MACRO ELMAR R 100mm(ROM)
ライカRマウントの廉価なマクロレンズ
マクロ・エルマー R 100mm F4のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はHASSELBLAD X2D
- 写真作例の撮影はLEICA M typ240
レビュー
1.概要
MACRO ELMAR 100mmはマクロレンズで標準状態では鏡筒に1:4まで目盛りが刻まれており、ヘリコイドはそれを超えて繰り出せるので1:3程度までは寄れる。1:4以降は表記がないので性能的な保証はないのかもしれない。
接写リングを使う場合は緑の倍率表示で1:1.75まで目盛りが刻まれており、前述のようにそこからさらに繰り出せるため、1:1に近いところまでよれる。
ライカの接写リングにはMACRO ELMARIT 60mmの専用、MACRO ELMAR 100mmの専用、3カム汎用、ROM端子付き汎用などがある。
このレンズは1/2/3カムでリリースされており、Rカム / ROM付き製造されておらず、ROM付きは1/2/3カムからの改造品となる。所有レンズは3カムをROM付きに改造されたものだ。
2.使用感
MACRO ELMAR 100mmは、ライカのエルマーの名前のとおり絞り開放値を抑えてあるため、絞り開放から破綻のない描写をする。
以前、3CAM版を購入し少し使っていたが使用頻度の低さから売ってしまった。
2023年に3CAM改造のROM版を見つけたので再度購入した。
レンズの色補正はAPOが冠されていないレンズなので、被写体周辺部に偽色が見えることがある。
レンズの曇りの影響もあるかもしれないが、逆光耐性もそれほどよくなく、太陽がはいるとコントラストが低下した写真になる。
本レンズはイメージサークルが大きく、HASSELBLAD X2Dで撮影結果をみると、空のはいった写真においても周辺減光や像の乱れはほとんど感じられない。同じサイズのセンサーを使用しているFUJIFILM GFXシリーズも同様の結果を得られる。
本レンズは中古市場ではあまり使い込まれた個体を見ることは無く、美品状態の品をよくみかける。値段も3CAM以前ならば5万円程度からみかけるため入手しやすいレンズだ。
3.付加情報
ライカの100mmマクロレンズは、有名なAPO MACRO ELMARIT(AME) 100mmとこのMACRO ELMAR 100mmの2つがある。そのうちのどちらかを選ぶかを考えたとき、通常はAMEを選択する人が多いだろう。しかし、このMACRO ELMARにはコンパクトで空量が軽いという利点がある。AMEは760g、ME100は540gと3割程度軽い。そして、このMACRO ELMAR 100mmは使用可能なレンズが少ないことに定評のあるテレコンバーター、APO EXTENDER x1.4を使うことができるのだ。
1.4倍テレコンバーターを使用すると、明るさはF3.5へ半段暗くなるが、焦点距離は140mmとなる。テレコンバーターを使う場合、レンズの持っている最短撮影距離は変わらないため、より被写体をクローズアップした写真を撮ることができる。
LEICA M typ240の作例は、APO EXTENDER x1.4を使って撮影した写真も載せてある。APO EXTENDER x1.4はAPO TELYT 280mmとともに売却してしまいすでに手元にないため、X2Dとの組み合わせでテストできないのは残念だ。
仕様・比較
項目 | AME | Macro Elmar |
焦点距離(mm) | 100 | ← |
最大絞り | 2.8 | 4 |
最小絞り | 22 | 22 |
絞り羽根 | 7 | 8 |
レンズ構成 | 6群8枚 | 3群4枚 |
最短撮影距離(m) | 0.45 | 0.6(鏡筒目盛り |
レンズ長(mm) | 104.5 | 120 |
レンズ最大径(mm) | 73 | 67.5 |
フィルター径(mm) | 55 | ← |
重量(g) | 760 | 540 |
リリース年 | 1986年 | 1968年 |
製造本数 | 20,000 | 16,254 |
参考文献・参考リンク
- 参考文献:R型ライカのすべて/著者:中村信一/朝日ソノラマ編 Ads by Amazon
- 参考リンク:Macro-Elmar 100mm F4 Leica wiki
更新履歴
- 2025.1.5
- 2024.2.9:改稿
- 2023.03.25:初稿
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