CANON PowerShot G1X
1.5インチセンサー搭載レンズ一体型デジカメ
CANON PowerShot G1Xのレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー
2.概要
キヤノン・PowerShot G1X1はパワーショット シリーズの最高クラスGシリーズの初代カメラで、1.5インチサイズセンサー、28mm〜112mmの4倍ズームレンズ、実像光学式ズームファインダー、画素数は1430万画素とコンパクトデジカメとは思えない仕様のカメラだ。
画像処理エンジンに「DIGIC 5」を採用し、レンズ構成は両面非球面レンズ1枚と両面非球面UAレンズ2枚を含む10群11枚で多層コーティングされている。
レンズ内に手ブレ補正機構「マルチシーンIS(Image Stabilizer)」を搭載し、「静止画IS」、「流し撮りIS」、「ハイブリッドIS」、「三脚」、「パワードIS」、「ダイナミックIS」の6シーンに合わせて最適なISモードへ自動的に切り替わる。補正効果はシャッタースピード換算で公称約4段分で動画撮影でもその効果がある。
最短撮影距離はマクロモードで20cmとなっている。
画像は拡張子CR2のRaw形式とJPGに対応している。最大解像度は4:3のモードで、4352 x 3264ドットを記録することができる。動画は最大解像度で1920 x 1080 (24 fps)。
フードは専用バヨネット式のLH-DC702が別売されている。フィルターを装着するためには、 FA-DC58C3が必要となる。
バッテリーはNB-10Lで、以下仕様となっている。
対象製品 | PowerShot G1 X/G3 X/G16/G15/SX60 HS/SX50 HS/SX40 HS |
---|---|
形式 | リチウムイオン充電池 |
公称電圧 | DC 7.4V |
公称容量 | 920mAh |
充電時間 | 約1時間50分※ |
充放電回数 | 約300回 |
使用温度 | 0-40℃ |
大きさ | 約32.5×45.4×15.1mm |
質量 | 約41g |
カメラ本体の価格はオープン価格で、発売時の価格は7万円を少し上回る程度であった。
2.使用感
キヤノン・PowerShot G1Xは2012年に発売されたカメラで、センサーサイズ1.5インチとフォーサーズ・マイクロフォーサーズカメラよりも大きなセンサーを積んでいる。中古を購入したのが2024年なので発売から干支が一回りしたことになる。
コンパクトカメラと呼ぶには少々大きいが、他のレンズ交換式カメラと比べると、十分に小さなカメラで、ボディは前後のフレームは金属だが、カメラを見たとき目立つ軍艦部がプラスチックで、グリップ部の材質も安っぽいため、全体的に安いカメラに見えてしまうのは残念である。
搭載された1.5インチサイズの大型センサーは基本的な画質が向上し高感度特性もよい。ズームレンズの焦点距離は28mmから112mmで24mm相当が欲しくなる。広角端の絞り開放F値は2.8と許容できるがテレ端は絞り開放値が5.8と暗いことは残念でF4程度になるようにレンズを設計して欲しかった。G1X mark II4(以下、G1X2)ではF2〜F4にあらためられた。レンズの歪みは広角端からきちんと補正されており、四角いものを撮影しても顕著に気になるような歪みは見られない。最短撮影距離の20cmは風景メインであれば気にならないが、被写体に寄りたいときには物足りなさを感じる。
光学ファインダーが装備されているので、それなりに使えるモノかと思っていたが、見える範囲が撮影範囲の77%と撮影結果範囲の乖離が大きくイマサン使えない。撮影結果をみると常に外周部にいらないモノが写っている。トリミングをすればという意見もあるが、見えた範囲の90%程度に抑えていただきたいと思う。光学ファインダーはプリズム入りの一眼レフ形式でない限り、ピント位置の確認はできずG1Xもファインダーないの合焦表示を信用するしかなく、ファインダーから見えるのは素通しの風景である。
G1Xの背面のバリアングル液晶は3インチと大きく92万ドットの解像度はピント位置を目視で確認できる表示性能があるためこちらを使うことがほとんどになっている。このため、後継機のG1X2でファインダーがなくなったのも仕方ないと納得するしかないくらいに残念な光学ファインダーである。
G1Xは時代的なものもあるが、カメラの操作性は従来のコンパクトデジカメを踏襲しており、ズーム操作はレバー式、マニュアルフォーカスの仕組みは背面のホイールを回す形式で、コンパクトデジカメからのステップアップユーザーには馴染みがある操作形式で、そちらのユーザーにターゲットを置いていたようだ。しかし、この大型センサーをサブカメラとして併用したい、一眼レフカメラユーザーとしては、すべての操作が直感的ではないため併用する場合は苦労したと想像できる。
G1Xの動作だが、カメラレスポンスは並で特別早くもないが遅すぎることもない。撮影後の画像記録時間にしても、2000年代後半の高画素機のようにRaw撮影すると5秒待つというようなことはなく、1400万画素のRAW +最高画質の jpeg記録が気付いたら終わっているので画像処理を担っているDIGIC5が優秀なことがわかる。
バッテリーのNB-10L5はキヤノン独自で他社互換製品はないが、海外製の互換バッテリーは比較的安価に売られている。
写真のフードは、UN社のUNX-8135(52mm)レンズフードを、58-52mmステップダウンリングで装着している。姿はよいが広角端の焦点距離28mmではケラレが発生してしまう。28mmでケラレれているのは、フードの角部分がレンズの撮影範囲に入って影になる物理的な問題なので、フードの内側を削るなど物理的対処が必要となり、取付方法の工夫などではケラレが解消できないのでこのフードは使用していない。ケラレが発生しないのは焦点距離35mm以降となる。
3.競合との比較
以下は、G1X、G1X Mark IIで同じ文章である。
