SIGMA APO 800mm F5.6 EX HSM

800mm超望遠レンズ

SIGMA APO 800mm F5.6 EX HSMのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は SIGMA SD9

レビュー

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1.概要

SIGMA APO 800mm F5.6 EX HSMは1999年に発売された、シグマ製の35mm判対応の超望遠オートフォーカス(以下、AF)レンズ。

9群12枚のレンズ構成で超音波モーター(HSM)を搭載し、絞り羽根は9枚、絞り開放値はF5.6、最短撮影距離は7m、重量は4.9kg、三脚座は直付けで取外しできないとなっている。

名前にIFの表記はないが、インターナルフォーカスで操作時にレンズ長は変化しない。

対応レンズマウントは、DG無し版はシグマSAとキヤノンEFは確実でニコンFは不明、その他のマウントは発売されていない。
レンズコートを更新したDG版は2005年にシグマ SAマウント、キヤノンEFマウント、ニコンFマウント、2010年にソニーとペンタックス用が発売されている。

付属品はケース、円筒フード(LH1571-01)が付属し、定価は75万円(税別)。

2.使用感

SIGMA APO 800mm F5.6 EX DG HSMは、SD9で野鳥撮影をしているときに本気で購入を考えて、ツテを頼りに300-800mmズームと一緒に1週間ほど貸りて使用した。
結論としては、800mmは自分の筋力にたいして重すぎてフィールドで手持ち撮影はできないため、試用から少ししてSIGMA 500mm EX DG HSMを買った。

そのため800mmと300-800mmズームは借りた際に使ったきりで、その後、長野の白樺峠で鷹を撮る際に800mmが欲しいこともあったが使用頻度が年に数度なので購入にはいたらなかった。

単焦点の800mmは当たり前だが単機能の潔いレンズで、300-800mmズームよりも1kg程度軽いため、遠くの被写体しか狙わないのであれば、こちらがおすすめだ。
先述の通りカメラとセットにすると6kg弱程度になるので虚弱タイプには手持ち撮影が難しい。

試写は大型三脚のSLIKグランドプロ CF-4を使用した。カメラと三脚のセットが10kgオーバーとなるため、撮影をおこなう港まで車で機材を運んで撮影をした。レンズに直付けされたの三脚座は回転するがこのレンズで縦位置では撮影しなかった。

撮影に使ったカメラがSD9ということもあり、AF速度と合焦精度については他のシグマ超音波モーター搭載レンズと同程度との印象が残っている。

SD9、SD10が搭載するスポーツファインダーとよばれる、35mm用のファインダーの周辺部をセンサーサイズに合わせてマスクしたファインダーは、この超望遠レンズを使う際には移動する被写体がファインダー外部に確認できるため重宝した。

ミラーレスカメラのEVFにズームレンズであれば、少しひろい焦点距離をファインダーを表示して被写体を確認しつつ実際の焦点距離で撮影すると機能は可能と思われるので実装するメーカーがあってもよいかもしれない。
と思い調べてみるとフジフィルムが「スポーツファインダーモード」という機能を搭載している。しかし、これは表示は装着レンズの実焦点距離で撮影結果はクロップ(切り抜き)されてしまう。ズームレンズ限定となるが実焦点距離で撮影できるスポーツファインダーモードを搭載したカメラを望みたい。

単焦点800mmは300-800mmズームよりもレンズ構成が単純で、同じような条件で撮りくらべた結果、当たり前だが単焦点レンズのほうが解像度が上だった。この解像度の差はズームレンズのほうが手ぶれにシビアなためかもしれない。また、焦点800mm、300-800mmズームの両者ともに背景の模様と距離によって2線ボケが目立つのは残念な点である。

借りた2本のレンズが宅配便で部屋にレンズが到着して開封したときは、思わず笑ってしまうような絵面だった。確かレンズを並べて写真を撮った記憶があるが残念ながらHDDの画像倉庫から出てこない。

SD9はセンサーサイズが小さいため、35mm判換算1.7倍すると、1,360mmという恐ろしい焦点距離となる。それでも、対岸にいるカワセミはそれほど大きく撮れないため野鳥撮影というのは大変なジャンルだ。

3.付加情報

シグマのAPO 800mmは、レンズ名にDGが付いた新版とDGの無い旧版がある。その違いはレンズコーティングでレンズ構成などレンズの基本要素は同じである。

焦点距離800mm F5.6、通称ハチゴローのAF一眼レフ用レンズは、このシグマの他、キヤノンは2008年に「EF800mm F5.6L IS USM」、ニコンは2013年に「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」を発売している。ニコンが両メーカーのレンズはレンズに手ぶれ補正機構を搭載している。
マニュアルフォーカスレンズのハチゴローはニコンが1975年に発売している。

一眼レフの時代は、レンズがある程度明るくないと、AFの合焦精度が悪くなる、ファンダーでピントを掴むことが難しかったので、長焦点レンズにおいても大口径が求められていた。しかし、ミラーレスカメラのEVFは暗いレンズでも適度な明るさに増幅可能なので、800mm F11など焦点距離は長いが暗いレンズが売られている。

最近の暗い超望遠レンズは実際に使っていないため、正確なところは分からないが、これら明るい超望遠レンズは高価なので、価格分の贅を尽くした設計と製造をしており、廉価な暗いレンズと一線を画す画質だと思いたい。

仕様

焦点距離(mm)800300-800
最大絞り5.65.6
最小絞り3232
レンズ構成11群13枚16群18枚
絞り羽根9枚9枚
最短撮影距離(m)76
レンズ長(mm) SIGMA-SA521544
レンズ最大径(mm)156.5156.5
フィルター径(mm)46(リア)46(リア)
フードLH1571-01LH1571-02
重量(g) SIGMA-SA49005880
発売日1999
2005(DG)
2003
2005(DG)
定価(税別)750,000円850,000円

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.12.21

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