「ルドン展」 パナソニック汐留美術館

「国内所蔵ルドンを総ざらえ?」
東京都港区にあるパナソニック汐留美術館で開催された「オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」の鑑賞レポート。
目次
オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き
概要
展は日本国内観が所蔵する作品とオルセー美術館の作品で構成され、。
展示は4章で構成され、展示数は配布リストによると111点。そのうち国内所蔵が108点、オルセー美術館が3点、個人蔵は国内所有と思われるため、国内所蔵に含んでいる。
- プロローグ:日本とルドン
- 第1章 画家の誕生と形成 1840-1872
- 第2章 忍び寄る世紀末:発表の場の広がり、別れと出会い 1885-1895
- 第3章 Modernist/Contemporarian・ルドン 新時代の幕開け 1896-1916
展示フロアーはパナソニック東京汐留ビルの4階の美術館フロアーで、入口が券売所を兼ねており、出口から図録などを販売しているショップに続いている。
土、日は時間予約が必要になる。
館内撮影は禁止で、出口の大看板のみ撮影可能。
美術館のあるパナソニックビル内はオフィスフロアーを兼ねているためか看板等の撮影も禁止されている。
下の写真は新橋駅から美術館に続く地下通路に掲示されている。
巡回・パナソニック汐留美術館を含め以下2館の合計3館を巡回、東京が最後の開催となる。
- 岐阜県美術館 2024年9月27日~12月8日
- ひろしま美術館 2025年1月11日~3月23日

感想
入口そばにあるルドンの《自画像》、27歳の若かりしルドンの姿を見ることができる。とてもかっこいい青年。
その近くに2人の師匠、ジャン=レオン=ジェローム《夜》油画、ロドルフ・ブレスダン《善きサマリア人》版画が展示されており、ルドンに影響を与えたことが感じられる。
とくに、ロドルフ・ブレスダン《善きサマリア人》の線描の細かさにうなる。遠目だとサマリア人がどこにいるか分からなかった。
おなじみの版画などが続いていき、版画作品は台紙が傷んでいるものもみられ、紙作品を保管する難しさも感じる。
版画を眺めていると、ルドンの描く横顔が気になる。気づいて入口に戻ると最初のほうにも横顔が何点か展示されていた。そのあともちょくちょく横顔の作品が展示されている。
横顔のなかでも、オルセーの《光の横顔》と岐阜の《光の横顔》を並べた展示は、横顔が向かい合うかたちになり、時と場所を越えて交差する目線が1つの作品のようだった。
後半のパステルと油彩をまとめてあるところも見どころが多く、個人蔵の《眠る猫》は、習作っぽいけれど丸くなった猫の姿がよかった。展の締めは愛媛県美術館の《アポロンの馬車》、縦1m横0.8mの大判作品、鈍い色の空を白い馬と赤いアポロンが駆けていく迫力ある作品。
オルセーから借りている、《自画像》、《光の横顔》、ジャン=レオン=ジェローム《夜》の3つは、当地に行ってもいつでも展示してあるわけでは無いため、貴重な鑑賞機会だろう。
まとめ
展は国内のルドンを総ざらえしたと思える展示、本展に多くの作品を貸し出した岐阜開催は、さらに展示点数が多かったとのことで地元の強みを感じる。過去の恩から三菱1号館美術館の《グラン・ブーケ》の貸し出しが岐阜県美にはあるのかとおもったけどなかった。もちろん東京にも展示はない。
それでも、東京で国内のルドンをこれだけまとめて鑑賞できたのはとてもありがたい。
ルドンの描く横顔がとくに印象に残った展示だ。
関連リンク
更新履歴
- 2025.4.25
撮影機材
- HASSELBLAD X2D +XCD 28mmP
広告
- パナソニック汐留美術館・Ads by Amazon
- ルドン書籍・Ads by Amazon
コメントを残す