G1Xシリーズは、初代のG1Xから、G1X mark II(以下、G1X2)、G1X mark III(以下、G1X3)と三機種がリリースされているが、カメラ毎にコンセプトに違いが感じられる。以下、主観で要約した。
- G1Xはコンデジの延長線上の高性能カメラ
- G1X2はコンパクトミラーレスカメラを意識したサブカメラ
- G1X3は単独ですべてをまかなえるレンズ一体型カメラ
ボディデザインはG1X>G1X2>G1X3でG1Xがもっとも好みだ。
操作性、性能はG1X2>G1X=G1X3でG1X3の評価が低いのはレンズのテレ端が72mmと物足りないためだ。
最短撮影距離は、G1X2=5cm、G1X3=10cm、G1X=20cmとなっており、G1X3はセンサーサイズが大きくなったためだろうが、仕様的には後退している。
バッテリー型番が3機種ともに異なるのはユーザーとしては嬉しくない。3機種の年代が異なるためとはいえ、同じシリーズなら同じ型番のバッテリーが採用できるように、先を見据えてバッテリーサイズ屋電池容量の仕様を決めて欲しい。
G1XとG1X2のフィルター装着方法にも疑問があり、2つのカメラはフィルターをつけるために、フードと排他のフィルターアダプターが必要となっている。フィルターとフードが排他となっているのは問題だし、このフードもアダプターもカメラ毎に専用品となっており、カメラの販売終了後に入手するのはかなり面倒なことになっている。
G1X | G1X Mark II | |
フード | LH-DC70 | LH-DC80 |
フィルターアダプター | FA-DC58C | FA-DC58E |
このクラスのカメラであれば、PLフィルター、NDフィルターを使うユーザーも多いだろうから、あらかじめレンズ鏡筒先端に一般的なフィルターをねじ込むためのネジを切っておいて欲しかった。これは最新のG1X Mark-IIIで少し改善されている。
理想のG1X mark IVを下表右端に入れてみたが、G1X Mark IIを改良したG1X Mark IVを作って欲しいと願い、本稿を締めたい。
仕様・比較
項目 | G1X | G1X mark II | G1X mark III | G1X mark IV (希望) |
焦点距離(35mm版換算) | 28 – 112 mm (4倍) | 24 – 120 mm (5倍) | 24 – 72 mm (3倍) | 24 – 120 mm |
実焦点距離 | 15.1 – 60.4 mm | 12.5 – 62.5 mm | 15.0 – 45.0 mm | 12.5 – 62.5 mm |
撮影距離 | 20cm~∞ | 5 cm~∞ | 10 cm~∞ | 5 cm~∞ |
開放絞り値 | F2.8〜F5.8 | F2.0〜F4 | F2.8〜F5.6 | F2〜F2.8 |
絞り羽根 | 6 | 9 | 9 | 9 |
レンズバリア | なし | あり | なし | – |
フィルターオプション | FA-DC58C 58mm | FA-DC58E 58mm | なし 37mmねじ込み | 55mmねじ込み |
レンズフード | LH-DC70 | LH-DC80 | LH-DC110 49mmフィルター装着可能 | – |
画素数 | 1430万画素 | 1280 万画素(アスペクト比が3 : 2 時) 1310万画素(アスペクト比が4:3 時) | 2420万画素 | 1430万画素 |
センサータイプ | CMOS | ← | ← | ← |
センサーサイズ | 1.5 | ← | APS-C | 1.5 |
手ぶれ補正 | レンズシフト方式 4段 | レンズシフト方式 3.5段 | レンズシフト方式 4段 | ← |
ファインダー | 実像式ズームファインダー 視度調整範囲:-3.0 – +1.0 m-1 (dpt) 視野率:77% | 後付けEVF 236 万ドット 0.48型:EVF-DC1 0.39型:EVF-DC2 | 内蔵EVF 0.39 型 236 万ドット | 内蔵EVF 0.39 型 236 万ドット |
背面液晶仕様 | 3.0(TFT) バリアングル | 3.0(TFT) 上下チルト | 3.0(TFT) バリアングル | 3.0(TFT) バリアングル |
背面液晶解像度 | 92.2万ドット | 104万ドット | ← | 104 万ドット |
画像処理エンジン | DIGIC5 | DIGIC6 | DIGIC7 | – |
バッテリー | NB-10L | NB-12L | NB-13L | – |
メディア | SD メモリーカード SDHC メモリーカード SDHC メモリーカード | ← | ← | ← |
WIFI | なし | あり | あり | ← |
サイズ 幅 x 高さ x 奥行 | 116.7 x 80.5 x 64.7 | 116.3 x 74.0 x 66.2 (EVFなし) | 115.0 x 77.9 x 51.4 | 116.7 x 80.5 x 64.7 |
重量(g) *:本体のみ **:バッテリー+メディア | 492 * 534 ** | 516 * 553 ** | 375 * 399 ** | 450 * 490 ** |
リリース年 | 2012.3.9 | 2014.3.13 | 2017.11.30 | ? |
カラー | ブラック | ← | ← | ← |
オプション
- バッテリーチャージャー CB-2LC ¥5,500
- キヤノンフィルターアダプター FA-DC58C ¥2,750
- レンズフード LH-DC70 ¥2,750
- マクロライトアダプター MLA-DC1 ¥2,750
- リモートスイッチ RS-60E3 ¥2,750
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.9.22
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