Last updated on 2025-10-26
京セラ製コンタックス645向け広角レンズ Carl Zeiss DISTAGON T* 55mm F3.5をLEICA S Typ007で使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例はLEICA S typ007で撮影した。
レビュー
1．概要
DISTAGON T* 55mm F3.5 for CONTAX 645は2001年に京セラが中判カメラ・コンタックス645向けにリリースした焦点距離55mmの単焦点標準レンズ。
CONTAX 645レンズでは後期にリリースされ、150万台のシリアルナンバーが付加されている。
コンタックス645フィルムカメラで使用すると、35mm判換算で0.6倍となるため33mm相当の広角レンズとなる。
主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。
- 開放F値 3.5
- レンズ構成 7群7枚
- 最短撮影距離 0.55m
- フード 花形バヨネットフード GB-72
2．使用感
DISTAGON T* 55mm F3.5 for CONTAX 645はライカ Sで使用するために購入した。
焦点距離55mmとレンズを作りやすい焦点距離を採用し、645フィルムに対応するための大きなレンズ径で設計されているため、645フィルムよりも小さなライカSシリーズカメラの中判デジタルセンサー 45mm x 30mmで使用したとき周辺画像の乱れや歪みを感じることはない。
ライカSにおけるオートフォーカスの合焦速度は645レンズの中では高速なレンズだ。しかし、35mm一眼レフカメラの高速合焦に慣れた人はのんびりと感じるはずだ。
合焦精度もそれほどよくなく、ピントが合わないときは撮影中にシームレスにフォーカスリングを回してフォーカス操作に割り込みをかけてマニュアルフォーカスで調整できる。
レンズには絞り環が装備されているが16038 [ライカ SアダプターC]を用いて、ライカSで使うとき絞り環の設定は無視され、カメラ側で絞り値を設定してから撮影する。Sモード、Pモードにしておくと自動で絞り値をカメラが決定する。
フィルター径は72mmで専用フードは、Planar 80mm F2 for CONTAX 645と共通のGB-72を使用する。もちろん、DISTAGON 45mm for CONTAX 645用の72mm適合フード（GB-71、GB-B1）を使用することも可能である。
ライカS純正のレンズは重くて大きくカメラと合わせると2kgに迫るシステムがほとんどだ。
このレンズをライカSで使う場合は、120gの16038 [ライカ SアダプターC]を追加する必要があり、レンズとアダプターを合わせて620gで1.2kgのライカ S typ007と合わせて1.8kgになる。レンズサイズも中判レンズの中ではコンパクトでカメラバックへの収まりもよい。
購入経緯だがCONTAX 645レンズは全部で9本あり、DISTAGON 35mm、45mm、APO MAKRO PLANAR 120mm、SONNAR 140mm、SONNAR 210mmと蒐集して一段落ついたところに、銀座にある教会のお店で2023年におけるDISTAGON 55mmにしては激安価格で巡りあい購入した。
CONTAX 645レンズとしては、PLANAR 80mm、Tele Apo Tessar 350mmが未所有でいずれ使ってみたいと思っている。廉価レンズとしてリリースされたDISTAGON 55mmは2020年代における中古価格はリリース時の定価を超えている。
ディスタゴン 55mmよりリリース時の定価が高いDISTAGON 45mmは、リリース時の定価を下回りディスタゴン 55mmより安価である。これは、DISTAGON 45mmは中古市場に豊富にレンズが存在しており、DISTAGON 55mmの製造量の少ないため中古市場に数が少ないという理由から中古価格が逆転している。
3．まとめ
結論としてDISTAGON T* 55mm F3.5 for CONTAX 645をまとめると、中判レンズとしては軽く、実用程度のオートフォーカス速度と精度があり、LEICA Sの相棒レンズとして所有していて悔いの無いレンズだ。
仕様・考察など
DISTAGON T* 55mm F3.5 for CONTAX 645の比較対象としては、同じ中判カメラ用レンズの「ハッセルブラッドHC50mm-II」が候補になるだろう。
机上でのスペック比較では仕様・競合レンズに示すとおりで、HASSELBLAD HC50mm IIはレンズシャッター機構を積んでいるとは言え、重量は倍でレンズ長は1.5倍長い。DISTAGON 55mm F3.5 for CONTAX 645のコンパクトさと質量の軽さは持ち運びのうえで大きなアドバンテージとなる。
冬の山形県・立石寺で、この雪に埋もれた階段を1000段往復した際にLEICA S Typ007と本レンズをセットで持って行った。レンズとボディで1.8kgの組み合わせだったおかげで、無事に階段を往復できたような気がする。2.5kg近くになるHC 50mmとの組み合わせは山道を登るしんどさが倍増したような気がする。
| レンズ名 | DISTAGON T* 55mm F3.5 for CONTAX 645 | HASSELBLAD HC50mm II |
| 焦点距離(mm) | 55 | 50 |
| 最大絞り | 3.5 | 3.5 |
| 最小絞り | 32 | 32 |
| 絞り羽根 | – | – |
| レンズ構成 | 7群7枚 | 7群11枚 |
| 最短撮影距離(m) | 0.55 | 0.6 |
| レンズ長(mm) | 75 | 116 |
| レンズ最大径(mm) | 81 | 85 |
| フィルター径(mm) | 72 | 77 |
| 重量(g) | 500 | 975 |
| レンズシャッター機構 | なし | あり |
| リリース年 | 2001 | 2016? |
| 価格 | 150,000円 | 650,000円 |
参考情報
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更新履歴
- 2025.3.30
- 2024.9.2
- 2024.07.16
- 2023.03.02：初稿
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