初期広角レンズ LEITZ ELMAR 3.5cm F3.5

初期広角レンズ LEITZ ELMAR 3.5cm F3.5

LEITZ ELMAR L39 3.5cmをLEICA M9で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M9

レビュー

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1.概要

エルマー35mmはライカにとっては初となる焦点距離35mmのレンズで、ヘクトール 50mmと同じ1930年にリリースされた。

主な仕様は、レンズ構成は3群4枚で3枚目と4枚目のレンズが貼り合わせのテッサー型、最短撮影距離はバルナックライカに倣って1m、絞り羽根は6枚、マウント面からレンズ先頭までの長さが14mmのコンパクトな鏡筒を持つ。

2.使用感

コンパクトでかわいいレンズで、ズミクロンのような伝説はないが十分によく写るレンズだ。
このレンズはLEICA M9で使用していた。おそらくすこし曇っていたレンズなので、光線状態によってはコントラストの低下が見られることがあった。まともなトリプレットレンズではもっとしゃっきり写るのでレンズに問題があったと推測される。

ピント位置はLEICA M9の2受像合致で問題なく狙った位置に合わせることができた。絞り開放F値が最大で3.5なので、通常の調整されたレンズであればまず問題は出ない。設定したピント位置と撮影結果に問題がある場合はレンズの距離計連動部分に異常があると考えられる。

通常のレンジファインダーカメラで使用すると、最短撮影距離が1mで表現の幅は制約される、2020年台であれば、ミラーレスカメラで補助ヘリコイドを付けると近接撮影も可能となり表現の幅が広がる。

Rawで撮っておけばすこしコントラストを上げるとコントラスト低下による画像の眠さは払拭できる。
逆光など厳しめの条件で撮影したデータは残っていない。こういうレンズこそフィルムカメラで撮影しておけばよかったと後悔がある。

このレンズは製造年素が長いため、多くのバリエーションがある。
所有していた個体は、クローム外装、フィート表示、フォーカスリングが180度回転するタイプ、無限遠ストッパー有りとあまり珍しくもない普通のエルマー3.5cmであった。

2010年代はニッケル外装のエルマーも少しのプレミアム価格で購入できた。しかし、2020年代になるとニッケル外装は製造本数の少なさからプレミア価格で販売されている。

3.まとめ

結論としてELMAR 3.5cm をまとめると、コンパクトな広角レンズ。状態が良ければトリプレットタイプの抜けの良い画像を得ることができる。古いレンズなので状態の悪いレンズも多いため、良く状態を確認してから購入する必要がある。

太陽光を入れた逆光などの極端な条件で怪しく写ることを楽しむ場合は、レンズの状態は問わなくても問題ない。

仕様・レンズ比較

エルマーはライカの35mm広角レンズのはじまりでテッサー型を採用していた。後継のズマロンからガウス型を採用している。非球面のズミクロン 35mmはレトロフォーカス型に変更される。

Before imageAfter image
  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
項目エルマーズマロン
焦点距離3.5(cm)35(mm)
最大絞り3.52.8
最小絞り1822
絞り羽根6
レンズ構成3群4枚4群6枚
最短撮影距離(m)1.01.0
レンズ長(mm)
マウント面からの距離
1429.4
レンズ最大径(mm)4951
フィルター19mm
A36かぶせ
E39
フードFIKUS
FLQOO
IROOA
マウントL39スクリューL39スクリュー
M
重量(g)130135
リリース年19301958

参考情報

更新履歴

  • 2025.5.9
  • 2024.04.22

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