DISTAGON 55 for CONTAX645
ライカSでAFが使えるもっとも軽い標準レンズ
コンタックス645用ディスタゴン 55mmのレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA S typ007
レビュー
1.使用感
ディスタゴン55mmは、京セラが中判カメラ・コンタックス645向けにリリースした焦点距離55mmの標準レンズで、LEICA S シリーズで使用するときはセンサーサイズから0.8倍され、35mm判換算44mmのほぼ標準レンズとなる。コンタックス645で645フィルムを使用すると34mmとなる。
ライカ Sに装着可能なレンズは概ね重くて大きい。その中で、このレンズは異色の存在でとてもコンパクトである。ライカ Sに装着した際、ボディのマッチョさは隠せないが、システム全体としてもコンパクトに感じられる。
焦点距離55mmと比較的作りやすい焦点距離に、大きな径を持つ鏡筒を与えられたおかげで、中判デジタルセンサーの45*30mmで使用する場合、周辺画像の乱れや歪みを感じることはない。
オートフォーカスの合焦速度は645レンズの中では早いほうだが、35mm一眼レフカメラの高速合焦に慣れた人はのんびりと感じるだろう。合焦精度もそれほどよくはないが、いざとなれば割り込みマニュアルフォーカスを使うこともできる。
わりとお金のないときに、このレンズにしては激安価格でみつけてしまい購入したが、購入に悔いの無いレンズだ。前述のようにレンズが大型化しがちなLEICA Sの相棒レンズとしては、レンズ選びに悩んだときに持ち出すレンズとなっている。
2.レンズ概要
レンズ付け根に絞り環を装備しているが、16038 [ライカ SアダプターC]を用いて、ライカSで使う場合は絞り環は無視され、カメラ側で絞り値を設定して撮影する。レンズ中央のフォーカスリングはフォーカスの最中に割り込みをかけることができる。
フィルター径は72mmで専用フードは、プラナー80mm F2.2と共通のGB-72を使用する。もちろん、DISTAGON 45mm用などの72mm適合フード(GB-71、GB-B1)を使用することも可能である。
CONTAX 645レンズでは後期にリリースされ、150万台のシリアルナンバーが付加されている。
3.競合との比較
ディスタゴン 55mmの比較対象としては、「ハッセルブラッドHC50mm-II」、「バリオ・ゾナー 45-90」が考えられる。
机上でのスペック比較では仕様・比較に示すとおりで、HC-50-II、バリオ・ゾナーは大きくて重い。このレンズのコンパクトさと重量500gという軽さは大きなアドバンテージだ。
冬の山形県・立石寺で、この雪に埋もれた階段を1000段往復した際にLEICA S Typ007と本レンズをセットで持って行った。レンズとボディで1.8kgの組み合わせだったおかげで、無事に階段を往復できたような気がする。3kg近くになるバリオ・ゾナーとの組み合わせでは、山道を登るしんどさが倍増したような気がする。
廉価レンズとしてリリースされたDISTAGON 55mm F3.5の2024年における価格は、リリース時の定価がより高いDISTAGON 45mmよりも高価である。45mmの中古市場における豊富な球数、55mmの製造量の少なさという2つの理由から逆転しているとはいえ中古レンズ価格の不思議さが感じられる。
仕様・比較
レンズ名 | ディスタゴン55mm | HC 50mm-II | バリオ・ゾナー |
焦点距離(mm) | 55 | 50 | 45〜90 |
最大絞り | 3.5 | 3.5 | 4.5 |
最小絞り | 32 | 32 | 32 |
絞り羽根 | – | – | – |
レンズ構成 | 7群7枚 | 7群11枚 | 10群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.55 | 0.6 | 0.5 |
レンズ長(mm) | 75 | 116 | 115 |
レンズ最大径(mm) | 81 | 85 | 102 |
フィルター径(mm) | 72 | 77 | 95 |
重量(g) | 500 | 975 | 1140 |
リリース年 | 2001 | 2016? | 2002 |
価格 | 150,000円 | 650,000円 | 379,000円 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.9.2
- 2024.07.16
- 2023.03.02:初稿