ELMARIT-R 90mm Typ-II

Rマウント・エントリー90mm

エルマリート R 90mm F2.8・2型のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA SL typ601とCANON EOS-1Ds MK-III

レビュー

1.概要

エルマリート R 90mmは、ライカRマウント・焦点距離90mmの中望遠レンズ。

今回紹介するレンズは2型と呼ばれるモダンな鏡筒デザインのレンズで、特長としてはレンズフードが1段の筒でできており、レンズフードを伸ばしても、レンズフォルムがほぼ円筒の凹凸がないシンプルなデザインをしている。

主なレンズの仕様は、レンズ構成は4群4枚で、絞り羽根8枚、最短撮影距離は0.7m。

レンズマウントもリリース時期によって異なるが、2型は3カム、Rカムで、改造によってロム端子を持つレンズも存在する。

2.使用感

描写は、ズミクロンほど絞り開放で暴れることも無く、絞り開放から堅実に使えるレンズで、エルマリート R 28mmとともに、通好みのレンズと言える。

レンズの操作はフォーカスリングが無限から0.7mまで約270度あり、焦点距離50mm以上のレンズの標準的な回り角度をもっている。
このくらいの角度があればマニュアルでじっくりと被写体に向き合うことに向いている。

デジタルカメラでは、半段の絞りの差はほとんど気になることは無く、90mmの使用頻度が低い場合は抑え用の一本として置いておくにはよいレンズだ。

3.付加情報

Rマウントの90mmはエルマーブランドが存在しない。Mマウントはエルマー90mmはM型ライカ初期から存在していることとは対照的だ。
Rマウントにエルマー 90mmがないのは、F4は鏡筒が細くなるため、カメラに付けた際に見栄えがよくないためと推測する。

90mmの代わりに、焦点距離100mmのマクロエルマーが存在している。

エルマリートブランドのレンズはMマウント版の最短撮影距離が1mとバルナックライカの仕様に縛られているが、近接撮影はファインダーと実際に撮影される範囲がズレるパララックスの問題から1mに制限されていると考えられる。

一眼レフカメラであるRマウントは、パララックスの問題がないため、最短撮影距離は0.7mとなっている。

このレンズの鏡筒は1型と2型があり、レンズコーティングは時代ごとに変わっていると考えられるが、双方ともにフード内蔵式だが鏡筒デザインが異なる。2型は概要で説明したとおりで、1型はレンズフードが2段の筒になっており、フードを伸ばすとレンズにくびれができるデザインだ。

ライカRマウントの90mmには、上位の存在として絞り開放F値がF=2のズミクロン R 90mmとアポ・ズミクロン R 90mmの2つが存在する。エルマリートはズミクロンより半段暗いため、レンズ鏡筒は細身で重量も軽くなっており、中古市場での価格も安い。

仕様・比較

項目エルマリートズミクロンアポズミクロン
焦点距離(mm)90
最大絞り2.82
最小絞り2216
絞り羽根8
レンズ構成4群4枚4群5枚5群5枚
最短撮影距離(m)0.7
レンズ長(mm)6162.559
レンズ最大径(mm)667070
フィルター径(mm)555560
重量(g)450560520
製造数16,61537,9542,000
リリース年1978〜19941970~19952002~2005

参考文献・参考リンク

新履歴

  • 2024.7.29
  • 2023.4.2:初稿

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