使えるレンズは3本 CONTAX 645 Mutar x1.4 T*

京セラ製コンタックス645向けテレコンバーター Carl Zeiss Mutar x1.4 T*を対応レンズとLEICA S Typ007で使用したレビューと写真作例

サイト内広告の詳細はリンクに記載。文中斜め文字リンクは広告リンクで他サイトへ移動する。

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA S typ007

レビュー

概要
使用感
まとめ

1．概要

Mutar x1.4 T* for CONTAX 645はCONTAX 645の望遠レンズで使用できる、焦点距離を1.4倍伸ばすテレコンバーターである。焦点距離を伸ばす代償としてレンズの絞りF値が一段暗くなる。

使用できるレンズはコンタックス645レンズのゾナー 140mm、ゾナー 210mm、テレ・アポテッサー 350mmの3本で以下のとおり性能が変化する。

マスターレンズ焦点距離	マスターレンズ F値	装着後焦点距離	装着後F値
140mm	2.8	196	4
210mm	4	294	5.6
350mm	4	490	5.6

2．使用感

Mutar x1.4 T* for CONTAX 645は、コンタックス645レンズのゾナー 140mm、ゾナー 210mm、テレ・アポテッサー 350mmの焦点距離を1.4倍すにるレンズテレコンバーター（以下、テレコン）。

撮影結果をモニター等倍で確認したところ、細部の描写はテレコン無しに解像度のよさが感じられるがその差はわずかだ。テレコンを付けたことによる色のにじみもほとんど感じられない。総じて優秀なテレコンバーターだ。

Mutar x1.4は使用可能なレンズの制約から2024年現在、中古市場において相当数の在庫があるようで価格も安いものであれば1万円程度から見かける。

Mutar x1.4 T* for CONTAX 645をもっとも実用的に使えるのは、ゾナー 210mmで装着することにより重量の軽い300mm F5.6レンズとして使用できる。

このテレコンをゾナー 140mmに装着すると焦点距離 140mm x 1.4 = 196mm、絞り開放F値4となる。これはゾナー 210mm F4とほぼ同じスペックで、ゾナー 210mmが定価の半分程度の価格を維持していれば、テレコンを装着して焦点距離を伸ばす価値もあったが、残念ながらゾナー 210mm F4は最も安い時期には2万円程度で購入できるレンズとなっており、Mutar x1.4 T* for CONTAX 645を買うよりも安い値段で売られていたため、140mmに装着するというニーズはほとんどないだろう。

それでも中古レンズの価格は変動していくため、ゾナー 210mmの価格が値を戻していくと、ゾナー 140mmにテレコンを装着する需要も戻ってくるかもしれない。

Tele Apotessar 350mmは強度的には問題のない設計がされていると考えられるが、重量の重いレンズの間にテレコンとはさむことになるのは、使用者の心理としてはあまり気持ちの良いものではない。また、焦点距離490mmの中判望遠レンズをフィールドで使うのは持ち運び、使用時の手ブレなど、撮影時の懸念事項が多い。

3．まとめ

結論としてMutar x1.4 T* for CONTAX 645をまとめると以下のとおりである。

マスターレンズの焦点距離を1.4倍にするコンバータ、その弊害としてF値が一段暗くなる
対応レンズは、Sonnar 140mm、Sonnar210mm、Tele ApoTessar 350mm

仕様・考察など

ゾナー 140mmにMutar x1.4 T* for CONTAX 645装着したときの描写変化について確認した。レンズ仕様の変化は以下のとおりである。

項目	Mutar x1.4 T*	SONNAR 140mm F2.8	SONNAR 140mm F2.8 +Mutar x1.4 T*
焦点距離(mm)	x1.4	140	192
最大絞り	一段暗くなる	2.8	4
最小絞り	一段暗くなる	32	32
レンズ構成	5群6枚	5群7枚	10群13枚
絞り羽根	–	?	?
最短撮影距離(m)	装着レンズと同じ	1.3	1.3
レンズ長(mm)	41	98	139
レンズ最大径(mm)	82	81	82
フィルター径(mm)	–	72	72
重量(kg)	510	688	1189
フード	–	GB-73	GB-73
マウント	CONTAX 645	CONTAX 645	CONTAX 645
製造年	1999	1999	1999