大地の芸術祭 2018(1日目)

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1日目レポート

関東から車を走らせると芸術祭南端の津南地区に入る。今回の目的の一つである、中谷ミチコ《川の向こう、船を呼ぶ声》へたどり着くために車を走らせる。2018年当時は芸術祭専用アプリも洗練されておらずとても使いづらかった思い出がある。また、2018年に新規で作られたこの作品は当時の専用アプリにのっておらず、作品解説に添えられた「上野公民館」でグーグルマップを検索すると目的の場所は表示されず、実際の場所のかなり手前だが走っていた国道117号線沿いの長野県飯山市に「上野公民館」と表示されたので立ち寄ったが、新潟県にも入っていないため芸術祭とはまったく関係い場所だった。周辺を5分くらいうろうろして、電柱を確認すると住所が明らかに違うので、津南地区を目指して車を走らせた。下調べをよくせずに走り始めるとこういう目に遭うというよい例だ。もっととんでもない場所に連れて行かれなくてよかった。

長野県飯山市の上野公民館
グァン・ファイビン《時を越える旅》

津南エリア

中谷ミチコ《川の向こう、船を呼ぶ声》の作品展示場所は、「上野公民館」からさらに車で30分程度北上したところにある、「上野集落開発センター」という場所で、その近くには恒久展示作品である、グァン・ファイビン《時を越える旅》が設置されている。
順路的には越後妻有「上郷クローブ座」に寄れたのだが、川向かいの道を走っていたので気付かずに素通りした。越後妻有「上郷クローブ座」は2022年に訪問した。

中谷ミチコ《川の向こう、船を呼ぶ声》は、作家が現地をリサーチして浮かび上がったイメージを元に作品が作られている。気と水が豊富なこの地を象徴する、木々、船が彫刻で表現されている。そして中央を飛ぶちいさな鳥がとても印象に残った。

中谷ミチコ《川の向こう、船を呼ぶ声》

その後知ったことだが、芸術祭開催中は作品展示場所には幟や看板が立っているので、何もないところは何もないということを移動しながら学んだ。それにしても、土地勘の無い場所の移動には神経を使う、移動距離と実際にかかる時間、車を止める場所など勝手がわからないため、鑑賞しながら土地の流儀にあうように慣れていくしかないだろう。

上野集落開発センターから県道539号を北上すると、途中のキム・クーハン 《かささぎたちの家》をみて(こちらの作品は民家の間にあり、駐車するスペースが難しかった記憶がある。グーグルマップで見ると向かいに空き地があるようなので、そこに泊めるのが無難だろうか?)、マウンテンパーク・津南スキー場につくと恒久作品がいくつか展示されたエリアに入る。蔡國強・ドラゴン現代美術館は今回は開場しておらず外から眺めただけであった。
ダミアン・オルテガ《ワープクラウド》は2018年限定の作品で、廃工場内に張り巡らされれた糸とそれに付けられた球体が、不思議な空間を生み出していた。

アン・ハミルトン 《Air for Everyone》
本間 純《森》
キム・クーハン 《かささぎたちの家》
イ・ジェヒョ 《0121-1110=109071》
ギルゲオーチャプカノフ《カモシカの家族》
ダミアン・オルテガ《ワープクラウド》

マウンテンパーク・津南スキー場からクリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン 《最後の教室》のある旧東川小学校は車で30分程度の道のりで、比較的道の広い南回りで国道353号を移動していると、東京電力信濃川発電所 連絡暗渠のところに、磯辺行久《 サイフォン導水のモニュメント》が設置されていた。いまのことろ2018年だけの展示だったので鑑賞できてよかった。おそらく山道である北回りの道を選んでいたら鑑賞できなかった。

磯辺行久《 サイフォン導水のモニュメント》

松之山エリア

《 サイフォン導水のモニュメント》から車で10分ほでど、クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン《最後の教室》と、クリスチャン・ボルタンスキー《影の劇場 〜愉快なゆうれい達〜》が展示されている旧東川小学校に到着した。

クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン《最後の教室》は、今回どうしてもみたかった作品の一つで、廃校をほぼ全部使用した大規模なインスタレーション。2006年に完成し2009年に3階部分が改修されている。会場に入ると暗闇に放り出される。目が慣れていない状態では漆黒の闇にぼんやりとランプが灯る幻想的な空間。目が慣れて奥に進んでいくと、さらに光と音のインスタレーションが待ち構えている。のんびり楽しむと1時間くらいはすぐに経ってしまうだろう。2022年も訪れたが、次回行く際にも必ず訪れたい作品だ。

旧東川小学校
旧東川小学校
クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン《最後の教室》
クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン
《最後の教室》
クリスチャン・ボルタンスキー
《影の劇場 〜愉快なゆうれい達〜》

この時点で13時を越えていたが、この付近は食事をすることろが無かったので、おやつを食べてしのいでいた。

最後の教室から、車で10分ほどの十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロまで移動する途中に展示されていた、塩田千春《家の記憶》は廃屋の息づかいを糸で表現したような作品で窓から差し込む光で作品が表情を変えるのがとても美しかった。を鑑賞した。

塩田千春《家の記憶》
塩田千春《家の記憶》

十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロは2018年当時、食事施設は14時まで開店だったので、鑑賞しているうちに時間が過ぎて食事にありつけなかった。けっきょく食事はキョロロの奥、美人林にあるお茶処笑家で15時過ぎに遅い昼食をいただいた。

十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ
《空想×体験!里山のミクロとマクロのいきものラボ》

十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロからレアンドロ・エルリッヒ《Lost Winter》を設置してる三省ハウスは車で5分程度の距離でかなり近くにある。
こちらを鑑賞して、本日の越後妻有アートトリエンナーレ鑑賞は終了。

ここまで来ると、朝から運転し続けていて、さらに歩数もかなりかさんでおり疲れていた。エルリッヒ《Lost Winter》は作家得意の鏡を利用した作品で、宿泊施設でもある三省ハウスの談話室に設置されている。宿泊者限定の体験プログラムがあるとのことで、泊まりに行きたい。

レアンドロ・エルリッヒ《Lost Winter》
三省ハウス
三省ハウス

宿泊は上越国際スキー場付近のロッヂ YOUにしたので三省ハウスから1時間くらいかけて移動した。ナビにしたがい移動をはじめたが上越方面へ抜ける道が途中通行止めになっており、迂回するために時間をロスした。山道は土砂崩れなどで通行止めのこともあるので注意が必要だ。あまり細い道を選ばずに主要道路を通ればそのような目に遭うことは少ないと考えられる。夜は小出の花火大会にでかけた。

<2日目へ続く>

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ギャラリー

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大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2018
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  • 2024.07.04

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