10倍ズーム SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX HSM RF

SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX HSM RFをSIGMA SD10とKONICA MINOLTA α Sweet Digitalで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。
- SIGMA SD10
- α Sweet Digital
レビュー

1.概要
SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX RF HSMは2004年に発売された、シグマ製の35mm判対応の望遠オートフォーカスズームレンズ。
16群20枚のレンズ構成で超音波モーター(HSM)を搭載し、絞り羽根は9枚、絞り開放値はF4~6.3、最短撮影距離は1~3m、重量は1.85kg、三脚座は取り外すことができる。
レンズ名のRF表記はリアフォーカスで、鏡筒内の後群のレンズでフォーカス動作をおこなうため、フォーカス時にレンズ長は変化しない。ズームは望遠側になるにつれレンズ長が長くなる。
対応レンズマウントは、DG無しのRF版はHSMを搭載したシグマSA、キヤノンEF、NIKON-Fと、HSMを搭載しないミノルタαとペンタックスKが発売されている。
ちょうど過渡期の製品でレンズコートを更新したDG版が、1年後の2005年にHSMを搭載したシグマ SA、キヤノンEF、ニコンF、HSMを搭載しないペンタックスK、ミノルタ/ソニーα、2006年にHSMを搭載したフォーサーズが発売されている。
製品名にはないがAPO仕様のレンズで、特殊低分散ガラスを採用して色収差をできる限り補正している。また、レンズには非球面レンズも採用されている。
APO TELE CONVERTER 2x EXとAPO TELE CONVERTER 1.4x EXを装着できるが、テレコンバーターを装着したときレンズの絞り開放値が5.6より暗くなるため、シグマカメラのようにオートフォーカスがF5.6以下という制約のあるローレンジのカメラではオートフォーカスが使えなくなる。しかし、F8でオートフォーカスが効くカメラであればオートフォーカスは可能と思われる。
付属品はケース、円筒フード(H935_01)が付属し、定価は16.2万円(税別)。
2.使用感
SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX RF HSMはシグマが初めてリリースした、高倍率超望遠ズームの元祖にあたる。
最初に購入したのは、デジタル一眼レフカメラのSIGMA SD10用にシグマSAマウント版を購入した。SIGMA SD10はAPS-Cサイズセンサーのなかでももっとも小さな(20.7×13.8mm)を採用しており、35mmフィルム判への換算係数は1.7倍になる。このレンズの場合は広角端85mm〜望遠端850mm相当の超望遠レンズとなる。
10倍ズームという若干のキワモノレンズであるが、Foveonセンサーを搭載したSIGMA SD10で使用すると、レンズの中央部のみを使うためか、撮影結果をみるとなかなか素晴らしい解像感をみることができる。
50-500mmという撮影範囲はなかなか便利で、風景からアップまで万能にこなせる。下写真左は風景込みで50mm(85mm相当)で撮影した結果で、下写真右は左写真にに写っている船を500mm(850mm相当)で捉えた結果となる。このズームレンジ幅は撮影時の画角の柔軟性であり、大きくて重いがこのレンズ1本で化なりの状況に対応できることがわかる。


