RICOH GR 21mm →RICOH GR21

リコー・GR 21mm ライカL39スクリューマウントのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。
- LEICA M8
- HEXAR-RF-LIMITED +FUJIFILM PROVIA400F
レビュー


1.概要
GR 21mmは、RICOHがライカL39スクリューマウント用にリリースしたレンズの一つで、フィルムカメラのGR 21mmを発売する前段階として試験的にL39マウントで売られたレンズだ。
このレンズはフィルムのGR 21mmと同じレンズ構成だが見た目のサイズはずいぶん違う。
フィルムカメラ GR21のレンズ鏡筒はとてもコンパクトで、同じレンズが入っているようにはみえない。
L39スクリューマウント版のレンズが大きいくなるのは、マニュアルフォーカス用のフォーカスリング、絞りリング、ライカ L/M 距離計連動機能などを追加するためと考えられる。
レンズは完品の場合、角形フード、21mmファインダー、ピントレバーが付属している。
レンズには大きめの指掛かりがあるため、ピントレバーを付けてもほとんど操作性に影響しないため、レンズ単品で売られている場合はは欠品していることが多く、デットストックの箱入りだと使用されずに箱に入っている可能性が高い。
2.使用感
GR 21mmは、レンジファインダーレンズの21mm広角レンズとしてはコンパクトでどのカメラに装着してもバランスのよいレンズだ。
35mmフルサイズで使うと周辺減光が激しい。
作例のLEICA M8で使用すると個性的な周辺部はカットされるため普通のレンズのような描写になる。中央部の解像度の高さ、歪みの少なさからレンズの完成度は高い。使用していた時期は、発売から5年後くらいなので、レンズもしっかりしており、ヘリコイドもなめらかで、絞りリングもカチッと止まる操作性が良好なレンズであった。
フィルム、デジタルともに21mmの広角レンズにしては前後のボケはなめらかで、いずれの撮影距離においても破綻のない描写を得られるレンズだ。しかし、ハイライトの粘りはなくわりとすぐに階調が飛んでしまうため、露出に気をつかう必要がある。
2020年代の最新センサーを搭載したカメラであればダイナミックレンジの拡張などでずいぶん救われるような気はする。しかし、センサーの解像度は高くなっているためレンズの粗は見える懸念がある。
レンズは絞りを開いてもF3.5の明るさだがISO400のフィルムを入れれば、夜景もそこそこ撮れる。2024年現在絶版になってしまったが2000年台はISO400のリバーサルフィルムが売られていたので、このレンズで使うこともあった。
GR 21mmも2020年代には製造から20年以上を経過して古物の域に入っており、レンズの曇り、バルサム切れ、鏡筒のガタなど、レンズの基本的な部分で問題のある個体が散見される。良心的な中古カメラ屋はその旨記載されているはずだ。ジャンクやノークレームなどと書かれたオークションなどの個人取引では注意が必要だろう。実際の取引価格はわからないが店頭値札の価格は強気で恐れいる。


3.まとめ
GR21はL39マウントの中では個性的な写りをすることで好んで使用していた。コンパクトな21mmレンズという選択肢としては有望なレンズではある。しかし、バルサム切れによるレンズ曇りのレンズも多いため中古の購入は状態の確認が必須だ。
レンジファインダーカメラは焦点距離21mmの選択肢も多いので、安価なVoigtlander Color Skopar 21mm、鏡筒は大きいけれど少し明るいCONTAX G BIOGON 21mm Mマウント改造レンズを主に使うようになり最終的にGR 21mmは手元に残らなかった。
仕様・比較
GR 21mmとGR 28mmはレンズの成り立ちが面白い。GR 28mmはフィルムカメラのGR1の成功をうけてレンズ単体の販売がはじまった。かたやGR 21mmはフィルムカメラ GR21をつくるためのテストの意味合いでリリースされている。この正反対の成り立ちは、2本だけのRICOH L39スクリューマウントレンズに物語を与えている。
また、GR 21mmとGR 28mmの大きさを比べるとGR21mmがGR28mmより若干大きい。焦点距離がことなるためこうなるのは必然であるけれど、この違いがコンパクトカメラGR1とGR21のデザインの違いにつながっている。


項目 | GR 21mm | GR 28mm |
焦点距離(mm) | 21 | 28 |
最大絞り | 3.5 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 6群9枚 | 4群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 25.5 | 23 |
レンズ最大径(mm) | 49.5 | 49.5 |
フィルター径(mm) | 40.5 | 40.5 |
重量(g) | 200 | 180 |
製造本数 | 1700 (黒:700) (銀:1000) | 3000 (黒:1000) (銀:2000) |
リリース年 | 1999 | 1997 |
価格(定価・税別) | ¥115,000 | ¥98,000 |
参考情報
- Mapcameraの紹介記事
- 世界のライカレンズPart2(P104,P106)・Ads by Amazon
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- RICOH GR1・Shige’s hobby
- RICOH GR21・Shige’s hobby
- RICOH GR 28mm・Shige’s hobby
- RICOH GR 21mm・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.5.10
- 2024.9.8
- 2024.02.23
- 2023.10.14
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