカメラの機能とメニュー移動のカーソル機能が割り当てられている。タイトなレイアウトなので操作性はそれほど良くないがメニューを頻繁に使うカメラで無いため許容できる。
しかし、カメラをホールドする場所のすぐ近くに動画記録ボタンがあり、手が大きい撮影者はカメラを構えるときに動画記録ボタンに気をつかうことになる。このボタンは強めにおさないと録画ははじまらないため、そう頻繁に録画ボタンを押してイライラすることはない。
角にエッジの立った6面体のすっきりとしたデザインが魅力的だ。塗装皮膜は比較的強く、丁寧に扱っていれば、角から塗装が剥がれることも無い。
遠端は336mmまであるけれど、個人的な用途ではほぼ使うことが無いため、広角端を28mmより24mmにしてもらえた方が嬉しい。
3.まとめ
結論としてキヤノン・IXY 3をまとめると、コンパクトなボディに高倍率ズームを搭載したコンパクトデジタルカメラ。記録用途には必要十分なクオリティを持っており、28mmの広角側をスマホなどでカバーすれば、かなり汎用性の高い組み合わせになる。
なによりも、ボディデザインを含め、モノとしての満足感が高いところがよい。
仕様・カメラ比較
兄弟機のIXY 1はWifi搭載でタッチ操作がメインのカメラだ。そして、カメラボディ色はホワイトとブラックの2色展開となっている。このホワイトがなかなか上質でIXY1の角が微妙に丸められたボディデザインとよいコンビネーションをしておりとても魅力的だ。基本的にはIXY3のエッジボディが好みだが、IXY1のホワイトはIXY3と並び立つ製品だ。ブラックは好みでないのでそこまでは推せない。
このホワイトボディのIXY1は購入を真剣に考えたけれど、IXY 3とほぼ同じスペックで、物理ボタンが無いタッチ操作を採用しているので購入にはいたっていない。
項目 | IXY3 | IXY1 |
ズーム倍数 | 12 | 12 |
焦点距離 | 28-336 (4〜48) | 28-336 (4〜48) |
レンズブランド | CANON | CANON |
レンズ構成 | 12群14枚(両面非球面レンズ1枚、片面非球面UAレンズ1枚、片面非球面レンズ1枚) 絞り羽根2枚・6角形 | 12群14枚(両面非球面レンズ1枚、片面非球面UAレンズ1枚、片面非球面レンズ1枚)絞り羽根2枚・6角形 |
明るさ | F3.4 (W)〜 F5.6(T) | F3.4 (W)〜 F5.6(T) |
画素数 | 1010万画素 | 1010万画素 |
最短撮影距離 | 通常:1cm~∞(W)/1m~∞(T) マクロ:1cm~50cm(W)(レンズ先端より) | 通常:1cm~∞(W)/1m~∞(T) マクロ:1cm~50cm(W)(レンズ先端より) |
手ぶれ補正 | 光学式 | 光学式 |
センサー | 1/2.3 | 1/2.3 |
ファインダー | なし | なし |
液晶サイズ 画素数 | 3インチ 46.1万ドット | 3.2インチ 46.1万ドット |
映像エンジン | DIGIC5 | DIGIC5 |
タッチパネル | なし | あり |
WiFi | なし | WIFI |
バッテリー | NB-9L | NB-9L |
メディア | micro sdhc,micro sdxc | micro sdhc,micro sdxc |
重量(g) (電池、SDメモリーカード含む) | 約155 g | 約163g |
サイズ(mm) 幅×高×厚 | 87.1 x 53.9 x 19.2 | 85.8 x 53.5 x 19.8 |
リリース年 | 2013.03.07 | 2013.03.07 |
カラー | シルバー、ブルー、レッド | ホワイト、ブラック |
オプション
- バッテリーパック NB-9L
- バッテリーチャージャー CB-2LB
- ACアダプターキット ACK-DC70
- DCカプラー DR-70
- コンパクトパワーアダプター CA-DC10
- ウォータープルーフケースWP-DC340L
- ソフトケース IXC-480BL(ブルー)
- ソフトケース IXC-480RE(レッド)
- ソフトケース IXC-470BK(ブラック)
- ソフトケース IXC-470WH(ホワイト)
- ソフトケース IXC-470BL(ブルー)
- ソフトケース IXC-470PK(ピンク)
- イクシネックストラップ IXS-110BK(ブラック)
- イクシネックストラップ IXS-110RE(レッド)
- レザーネックストラップ IXS-300B
- レザーネックストラップ IXS-310BK(ブラック)
- イクシチェーンネックストラップ(シルバー)
- ハイパワーフラッシュ HF-DC2
- ハイパワーフラッシュ HF-DC1
- HDMIケーブル HTC-100
- インターフェースケーブル IFC-400PCU
- AVケーブル AVC-DC400ST
参考情報
- 【コンパクトデジタルカメラ】主な仕様(IXY 3)
- CANON CAMERA MUSEUM IXY3
- 【コンパクトデジタルカメラ】主な仕様(IXY 1)
- CANON CAMERA MUSEUM IXY1
更新履歴
- 2025.6.21
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