Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness

2025年9月27日に埼玉県立美術館で鑑賞した「Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness」の感想
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目次
展概要
- Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness
- 埼玉県立美術館・企画展示室
- 2025年7月12日[土]‒10月13日[日]
- 開館時間10:00‒18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
- 休館日
- 月曜日(ただし、7月21日、8月11日、9月15日、10月13日は開館)
- 入館料
- 一般1400円(1120円)、大高生1120円(900円)
- ※( ) 内は20名以上の団体料金
- ※中学生以下は無料
- ※障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料
- ※企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。
- 本展は有効期間のある #ぐるっとパス で一度入場可能
- 開催概要公式リンク
感想「時間を堆積する物体に転換」
展は〈Gallery B〉〈Gallery C〉〈Gallery D〉3部屋で構成されている。それぞれに展示された作品について、感想を記していく。
〈Gallery B〉
この部屋では、40枚のプリントによる組作品と、珪化木と鏡の作品をみることができる。
入口でもらえるハンドアウトを見ると、これらの作品で時間を表現していくことが本展の主題であることがわかる。
最初の部屋の見どころはプリント組作品のつぎにある。
その部屋に入ると以前訪問したときと異なっていることに気づく、以前訪問したときは部屋は壁があり、ライトの光だけで照らされた閉空間だった。しかし、今回はガラス窓になっており外光が差しており、美術館内から外をみることができた。
部屋の変化に驚いて近くにいた学芸員さんにお話をうかがうと、この部屋の壁は開閉可能で展示によって使い分けているとのことで、外壁がこのような開閉の仕組みをもっていることを初めて知った。
初めての空間であじわう作品、静止した時間の展示作品と、外を流れる雲の動きは対照的でそこにいると自身の時間感覚がズレていくように感じられた。
〈Gallery C〉
前の明るい部屋からGally Cに続く通路は途中から床マットが剥がされ、その先のGallery C床はコンクリートがむき出しになっており鑑賞者はコンクリートの硬質な床を歩きながら鑑賞する。
これは部屋を一つのホワイトキューブと見立てているようだ。
この部屋は、時間の堆積をあらわした、積み上げられた床マット、壁に展示された積層絵画《Hidden Crevasse》シリーズ、ストーンペーパーを積み上げた《Rock,scissors,papers》、時間の分解と再構築を表現した《branch》シリーズ、帰化植物が定着する時間をモチーフとした《Cornus florida linn》シリーズ、によってより明示的に時間を可視化した作品が展示されている。
〈Gallery D〉
ホワイトキューブを抜けると、最後のGallry Dは廊下にポピーの種を埋め込んだ10,000枚の白と黒のポストカードで作られたインスタレーション《Canvas(oasa)》があり、鑑賞者はそのカードを1枚選んで持ち帰るという作品の分解者となる。その代償として選んだポストカードと同じ色の丸いシールを向かいの壁に貼るという構築者の役割を同時に与えられる。
鑑賞した9月27日は会期開始から2ヶ月が経過しており、10,000枚のカードはあまり減ったように感じられないが、壁に貼られたシールの数は減ったカードの数以上に感じられた。その鑑賞者によって堆積されたシール群は具体的なフォルムを成しつつあり壁画のようになっていた。
持ち帰ったカードは土に返してポピーを育ててもよいし、はがきとして使用し他者へ譲渡することができる。
作家が提示した時間に関する問いに対して、最終的に鑑賞者が行為者になリ広がりを見せるという仕掛けがとても面白いと感じた。
関連リンク
- 埼玉県立美術館・埼玉県立美術館公式ページ
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使用機材
- CANON EOS-1D Mark-IV +CONTAX N VARIO SONNAR 24-85mm
更新履歴
- 2025.9.30
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