PROMINAR 12mm with the α7S ii

43レンズをSONY Eボディで使う(3)

KOWA PROMINAR 12mm F1.8をSONY α7S iiで使うレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はNOKTON 25mmとSONY NEX-7

レビュー

1.概要

マイクロフォーサーズ用レンズをソニーEマウントで使う場合、そのために専用のマウントアダプターを用意する必要がある。

マイクロフォーサーズのフランジバックは20mm、ソニーEのフランジバックは18mm、その差は2mmである。市販のマウントアダプターは物理的なマウント形状変換のみおこなう。
2024年の技術では、この2mmの厚みのためレンズとカメラの電子接点を付加して、電気信号を変換するための回路を組み込んだアダプターは実現していない。

2024年現在市販されているマウントアダプターは以下のことができないため、オリンパス、パナソニックが提供しているオートフォーカス(以下、AF)レンズでは以下の問題点が発生する。

  • AFが使えない
  • 電気的な絞りが操作できない
  • イメージサークルが足りないため、周辺部がけられるレンズがある

マイクロフォーサーズとソニーFEのセンサーとマウントの仕様

マイクロフォーサーズソニーFE
センサーサイズ17.4mm × 13.0mm36mm x 24mm
センサー対角距離21.72mm43mm
フランジバック20mm18mm

今回は、その物理的なマウント形状を変換するマウントアダプターの一つ、SHOTEN マウントアダプター m43-SE (マイクロフォーサーズレンズ → ソニーEマウント変換)を使い、KOWA PROMINAR 12mm F1.8をSONY α7Siiに装着して撮影した結果をレポートする。

2.使用感

α7Siiによる実写結果では、NEX-7で予想したとおり、中央部を1:1で使用できることがわかった。ギャラリーは実用範囲をトリミングした画像を掲載している。

NPROMINAR 12mm撮影範囲(横 x 縦 ピクセル)35mmフルサイズセンサーに対する割合
マイクロフォーサーズ2035 x 1529横 48% 縦 54%
ソニーFE4240 x 2832
実用可能範囲2035 x 2035横 48% 縦 72%

下図の通り、35mmフルサイズセンサーではイメージサークルの不足が確認できる。SONY 35mmフルサイズミラーレス αシリーズは、APS-C/スーパー35のクロップモードがあるため、こちらで使用すると画素数はトリミング分減るがAPS-Cサイズセンサーカメラで使っているのと変わらない結果となる。

プロミナー 12mmを35mmフルサイズセンサーの撮影結果から実用的にトリミングすると1:1正方形の撮影範囲で焦点距離21mm相当となる。直線的な物を撮影すると、設定されたセンサーサイズを超えると、かなり歪んでいる。非球面レンズによって使用する部分のみ適正に補正されていると考えられる。

実用可能範囲
周辺部の歪み例
PROMINAR 12mm35mm判換算焦点距離換算係数
マイクロフォーサーズ242
ソニーFE121
実用焦点距離211.7

このマウントアダプターは非常に薄いため、まずレンズにマウントアダプターを装着してから、カメラボディに装着する。

レンズとマウントアダプターが装着できたら、カメラにレンズを装着する。

先行して使用した方のレビューでは、マウントアダプターがキツいとの情報を見たことがあるが、今回テストしたマウントダプターとレンズはスムーズに結合し、取外しもスムーズにおこなえている。

3.付加情報

オリンパス(OM-SYSTEMS)のレンズは、9mm f8 フィッシュアイ ボディキャップレンズ BCL-0980が絞り固定のマニュアルフォーカスレンズなので使用可能と思えたが、実際にマウントアダプターにレンズを着けてみると装着できなかった。
レンズを観察するとBCL-0980はマウント部はプラスチックでマウントに接続するツメが金属製マウントのツメよりも厚いことがわかった。このためマウントアダプターに嵌まらなかったと推測され、おそらくマウントアダプター設計時に金属マウントの寸法しか参考にしなかったと考えられる。

同じプラマウントのOLYMPUS ボディキャップレンズ マイクロフォーサーズ用 BCL-1580も装着が難しいかもしれない。

フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ向け大口径レンズは6種類リリースされており、マニュアルフォーカスレンズで、絞りが実絞りなので使用可能と考えられる。
NOKTON 25mm以外は未テストなので、BCL-0980のように取付ができないレンズもあるかもしれない。

  • 10.5mm F0.95 / 21mm
  • 17.5mm F0.95 / 35mm
  • 25mm F0.95 / 50mm
  • 29mm F0.8 / 58mm
  • 42.5mm F0.95 / 85mm
  • 60mm F0.95 / 120mm

Kowaから以下3本のレンズがリリースされており、マニュアルフォーカスレンズで、絞りが実絞りなので使用可能と考えられる。プロミナー 12mmを使用したかぎり、他のレンズでも問題ないと考えられる。

  • PROMINAR 8.5mm F2.8
  • PROMINAR 12mm F1.8
  • PROMINAR 25mm F1.8

その他、海外製のマニュアルフォーカス、実絞りのレンズは使用可能と考えられるが、マウント部の造りによっては装着できないレンズもありそうだ。

仕様(SHOTEN公式ページより転載)

型番m43-SE
対応レンズマウントマイクロフォーサーズ

* マイクロフォーサーズのレンズをソニーEマウントに変換するアダプターは、構造上、スムーズな装着感を得られない場合がございます。
特に新興メーカーのレンズにおいては個体差があるため、装着時の固さ・緩さ・若干のあそび等についてはご理解いただきますようお願いいたします。
対応カメラマウントソニーE
その他仕様素材:真鍮
質量:約30g
備考ご使用時にはカメラの「メニュー」-「レンズなしレリーズ」を「ON」
注意事項レンズの電子制御はできません。電子制御で駆動するレンズを装着するとピント合わせや絞り調整ができない場合があります。

アダプターは、まずレンズに装着してからカメラに装着してください。アダプターをカメラに装着した状態、もしくはアダプターのボディ側にキャップがついている場合はレンズを装着できません。

マイクロフォーサーズのレンズはイメージサークルが小さいため、画面の隅が黒くなる場合があります。

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.1.23

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