犬島探訪記・2020-0118
真冬に犬島を巡る
淺井裕介《太古の声を聴くように、昨日の声を聴く》
目次
概要
- 芸術祭をやっていないときの犬島
- 開館時間などは、訪問前に要確認
鑑賞記録
瀬戸内国際芸術祭をやっていない2020年の1月18日に瀬戸内海・犬島を日帰り訪問し、現地の作品を鑑賞したレポート。
実家のある姫路市から犬島に向かう船のでる宝伝港までは約85kmあり、レンタカーで約1時間半かかった。港のそばには市営の有料駐車場があり1日500円の駐車料金を支払った。グーグルマップを見ると、もう少し海寄りの海岸駐車場は夏季以外は無料との記載を見かけたが、2024年現在どうなっているかは不明だ。
瀬戸内海の犬島と宝伝港を結ぶ船の運行情報はこちらを参照。
犬島行きの船の運賃だが2020年は300円だったが、2024年は400円に変更されている。それでも十分に安い価格だとは思う。芸術祭をやっていない時期、土、日以外に訪問する際は、訪問前に島内施設の開館状況について美術館公式情報の確認をお勧めする。
11時の船が出発するまで少し時間があったので町をうろうろしていると猫がいた。さすが港町である。船に揺られること10分、犬島に到着。お昼を食べていなかったので、港のすぐそばにあるチケットセンターで昼食にする。写真はたこ飯だが、時期によって鯛飯の場合もあるようだ。
犬島はそれほど広い島ではなく、島内は徒歩で巡る。真冬にいったけれど、訪問当日は快晴で日差しが強くて驚いた。上着も途中で邪魔になった。
日帰りで14時の船で帰ることにしていたので、島の南側と、くらしの植物園は行けなかった。
作品や島内施設をすべて巡るのであれば、17時か18時の便で帰るようにすれば十分な鑑賞時間があると思われる。
芸術祭をやっていないときの島内には飲食施設がほとんど見当たらなかったので、ペットボトルなど水分補給の飲料や軽食は船に乗る前に買っておいた方がよいだろう。
島内には宿泊施設がいくつかあるので、一泊してのんびりして次の島を目指してももいいかもしれない。
犬島からは豊島、直島に行くフェリーが出ている。1日三便なので、犬島に一泊して朝、豊島、直島に向かうか、夕方の便で豊島、直島に向かい、向かった先で宿泊となるだろう。
3年ごとの芸術祭期間はいずれの宿泊施設も込むだろうから、行き当たりばったりは辛そうな気がする。
<鑑賞記録の目次>
- 石職人の家跡
- 《sprouting 01》2016・淺井裕介
- I邸
- 《Self-loop》2016・妹島和世,長谷川祐子,オラファー・エリアソン
- A邸
- 《Yellow Flower Dreams》2019・妹島和世,長谷川祐子,ベアトリス・ミリャーゼス
- C邸
- 《無題(C邸の花)》2019・半田真規
- 中の谷東屋
- 妹島和世,長谷川祐子
- 石職人の家跡
- 《太古の声を聴くように、昨日の声を聴く》2013-2016・淺井裕介
- S邸
- 《コンタクトレンズ》2013・荒神明香,妹島和世,長谷川祐子
- F邸
- 《Biota(Fauna / Flora)》2013・名和晃平,妹島和世,長谷川祐子
- 犬島精錬所美術館
- 三分一博志,柳幸典
■石職人の家跡
《sprouting 01》2016・淺井裕介
2016年に石職人の家跡に描かれた《太古の声を聴くように、昨日の声を聴く》・2013に加筆する際、その敷地をこえ港から湾沿いのI邸へ続く路地に《sprouting 01》を描いた。
こちらの作品はグーグルマップを衛星写真表示にするとぼんやりとだが描かれていることがわかる。遠目には一枚の大きな絵画に見えるが、近寄ると極小さなパーツを集めてできており、作品はとても繊細だ。
作品は2016年制作、鑑賞時は4年後の2020年で、それほど年数が経っていないにもかかわらず、焼き付けた白線がうすくなり傷んでいるように見えた。都市部にある白線の作品は、これほど薄くなっているものを見ることはないので、設置場所が海に近く塩分を含む風雨にさらされた影響があるのかもしれない。野外作品を維持していく難しさが感じられる。
■I邸
《Self-loop》2016・妹島和世,長谷川祐子,オラファー・エリアソン
館を妹島和世,長谷川祐子が手掛け、内部にエリアソンの特徴の一つである鏡を使った作品が展示されている。
■A邸
《Yellow Flower Dreams》2019・妹島和世,長谷川祐子,ベアトリス・ミリャーゼス
こちらも館を妹島和世,長谷川祐子が手掛け、2018年からベアトリス・ミリャーゼスのカラフルな作品が展示されている。このスペースは2013年に作られ、その年の瀬戸内国際芸術祭で荒神明香《リフレクトゥ》が展示された。
■S邸
《コンタクトレンズ》2013・荒神明香,妹島和世,長谷川祐子
こちらも館を妹島和世,長谷川祐子が手掛け、2013年の瀬戸芸から変わらず荒神明香の作品が展示されている。快晴の日に見た作品は地面に映る影が印象に残った。
■C邸
《無題(C邸の花)》2019・半田真規
200年前の建物を改修した展示スペース、2013年にできた建物で2013年はジュン・グェン=ハツシバのインストレーション、2016年は下平千夏《エーテル》が展示され、2019年から半田真規の《無題(C邸の花)》が展示されている。
■中の谷東屋・妹島和世,長谷川祐子
妹島和世,長谷川祐子が手掛けた休憩施設、ウサギ耳の椅子が並んでいた。
■石職人の家跡
《太古の声を聴くように、昨日の声を聴く》2013-2016・淺井裕介
石職人の家があった土地に、道路に描かれた指示表示などに使用する白線素材(溶着製ゴム素材)のクイックシートを切り出して形を作り、それを地面に焼き付けた作品。
シートの切り出しとは思えないほど、細かく模様が作られ、かつ、作品面積もあるため、白線の切り出しと焼き付けにはそうとうな時間がかかったのだろう。また、展示場所には屋根がないので野外作業は苦労と思われる。
作品には、家跡の象徴として、柱がいくつか立っているが、日々風雨にさらされる環境のためか、木の柱は7年の月日でかなり傷んでおりメンテナンスをしなければ崩れそうであった。それに比べると石の柱は特に劣化はなく素材の違いがよくわかる。
■F邸
Biota(Futana / Flora)2013・名和晃平,妹島和世,長谷川祐子
こちらも館を妹島和世,長谷川祐子が手掛け、名和晃平の作品が展示されている。
■犬島精錬所美術館
三分一博志が建築改修を手掛け、柳幸典の作品が館内に展示されている。館内は撮影禁止。
美術館をでると、風化していく屋外施設を見て回ることができる。また、施設が海沿いにあるため、海岸方面に足を伸ばすと瀬戸内海とお隣の沖鼓島を見ることができる。
ギャラリー
使用機材
- Leica M10 +LEICA Summarit 2.4 / 40mm(Ms-optics)
- Leica M10 +TTArtisans Fisheye11mm F2.8
- HUAWEI MATE S
関連リンク
更新履歴
- 2024.11.15
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