ソリッド&スクェア コンデジ DSC-T700

ソリッド&スクェア コンデジ DSC-T700

SONY Cybershot DSC-T700のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

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1.概要

サイバーショット・DSC-T700 は2008年にリリースされた、ソニー製コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)。

リリースから17年経過しているため、オールドコンデジと呼べる代物だ。

1000万画素のCCDセンサーで、シャッタースピード、絞り、ISO感度は基本的にカメラ任せで、調整の余地はほぼない。レンズ構成は10群12枚〈非球面レンズ4枚/プリズム1枚〉とズームレンズとしては普通の複雑さをしており、焦点距離は35mm判換算、35mm〜140mmの4倍ズームとなっている。

内蔵メモリーが4GBと潤沢にあるため、外部記憶媒体はなくても困らないが、外部メモリー使用する際はMemory Stick Duoを用意する必要がある。Memory Stick Duoはソニー独自のメモリーカード規格でSDカード連合に敗れていった記憶媒体の一つだ。

バッテリーは、リチウムイオン電池のNP-FD1が標準添付されている。インフォリチウム版のNP-BD1も使用可能だ。

2.使用感

サイバーショット・DSC-T700はTシリーズのなかでも特にソリッドでシャープな個性的デザインのカメラだ。ほぼフルオートのコンパクトデジタルカメラで極小ピッチのCCDセンサーの弊害が声高にいわれていた時期だったと記憶している。
画質は昼間はそこそこで夜は絶望的と、この時代のコンパクトデジタルカメラのスタンダードだ。ISO400になるとノイズがかなり浮いてくる。

レンズはCarl Zeissブランドだが、逆光ではゴーストもでるし、センサーの限界もあり撮影画像の解像度が特別高いわけもなく、その片鱗を感じることはほぼ無い。

焦点距離は35mm始まりの4倍ズームと、この時代の標準的な仕様で広角好きには広さが足りない。
28mmか24mmスタートの後継機種があれば欲しいが、レンズスペックは満たした後継カメラはT700、T90ほどまとまったデザインとは言いがたく物欲をそそらない。

背面は液晶ディスプレイで占められており、ボタンはない。ディスプレイはタッチパネルになっており、撮影設定はここでおこなう、感圧式タッチパネルを採用しており、指の腹で押しても反応はなく、爪やペン先など尖った物でタッチすると反応する、その反応もラグがあるためカメラがリリースされた時代の技術限界が感じられる。
ボディ上面には電源ボタン、シャッター、再生、ズームと最小限のボタンが配置されている。握りどころが難しいカメラなので、操作性はよいとは言えない。前面のスライドカバーを下ろすと電源が入り撮影可能になる。

そして、このカメラ本体に4GBの大容量メモリーを積んでいるけれど、その画像を外部に出力するためには、専用のケーブル・VMC-MD1が必要だ。マニュアルの18ページには、同時期にリリースされたDSC-T77がメモリースティックへのコピー機能があると記載されているけれど、DSC-T700はその機能が無いことが明記されている。実際メニューを探してもコピーの項目は見当たらない。

4GBという大容量のメモリーでいっぱいまで撮影した結果をメモリーカードに移すのはコピー時間とバッテリーの持ちが足りないとの判断で搭載されなかったように推測されるが、Info Litium電池を搭載しているのだから、電池残量、メモリーカード残量、などを考慮して分割してコピーするとか、専用ケーブルによる接続以外で外部に出力する方法は用意して欲しかった。せめてUSBケーブルが汎用の物が使えれば救いはあるけれど、専用ケーブルしか受け付けない仕様だし、これは閉鎖主義時代のSONYを感じさせる仕様だ。

3.まとめ

結論としてサイバーショット・DSC-T700をまとめると、ソニー薄型コンデジの中でフォルムの美しさは3本指に入るデジカメで、その美しさの要因は次の3つだ。

  • エッジの効いた無駄のないボディ
  • ヘアライン加工されたボディ表面
  • メモリースティック採用によるボディの薄さ

インターフェースは感圧式タッチパネルで尖った物でおさないと反応しないところに時代を感じる。
また、内蔵メモリーとメモリースティック間のデータ移動ができない仕様には疑問を感じる。

仕様・考察

このカメラがリリースされた年は、LEICA M8、OLYMPUS E-1などを使っており、コンパクトデジタルカメラにほとんど興味が無かった時期だが、このカメラはデザインに惹かれて購入した。

こちらは終売ごろに手に入れて、外観を含めかなりよい状態を保っており今も気に入っている。少し前はカメラ屋のジャンクコーナーに傷だらけの個体を見かけたが最近は見ることは少ない。

これは売らずにおいておいてよかったカメラだ。このカメラがリリースされていた2000年代、コンパクトデジカメは半年に一度モデルチェンジをしているという恐ろしい時代だ。その中でもT700の外観完成度は他メーカーを凌ぐデザインセンスを示している。

項目DSC-T700DSC-T90
カメラ有効画素数10.1-MP12.1-MP
レンズバリオ・テッサー
f=6.18-24.7mm(F3.5-4.6)
35mm換算35~140mm
バリオ・テッサー
f=6.18-24.7mm(F3.5-4.6)
35mm換算35~140mm
撮像素子1/2.3型CCDセンサー1/2.3型CCDセンサー
ファインダーなしなし
背面液晶3.5型
92.1万ドット
3.0型
23万ドット
記録媒体Memory Stick Duo
内蔵記録メモリー4GB
Memory Stick Duo
内蔵記録メモリー11MB
バッテリーNP-FD1
NP-BD1
NP-FD1
NP-BD1
外形寸法(mm)
幅 x 高さ x 奥行
95 × 58.4 × 16.493.6×57.2×15.0
重量(g)
(メモリーカード、バッテリ含む)
160151
リリース年20082009
シルバー
グレー
レッド
ピンク
ゴールド
ホワイト
ブラウン
ピンク
ブルー
ブラック

オプション

  • 樹脂製ハードケース
  • ストラップ
  • 接続ケーブル・VMC-MD1

参考情報

更新履歴

  • 2025.7.16
  • 2024.12.28
  • 2024.04.10:改稿
  • 2023.07.28:初稿

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