M43とα NEX・NOKTON 17.5

Voigtlander NOKTON 17.5mm F0.95 マイクロフォーサーズマウントレンズをSONY α NEX-7で使うレビューと写真作例
- このレンズの使い方はイレギュラーな使い方であり、同様の撮影をおこなう場合は撮影者の自己責任でおこなっていただくように注意を記しておく。
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はNOKTON 17.5mmとSONY α NEX-7
レビュー


1.概要
マウント形状を変換するマウントアダプターの一つ、SHOTEN マウントアダプター m43-SE (マイクロフォーサーズレンズ → ソニーEマウント変換)を使い、マイクロフォーサーズ用レンズ・Voigtlander NOKTON 17.5mm F0.95をAPS-Cサイズセンサー搭載カメラ・SONY α NEX-7で使用したレポートをお届けする。
はじめに、マイクロフォーサーズ用レンズをソニーEマウントで使うためには、専用のマウントアダプターを用意する必要がある。
マウントアダプターの概要は、マイクロフォーサーズのフランジバックは20mm、ソニーEのフランジバックは18mmとその差は2mmで、この2mmの厚みにマウント形状を変更するためのツメとロックなどの部品を組み込む必要がある。
そのため、2024年の技術では市販のマウントアダプターは物理的なマウント形状変換のみで、レンズとカメラ向けの電子接点を付加して、電気信号を変換するための回路を組み込んだアダプターは、現在のところ存在しない。
2024年現在市販されているマウントアダプターは以下のことができないため、オリンパス、パナソニックが提供しているオートフォーカス(以下、AF)レンズでは以下の問題点が発生する。
- AFが使えない
- 電気的な絞りが操作できない
- イメージサークルが足りないため、周辺部がけられるレンズがある
マイクロフォーサーズとソニーEのセンサーとマウントの仕様
マイクロフォーサーズ | ソニーE | |
センサーサイズ | 17.4mm × 13.0mm | 23.6mm x 15.8mm |
センサー対角距離 | 21.72mm | 28.4mm |
フランジバック | 20mm | 18mm |
2.使用感
α NEX-7に装着した際のバランスだが、ノクトン17.5mm F0.95はそれなりの大きさがあるため、LUMIX GM5より良好だ。α NEX7よりもう少し大きいボディでも問題ないだろう。
絞り開放時のF0.95によるピントの薄さだが、拡大していないEVFの表示では若干ピント位置が心許ないが、拡大表示すると問題なくピント位置を捉えることができる。しかし、ピント位置は薄いため、中央部でピント調整後に構図変更のためにカメラを移動させると、ピント位置はずれるため、構図を決めてからファインダー内の拡大位置を移動して、目的位置でピントをあわせる必要がある。
α NEX-7による実写結果では、ノクトン17.5mm F0.95をα NEX-7の2400万画素、APS-Cサイズセンサーで使用した場合のケラレを除いた実用的な画像範囲は86%程度だ。
NOKTON 25mm | 撮影範囲(横 x 縦 ピクセル) | APS-Cセンサーに対する割合 |
マイクロフォーサーズ | 4424 x 3291 | 横 74% 縦 82% |
ソニーE | 6000 x 4000 | – |
実用可能範囲 | 5205 x 3425 | 横 87% 縦 86% |
ギャラリーはトリミングしていない画像を掲載している。撮影場所を選べばAPS-Cサイズセンサーの全域で絵を作ることができる。
NOKTON 17.5mmの焦点距離の変化は以下の通りだ。ソニーEで使用するとケラレがない場合、38mm相当のレンズとなる。実用的にトリミングすると30mm相当となる。
NOKTON 25mm | 35mm判換算焦点距離 | 換算係数 |
マイクロフォーサーズ | 35 | 2 |
ソニーE | 26 | 1.5 |
実用焦点距離 | 30 | 1.7 |
このマウントアダプターは非常に薄いため、まずレンズにマウントアダプターを装着してから、カメラボディに装着する。


レンズとマウントアダプターが装着できたら、カメラにレンズを装着する。
先行して使用した方のレビューでは、マウントアダプターがキツいとの情報を見たことがあるが、今回テストしたマウントダプターとレンズはスムーズに結合し、取外しもスムーズにおこなえている。


3.付加情報
オリンパス(OM-SYSTEMS)のレンズは、9mm f8 フィッシュアイ ボディキャップレンズ BCL-0980が絞り固定のマニュアルフォーカスレンズなので使用可能と思えたが、実際にマウントアダプターにレンズを着けてみると装着できなかった。
レンズを観察するとBCL-0980はマウント部はプラスチックでマウントに接続するツメが金属製マウントのツメよりも厚いことがわかった。このためマウントアダプターに嵌まらなかったと推測され、おそらくマウントアダプター設計時に金属マウントの寸法しか参考にしなかったと考えられる。
同じプラマウントのOLYMPUS ボディキャップレンズ マイクロフォーサーズ用 BCL-1580も装着が難しいかもしれない。
フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ向け大口径レンズは6種類リリースされており、マニュアルフォーカスレンズで、絞りが実絞りなので使用可能と考えられる。
NOKTON 25mm以外は未テストなので、BCL-0980のように取付ができないレンズもあるかもしれない。
- 10.5mm F0.95 / 21mm
- 17.5mm F0.95 / 35mm
- 25mm F0.95 / 50mm
- 29mm F0.8 / 58mm
- 42.5mm F0.95 / 85mm
- 60mm F0.95 / 120mm
Kowaから以下3本のレンズがリリースされており、マニュアルフォーカスレンズで、絞りが実絞りなので使用可能と考えられる。未テストなのでBCL-0980のように取付ができないレンズもあるかもしれない。
- PROMINAR 8.5mm F2.8
- PROMINAR 12mm F1.8
- PROMINAR 25mm F1.8
その他、海外製のマニュアルフォーカス、実絞りのレンズは使用可能と考えられるが、マウント部の造りによっては装着できないレンズもありそうだ。
仕様(SHOTEN公式ページより転載)
型番 | m43-SE |
対応レンズマウント | マイクロフォーサーズ * マイクロフォーサーズのレンズをソニーEマウントに変換するアダプターは、構造上、スムーズな装着感を得られない場合がございます。 特に新興メーカーのレンズにおいては個体差があるため、装着時の固さ・緩さ・若干のあそび等についてはご理解いただきますようお願いいたします。 |
対応カメラマウント | ソニーE |
その他仕様 | 素材:真鍮 質量:約30g |
備考 | ご使用時にはカメラの「メニュー」-「レンズなしレリーズ」を「ON」 |
注意事項 | レンズの電子制御はできません。電子制御で駆動するレンズを装着するとピント合わせや絞り調整ができない場合があります。 アダプターは、まずレンズに装着してからカメラに装着してください。アダプターをカメラに装着した状態、もしくはアダプターのボディ側にキャップがついている場合はレンズを装着できません。 マイクロフォーサーズのレンズはイメージサークルが小さいため、画面の隅が黒くなる場合があります。 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.1.23
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