シグマSAマウントは少し使ったところで単焦点の望遠レンズが欲しくなり、これを売ってAPO 500mm HSMを購入することになる。使用用途をよく考えてレンズを買えという教訓を残してくれたレンズの一つだ。
しかし、個人的にキワモノレンズを使ってみたいという好奇心に負けることが多いので用途を検討購入しても浮気をすることが多い。
その後、シグマがSD10の後継機をなかなか出さないことに業を煮やして、KONICA MINOLTA αカメラに浮気した際、何かと便利だったこのレンズが中古で安かったのでα Sweet Digital用にαマウントのDG版を購入した。
この当時のKONICA MINOLTA αの純正レンズは新しいレンズモーター搭載レンズと古いボディモーター搭載レンズが併存していた。シグマはこのレンズにモーターを搭載せずボディモーターで駆動させていた。これはレンズ制御が従来の仕組みが使えるためと考えられる。
α Sweet DigitalはAPS-Cサイズセンサーのなかでももっとも標準的な(23.5mm×15.6mm)を採用しており、35mmフィルム判への換算係数は1.5倍になる。このレンズの場合は広角端75mm〜望遠端750mm相当の超望遠レンズとなる。
α Sweet Digitalはオーストラリア旅行に持ちだして、たっぷりの陽の元で十分に活躍してくれた。望遠端F6.3だがカメラの備えるボディ内手ぶれ補正機構と日光下という光量が豊富な環境であれば手ブレの心配も無く十分な画質をもたらしてくれる。
本レンズは大きなレンズだけれどコレ1本で標準域から超望遠までを持ち運べるのは大きな利点だ。荷物を減らしつつ超望遠レンズを持っていきたいときに重宝する。
このときは、ワライカワセミを撮るために望遠端500mmを期待して持参したが、ワライカワセミの生息地に対するリサーチ不足で野生のワライカワセミには巡り会えず、動物園でワライカワセミをみて帰ってきた。
しかし、ビーチでサーフィンをする現地の若者をそれなりに写せたので満足している。
だだし、このレンズは大きくて威圧感がるため使用場所は野外に限られるだろう。街中でコレを装着したカメラはかなり大げさなカメラに見えるため、海外など場所によっては撮影制限のある場所もあるため、海外で職質をうけるのはなかなか難儀なので使わない方が無難だろう。
3.まとめ
結論としてSIGMA 50-500mm F4-6.3 EX RF HSMをまとめると、野外で汎用性の高い高倍率ズームレンズ。
しかし、望遠端しか使わないのであれば、単焦点レンズを選択したほうが明るくて描写もよいことは間違いない。
ボディ側に手ぶれ補正機構がないカメラで使用する際は、OS(光学手ぶれ補正)を積んだ後継レンズをだレンズを選択するのがよい。ボディ内手ぶれ補正を搭載したカメラであれば本レンズでも望遠端の500mmである程度の手ぶれ防止が期待できる。実際にα Sweet Digitalで使用した際には手ぶれ補正の恩恵を感じる場面もあった。
仕様・考察など
シグマは本レンズが発売された2004年頃からレンズの外観意匠の変更をはじめてレンズの質感がよくなった。本レンズが発表されたとき、外観意匠とその意欲的なレンズ仕様に興味を持ち、SIGMA SD10で使う超望遠レンズとして発売後すぐに購入した。
当時の比較対象は、すでに発売されていた150-500mmか単焦点レンズの500mm F4.5だったが、150-500mmはすでに設計が古い、500mm単焦点は価格が高いこともあり、踏ん切りが付かなかったこともあり、発売直後のこのレンズを購入した。
2000年代に望遠側で10倍ズームを作っていたのはシグマだけで、500mmをカバーする3倍ズームレンズをシグマとタムロンが作っていた。
カメラメーカーは望遠レンズは単焦点というポリシーがあったためか、このような望遠ズームレンズはレンズメーカーの独壇場だった。
カメラメーカーの単焦点レンズは高価だったので、カメラメーカーのレンズとくらべると廉価なレンズメーカーの望遠ズームレンズは趣味で飛行機や野鳥を撮る人間にはとてもありがたい存在だった。
現在のシグマは望遠側の600mmへと焦点距離を拡大している。150-600は同じ焦点距離の軽いContemporaryと性能重視のSportsと2つのレンズをほぼ同時に発売する離れ業をやってのけた。
これだけ複雑なレンズを設計から製造までおこなえるシグマというメーカーはほんとうにスゴイ。ライカ、オリンパスが望遠レンズに関してはシグマに依頼する理由もこの設計力と製造力に魅力を感じているからだろう。
- 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports
- 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary
- 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports(販売終了)
2020年代になると、各社単焦点レンズへのこだわりは捨て、ズームレンズで望遠レンズを作っている。主なところでは以下のレンズがある。各社それなりの価格はしているが、単焦点レンズとくらべると購入できない価格ではないので、2020年台の撮影者は選択肢が多くて幸せだ。
- SONY SEL200600G FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
- TAMRON SP AF200-500mm F/5-6.3 Di LD [IF] Model A08
- フジノンレンズ XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR
- HD PENTAX-D FA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW
- M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
- RF200-800mm F6.3-9 IS USM
- NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
項目 | EX RF | EX DG | DG OS |
焦点距離(mm) | 50-500 | 50-500 | 50-500 |
最大絞り | 4-6.3 | 4-6.3 | 4.5-6.3 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 |
レンズ構成 | 16群20枚 | 16群20枚 | 16群22枚 |
絞り羽根 | 9枚 | 9枚 | 9枚 |
最短撮影距離(m) | 1~3 | 1~3 | 0.5~1.8 |
レンズ長(mm) SIGMA-SA | 216 | 216 | 219 |
レンズ最大径(mm) | 95 | 95 | 104 |
フィルター径(mm) | 86 | 86 | 95 |
フード | H935_01 | H935_01 | LH1034-02 |
マウント | SIGMA-SA CANON-EF Nikon-F Pentax-K(HSMなし) SONY-α(HSMなし) | SIGMA-SA CANON-EF Nikon-F Pentax-K(HSMなし) SONY-α(HSMなし) Olympus−FT | SIGMA-SA CANON-EF Nikon-F Pentax-K SONY-α |
重量(g) SIGMA-SA | 1850 | 1840 | 1970 |
発売日 | 2004 | 2005 | 2010 |
定価(税別) | 162,000- | 165,000- | 189,500円 |
参考情報
- SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX RF HSM・WebArchive
- SIGMA 50-500mm F4-6.3 EX DG HSM・WebArchive
- SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM・SIGMA Official Page
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更新履歴
- 2025.10.3
- 2024.12.25
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