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フジタからはじまる猫の絵画史・府中市美術館

2025年11月に東京・府中市美術館で開催されている、「フジタからはじまる猫の絵画史 〜藤田嗣治と洋画家たちの猫」を鑑賞した感想

目次

フジタからはじまる猫の絵画史 〜藤田嗣治と洋画家たちの猫

概要

  • 展名:「フジタからはじまる猫の絵画史 〜藤田嗣治と洋画家たちの猫」
  • 会期:2025年 9月20日[土]– 12月7日[日]
    • 前期:9月20日[土]– 10月26日[日]
    • 後期:10月28日[火]– 12月7日[日]
  • 場所:府中市美術館

作品は前後期含めて83点、開催場所の府中美術館所蔵の作品と以下の美術館より貸し出しを受けている。

  • 国立近代美術館、H. N. コレクション、摘水軒記念文化振興財団、播磨屋本店、たましん美術館、下関市立美術館、藤沢市(招き猫亭コレクション)、軽井沢安東美術館、岐阜県美術館、東京都現代美術館、ウッドワン美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

岐阜県美術館・熊谷守一《黒猫》たましん美術館・河野通勢《三毛猫木瓜の図》は10月26日までの展示となっている。

岐阜県美術館・猪熊弦一郎《猫》《猫(1)》《猫(2)》は10月28日からの展示となっている。

初期の作品リストに前期のみと記されていたH.Nコレクション・熊谷守一《白猫》は後期も引き続き展示されている。

展示は以下章で構成されている。

  • フジタ以前の西洋絵画の猫
  • フジタ以前の日本絵画の猫
  • 「猫の画家」のイメージつくり
    1. 版画集と挿絵本
    2. お気に入りのポーズ
    3. 女性少女と組み合わせる
  • 「猫の画家」の戦争と平和
  • フジタ以降の猫の絵
  • 猫の野生を描く
  • 日本の近代彫刻と猫
  • もう一人の猫の画家

本展は展示室内はすべて撮影禁止となっている。

フジタからはじまる猫の絵画史・府中市美術館・物販ブース
フジタからはじまる猫の絵画史・府中市美術館・物販ブース

感想「猫の表情・人の表情」

本展の入口はチケット確認の後、大きな看板の右にある細い通路を抜けて最初の展示場所にたどり着く構造になっている。その細い通路に気づかず直進して突き当たり右から見始めた。
意図せずに見始めた「「猫の画家」イメージつくり」は、版画やドローイングの展示が主でずいぶん地味な導入部だなと思った。

これは自身の勘違いで、実際は「フジタ以前の西洋絵画の猫」からはじまる。
その展示の説明に西洋絵画の世界で猫が描かれることが少ないことが記されており、たしかにこの章で展示された作品に描かれた猫はシルエットだけであったり、猫が主役の絵画《二匹の猫》アレクサンドル・スタンランの猫は表情、躍動感に乏しい作品で、西洋絵画で猫の作品を借りてくる苦労が感じられた。

  • 西洋絵画にも猫が描かれた作品はあり関連リンクに参考となるWebサイトを載せた。

その次「フジタ以前の日本絵画の猫」に移ると、菱田春草《黒猫》があらわれて、自身のイメージする猫絵画と一致してくる。この黒猫は、春草《黒猫》のうちもっとも幼く思える猫で警戒を湛えた表情がとても印象的だ。

この後はフジタの作品が続き、さきほどの「フジタ以前の西洋絵画の猫」で描かれた猫絵画と比べると、表情の豊かさ躍動感があり、猫を擬人化して描かれているにあらためて気がつく。

「フジタ以降の猫の絵」を見ても、多くの画家がそれぞれの表現で猫を描き、キャプションに作家と猫のエピソードが綴られ時代の犠牲になった猫の話など、知らなかった猫と作家の関係性を知ることができた。
それらの作品の中では岸田劉生が描いた《眠猫》がとても印象的で、岸田の代表作である人物画、風景画とはまったく違う落ち着いた猫が掛け軸に描かれており作品説明板をみてとても驚いた。

余談だが、同じ日に参加した、美術批評家・沢山遼、作家・遠藤薫、画家・久木田大地、ゲスト 諏訪淳の「人類出現計画BAR vol.1」ポッドキャスト公開録画にて、「岸田劉生」、「猫」について少し話題があり小さなシンクロニシティを感じた一日。

まとめ

藤田嗣治を軸にさまざまな主に日本の猫絵画を集めた展示。
画家が多様な表現で情熱を持って猫を描いたことが伝わってくる。またキャプションにはまざまな猫と作家のエピソードが綴られており、図録にその内容が収録されている。

最後に、猫絵画は様式的には擦られまくっており、今後どのように発展するのか興味深い。

関連リンク

西洋絵画で猫が主役となっている作品は著名な画家の作品はそれほど多くなく、ネットを検索すると「画家・泉谷淑夫のオフィシャルサイト」の「美術の散歩道」というコーナーに「猫」のカテゴリーがあり西洋絵画で描かれた猫についての記述がある。「猫の西洋絵画 単行本(ソフトカバー) – 2014/8/27 平松 洋 (著)」という図書に猫に関して描かれた作品が掲載されているようだ。

撮影機材

  • LEICA T typ701 +FUJIFILM TIARA 28mm
  • CANON G1X Mark-II

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更新履歴

  • 2025.11.15

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