ミノルタ最後のSLR α-7 Limited

ミノルタ製フィルムカメラ・α-7 LimitedをAF85mm,AF50mm,50-500mmズームで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のレンズとフィルムを使用した。
レビュー

1.概要
MINOLTA α-7 Limitedはミノルタのフィルム式一眼レフカメラで、その仕様はベースカメラのα7を踏襲しており、違いは以下の通りである。
- フォーカスフレームセレクターを標準装備
- AF/MFコントロールボタンを標準装備
- 撮影データ記憶領域をフィルム7本分から18本分へ増加
- オープニングとエンディング画像の追加
- 専用ストラップ
- 専用ボディカラー採用・エンブレム変更
機能の追加となる1〜3はα-7 通常版を有償アップグレードすることができた。
1と2は素のα-7を使ったことがないため、このようなものだと思って使っていた。
3の撮影データメモリーの増加については、カメラ上の記憶データを今は懐かしいスマートメディアに書き出すための機能で書き出すためには専用のDS-100が必要だったので、DS-100ユーザーにとっては7本分であろうが、18本分であろうが適宜書き出せばよく、非DS-100ユーザーは書き出すことができないので記憶領域が増えても無意味だったと思われる。
4〜6は正直どうでもいい変更だ。この程度の違いなので、カメラの刻印文字が金色になっているところ以外には、限定感がほとんどないカメラだ。
2.使用感
MINOLTA α-7 Limitedは完成度が高いと言われたα-7の外装を少し変えた限定版カメラで、フィルムカメラ末期のカメラで定評のあるミノルタ製ファインダー、少し柔らかめのシャッターフィール、小気味よいシャッターとミラーの駆動、安定したオートフォーカス、フルオートの巻き上げなどフィルムカメラとして必要な要素は過不足なく備えられていた。
結局フィルム10本程度を使用して、その後は使わなくなったので売ってしまい、すでに手元にはない。
入手したのは、デジタル一眼レフが普及しはじめた2007年で、1990年代にα8700iを使ったあとは疎遠になっていたミノルタ製一眼レフカメラをひさびさに使用した。
当時はデジタルカメラ α Sweet Digitalを使っていたためαレンズを数本所有していたので、35mm フルサイズでひさびさにαレンズを使ってみたくなり、フィルムカメラのα9かα7を購入するか少し悩んでいるときに、東京駅のカメラのキタムラにて限定版 α-7を見つけて購入した、購入価格はボディのみで2万円しなかったように記憶している。フィルムカメラが投げ売りされていた時代である。
3.まとめ
結論としてMINOLTA α-7 Limitedをまとめると、フィルムカメラとしての完成度は高い。LEICA DMR(Digital module R)のようなフィルムカメラからデジタルカメラにコンバートする専用機器が発売されていればよかったが、デジタルカメラへの移行はそのような製品を生みだす間もなく進んでしまった。I’m back filmのような汎用製品はあるけれど、どうしても見た目が悪いのは残念だ。
2020年代のα7といえば、ソニー製デジタルカメラをさしている。
仕様・考察など
ミノルタはフィルムカメラメーカーの中でデジタルカメラへの移行に遅れたメーカーの一つで、デジタルカメラのα-7 Digitalが発売されるのが2004年であり、このカメラは2003年にコニカとミノルタが合併しコニカ・ミノルタ社になった後に発売される。
ミノルタと合併するコニカの両社は、フィルムカメラの時代には独自のファンとポジションを持っていた。しかし、ミノルタとコニカはコンパクトデジタルカメラはリリースしていたが、両者ともに巨額の投資が必要となるレンズ交換式デジタルカメラには消極的であった。そのような両社が合併してもカメラ事業の総合的な発展は望めず、両社の合併から3年後にカメラ事業の一部がソニーに売却される。
売却できなかったカメラ関連事業はケンコー・トキナーがサポートを引き継いだが、それも2022年に終了している。むしろ2022年までよくサポートを継続していたものだと感心する。
カメラ | MINOLTA α-7 Limited | SA-7N |
ファインダー | アイレベル固定式・ガラスプリズム | ペンタミラー式一眼レフファインダー |
ファインダー倍率 | 0.8倍 | 0.7倍 |
視野率 | 92% x 94% | 92% x 92% |
AF方式 | TTL位相差検出方式 | ← |
作動範囲 | EV-1 ~+18 (ISO100) | ← |
シャッター | 電子制御縦走りフォーカルプレーンシャッター | 全速度電子制御式縦走行メタルフォーカルプレーンシャッター |
シャッター速度 | 1/8000〜30秒 | 1/2000〜4秒 |
測光 | TTL開放測光(14分割ハニカムパターン)、 中央重点的平均測光 | 8分割式評価測光、 中央部分測光、 中央部重点平均測光 |
バッテリー | 3Vリチウム電池 (CR123Aタイプ2個) | 3Vリチウム電池 (CR2タイプ2個) |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 143.5 × 97.5 × 65.5 | 132.5 × 91.5 × 69.5 |
重量(g) | 575g (電池除く) | 395g (電池除く) |
リリース年 | 2001 | 2002 |
定価(¥・税抜き) | ¥100,000- | ¥55,000- |
オプション
- 縦位置グリップ VC-7
- データセーバー DS-100
- 交換フォーカシングスクリーン7II
- リモートコード RC-1000S、RC-1000L
- アングルファインダー Vn
- マグニファイヤー Vn
- アイピースカップ
- フラッシュ
- ミノルタαレンズ
参考情報
- α(カメラ)Wikipedia
- α-7マニュアル(gizport)
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更新履歴
- 2025.8.13
- 2024.9.3
- 2024.06.05