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描く人、安彦良和・松濤美術館 2025

2025年11月に渋谷の松濤美術館で「描く人、安彦良和」を鑑賞した感想

目次

描く人、安彦良和

概要

  • 展示:描く人、安彦良和
  • 2025年11月18日(火)~2026年2月1日(日)
    • 前期:11月18日(火) ―12月21日(日)
    • 後期:12月24日(水) ―2026年2月1日(日)
  • 場所:松濤美術館
  • #ぐるっとパス2025 対象展示
  • 館内は撮影禁止、ロビーに撮影可能な場所がいくつかある。

巡回

  • 兵庫県 2024年6月8日(土)〜9月1日(日)兵庫県立美術館
  • 青森県 2025年4月19日(土)〜6月29日(日)青森県立美術館
  • 東京都 2025年11月18日(火)〜2026年2月1日(日)渋谷区立松濤美術館

展示は以下6章で構成されている。

  1. 北海道に生まれて(2階)
  2. 動きを描く(2階)
  3. カリスマ・アニメーター誕生(2階→地下1階)
  4. アニメーターとして、漫画家として(地下1階)
  5. 歴史を描く(地下1階)
  6. 安彦良和の現在(地下1階)

感想「懐かしさと新しさ」

兵庫県、青森県と廻ってきた展示の最終会場東京、東京展は渋谷の松濤美術館で開催された。

チケット売り場のある1階ロビーは物販会場となっており、荷物用のロッカーもここにある。

展示は美術館2階からはじまり、最初の第1章は少年時代のノートが展示され、ノートに描かれたイラストにすでにアーティスト安彦良和氏の線やキャラクターが見られる。

第2章は、未実現作品の企画書などもあり、情報量が多い。
なかでも、勇者ライディーン、超電磁ロボ コン・バトラーVなど幼少期に見たアニメのイラスト原画がそれぞれ1点あり懐かしさと原画の色の美しさに目を奪われる。

また、館内映像で「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の映像が流れており、この作品は家族が好きで劇場に見にいった記憶がある。終盤の古代進と森雪のシーンで懐かしさに足が止まった。
安彦氏は「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」に絵コンテで関わっているとのことで、印象的なシーンの数々に安彦氏の力があったことを初めて知った。

「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」は後の「ヤマト」シリーズとは違う時間軸で描かれており、作品が一つの時間軸で動いていると思っていた当時は、現在のように作品パラレルワールドが当たり前の世界とは違っていたので、ヤマトが続いていくのは不思議だった。
これは、現代のように裏事情が得やすい時代では無かったこともあり、深く追求せずにいつしか記憶からきえていた。「ヤマト」についてはさまざまな情報が公開されているので興味があれば調べてみるとなるほどと思うことも多いはずだ。

第3章の2階展示室は初代「機動戦士ガンダム」の資料と作品が展示されている。多くの原画や設定資料が展示され、初代ガンダムにどっぷり使った者としては、とても身後たがあり贅沢な空間だった。こちらも館内映像が流れており、ガンダム終盤のアムロとシャアが生身で戦うシーンの映像はテレビの再放送で何度も見た映像でとても懐かしかった。
地下1階に移動すると、第3章の続きとしてZガンダム、ガンダムF91の展示がある。

第4章はとてもボリュームが大きいコーナーで、マンガ、アニメ、挿絵と安彦氏の充実した仕事ぶりを鑑賞できる。

なかでも、高千穂遙氏の著作「ダーティペア」は小説、アニメをともに楽しんだ作品だ。
アニメ版は土器手司氏のキャラクターデザインで動画に適したキャラクターだが少し幼く感じられる。それに対して、安彦氏の小説挿絵は限定した場面を1枚の絵で表現するという制約が安彦氏の表現とマッチしており、ユリとケイのキャラクターイメージは小説版の大人びた姿が魅力的に感じる。

「ヴィナス戦記」「クラッシャージョウ」に関する展示も興味を惹かれた。

第5章は安彦氏のマンガ作品の展示で、自身がマンガを読むことから離れた時期に重なり、ほとんどすべての作品を読んでおらず、新鮮な気持ちで鑑賞できた。イラストの完成度の高さは変わらず、展示されたマンガ原稿は比較的大きなコマ割りで最低限の台詞で進めていく場面が展示されており、各コマの完成度の高さはマンガというよりイラスト集に近いと感じた。

第6章は機動戦士ガンダム the ORIGINがメインで、第5章の歴史シリーズとは異なるガンダムを漫画化するという新しい挑戦の結果をみることができた。

2026年2月まで開催しているので、一部作品が入れ替わる後期展示も見にいきたい。

まとめ

安彦氏の仕事を過去から現在までまとめて鑑賞できる展示。

資料系の展示も充実しており、未知の作品に出会い、安彦氏の関わりを知らなかった作品を知り、認識をアップデートでき、そして、なにより厳選された原画の持つ美しさを集中して堪能できたのがよかった。

東京会場は味わい深いがそれほど広くない松濤美術館に密度濃く展示されているので、時間のあるときにゆっくりと鑑賞することをお勧めする。流しで鑑賞するのはもったいない展示だ。

本展は#ぐるっとパス2025 対象展示で、有効期間内のパスで1回入館できる。

関連リンク

撮影機材

  • LEICA S typ007 +HASSELBLAD HCD 28mm
  • PANASONIC LUMIX DMC-LX7

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更新履歴

  • 2025.11.24

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