大口径35mm NOKTON VM 35mm F1.2

大口径35mm NOKTON VM 35mm F1.2

フォクトレンダー・ノクトン 35mm F1.2 非球面レンズ採用(初代)をフィルムカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はHEXAR RF +KODAK PKR64

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ノクトン VM 35mm F1.2は、2003年にリリースされた、フォクトレンダー・ブランドのMマウント広角レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 1.2
  • レンズ構成 7群10枚
  • 非球面レンズ2枚3面
  • 絞り羽根 12枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.7m
  • フード 専用横ネジ止めフード
    • Voigtlander (フォクトレンダー) LH-3
    • 付属フード
  • レンズカラーバリエーション シルバーとブラック

2.使用感

ノクトン VM 35mm F1.2は、35mm判対応レンズでもっとも明るいレンズとしてデビューし、いまもシグマのミラーレス用 35mm F1.2と並んでもっとも明るいレンズの一つだ。

大きな鏡筒のレンズなので、ファインダー枠が蹴られたりと使用には難儀な部分もあるけれど、ズミルックスよりも明るくて安いレンズということで、エプソン R-D1、ライカ M8、HEXAR-RFと長く手元で活躍してくれた。

レンジファインダーカメラには巨大なレンズでファインダーに鏡筒の一部がかかるため、ファインダー枠の右下が見づらくなる。二重像にはかからないので、ピント調整に問題はない。

描写はコダクロームとの相性もよく、繊細な描写と大胆なボケが楽しめる。後ボケは少々汚くなることもある。これは大口径レンズなので仕方が無い面もある。

レンズはリリースされて割とすぐに購入しEPSON R-D1で使用していた。ライカ M8を購入したのでレンズをカメラに取り付けようとしたら、上手く嵌まらない症状に見舞われた。コシナに相談すると、ライカ M8の35mm判より小さいセンサーを納めた、センサー前の壁とレンズ後玉のガードが干渉するので装着できないとのことで、コシナに送って有償でレンズ後端部の修正をした。
ライカ純正のズミルックス 35mm F1.4も同じような問題を抱えていたので面白い符合だ。ズミルックス35mmはライカに修正を依頼した。

2024年現在はライカ M8で本レンズを使う人はそう多くないはずで、この問題にあたることはほとんどないはずだ。
ノクトン35mm F1.2初代はレンズの製造時期によって、後玉部分がM8のセンサー壁と接触する可能性があることを知っておくとよい。装着時に抵抗のあるレンズは無理矢理取り付けるとレンズ、カメラの破損に繋がる。

限定品のシルバーバージョンが高額で販売されているけれど、レンズの仕様はブラックと変わりは無い。
この初代NOKTON 35mm f1.2には、2種類のフードがあり、付属の径がレンズと同じフードと、LH-3と呼ばれる先端が広がったフードだ。両者ともの表面に縮緬塗装が施されており、2代目以降の通常ペイントのみのフードと比べると凝った作りになっている。

Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 Aspherical lens hood

3.まとめ

結論としてノクトン VM 35mm F1.2はをまとめると、レンジファインダーカメラ向けとしては大柄なレンズで、モデルチェンジ毎に小さくなっているため、この初期型を選択するメリットは中古価格が安いことだけとなる。

大きさに目をつぶれば、描写も現代的でよく写るレンズなのでお勧めできる。

仕様・考察

ノクトン35mm F1.2は初代と2代目が同じレンズ構成で、3代目、4代目とソニーE向けが同じレンズ構成となっている。

また、ニコンZ、フジフィルムX向けノクトン 35mm F1.2は名前こそ同じであるが、APS-Cセンサー専用のレンズとなっており、ここで紹介しているレンズとはレンズ構成など大きく異なる。

コシナが配布しているPDFでは二代目の最前面のガラスは異常分散ガラスと明記されており、レンズ形状は初代と同一に見えるが材質が変更になっているのかもしれない。二代目もほんの少し使ったが顕著な差は感じられなかった。

三代目はレンズ構成が変わっており描写が変わるのか興味はある。

2025年5月に4代目 NONTON 35mm F1.2が発売された。3代目とレンズ構成が同じで鏡筒素材が変更されたことにより、3代目より1割軽い300gに軽量化された。鏡筒の変更にともないレンズフードに専用のLH-14を採用している。

Before imageAfter image
項目NOKTON (初代)NOKTON (四代目)
焦点距離(mm)3535
最大絞り1.21.2
最小絞り2222
絞り羽根1212
レンズ構成7群10枚7群9枚
最短撮影距離(m)0.70.5
レンズ長(mm)77.851.8
レンズ最大径(mm)6361.8
フィルター径(mm)5252
フードLH-3LH-14
重量(g)490300
マウントVMVM
リリース年2003 製造終了2025.5
価格(定価・税別)¥135,000¥135,000

参考情報

更新履歴

  • 2025.7.4
  • 2025.4.27
  • 2024.04.18

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