CONTAX G BIOGON T* 21mm(Ms-optics)
Kyocera CONTAX Gマウントの21mm F2.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- CONTAX G1 +KODAK E100G
- フィルムスキャンはミノルタ・DiMAGE Scan Multi PRO
- LEICA M typ240
- LEICA M8/R-D1
レビュー
京セラ/コンタックスのGシリーズ用BIOGON 21mmは、CONTAX G2と同時にリリースされた広角レンズ。
同梱の21mmファインダーはそれほど見え方のよい物ではなく、最新のCOSINA/ZeissかLEICAの21mmファインダーの方がクリアーな視界が得られる。
レンズ構成は下図仕様に示すとおり対称型ビオゴンタイプで後玉がセンサー(フィルム)面に近いため、デジタルカメラの機種によっては周辺部でカラーキャストが発生する(本作例においてもLEICA M typ240でカラーキャストが確認できる)。
カラーキャストへの対応としては、以下5つが考えられ、個人的にはフィルムでの撮影をお勧めする。
- 撮影結果をモノクロームで楽しむ
- カラーの場合は周辺部分を大胆に落とす
- キャストが目立たない色の被写体を選ぶ(青空は諦める)
- フィルムで撮影する
- カラーキャストの少ないカメラを選ぶ
カラーキャストは、同じ焦点距離21mmでもレトロフォーカスのエルマリート21mmはこのような現象は発生しないので、スーパーアンギュロン同様にLeica M9/M/M10などで使った限りでは少し使いづらいレンズとの印象もある。
センサーサイズが小さい、EPSON R-D1、LEICA M8で使用すると、問題となる周辺がカットされるため、21mmの広角レンズではなくなるが扱いやすいレンズになる。
本レンズはコーティングが良いためか逆光耐性に優れており、被写体に太陽光が入り込むような状況においても、フレアかゴーストによる妖しげな光の発生に遭遇することはほとんどない。
本レンズはCONTAX G1/G2でも使用していたが、G1/G2を売ってしまったあと、MS-Optics(宮崎光学)にて、レンズをLeica Mマウントの距離計連動に改造した。改造レンズはMS-21という21mm用の共通ヘリコイドを使用している。
本レンズをCONTAX G1で使用する場合は、カメラのアップデートが必要である。中古のG1はたまに未アップデートのカメラが売られており、それはBIOGON21mmとPLANAR 35mmを使用することはできない。フィルム室にグリーンのラベルが貼ってあるものはアップデート済みとなる。
オリジナルのCONTAX G BIOGON 21mmはインナーフォーカスでレンズ先端は回転しないが、改造された本レンズはフォーカス時に鏡筒自身がが回転するためレンズ先端も回転する。
改造したBOIGON 21mmに絞りのクリックストップがないのはMS-Opticsレンズの仕様である。
絞り環はレンズ鏡筒がくびれた谷の位置にあるため、バックにしまった際などに絞り値が意図せずに変わることはない。
別のレンズでMs-opticsで改造したプラナー45mmは絞り環がレンズ前方にあるため、絞り値が意図せず変化して困ることがある。
Gマウントでも一部のミラーレスカメラはマウントアダプターがあるが、ライカMマウントに変更していると、より多くのミラーレスカメラで使用できる。
これはリサーチ不足はあるかもしれないが、28mm、35mm、45mmはいくつかのメーカーが改造レンズの提供をおこなっているが、21mmのMマウント改造はMs-opticsでのみおこなわれているはずである。
サードパーティー製レンズフード
オリジナルのG用ビオゴン21mmを使用していたときに購入した角形レンズフード。
ねじ込み式のストッパーがあり、57mm径のレンズであれば装着可能である。オリジナルのG用ビオゴンはレンズ先端が57mmになっておりそれに合わせたと考えられる。
オリジナルのG用ビオゴンはレンズのフォーカス時に鏡筒前部は回転しないため、本フードのような角形フードを使用することができる。
また、CONTAX純正の55mmレンズフィルターは、外径がビオゴン21mmと合わせるために57mmになっており、55mmのフィルターネジが切ってあるレンズであれば、この55mmフィルターを経由して本フードを装着できる。
しかし、改造したBIOGON21mmはフォーカスリングを回すとレンズ前部が回転するため、この角形フードもいっしょに回転してしまう。フォーカス固定後にレンズフードの位置を変更しながら使うのは現実的では無いため、本フードは使用していない。フードの姿がとても気に入っているので使いたいところだが残念である。
仕様
項目 | HOLOGON | BIOGON | BIOGON | PLANAR | PLANAR | SONNAR | VARIO SONNAR |
焦点距離(mm) | 16.5 | 21 | 28 | 35 | 45 | 90 | 35-70 |
最大絞り | 8(固定) | 2.8 | ← | 2 | ← | 2.8 | 3.5-5.6 |
最小絞り | 16(フィルター装着) | 22 | ← | 16 | ← | 22 | ← |
レンズ構成 | 3群5枚 | 7群9枚 | 5群7枚 | 5群7枚 | 4群6枚 | 4群5枚 | 8群13枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.5 | 0.5 0.8*2 | 0.5 | ← | 1.0 | ← |
レンズ長(mm) | 11 | 35.5 | 30.5 | 31.5 | 38.5 | 63.0 | 54.0 |
レンズ最大径(mm) | 57 | 59 | 56 | 56 | 56 | 56 | 60 |
フィルター径(mm) | – 専用NDフィルターあり | 55 | 46 | 46 | 46 | 46 | 46 |
重量(g) | 120 | 200 | 150 | 160 | 190 | 240 | 290 |
重量(g) Mマウント | 124 | 151 | 194 (222)*1 | 115 | 161 | 219 (259)*1 | – |
リリース年 | 1994年 | 1996年 | 1994年 | 1996年 | 1994年 | 1994年 | 1999年 |
*2:AVENON改造レンズの最短撮影距離
参考文献・参考リンク
- WikipediaによるZeiss BIOGONの説明ページ
- Zeiss Photography Historical Products(リンク先ページ中段にCONTAX Gレンズのデータシートあり)
- ツァイスイコンのすべて アサヒカメラ編 2005年7月10日発行(リンク先はAmazon.co.jp)
- CONTAX G BIOGON21mm アマゾン販売サイト(アフィリエイトリンク)
更新記録
- 2024.1.19:更新
- 2022.3.6:初出
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