3代目 単焦点コンデジ CYBER-SHOT DSC-U30

3代目 単焦点コンデジ CYBER-SHOT DSC-U30

SONY Cybershot DSC-U30のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

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1.概要

サイバーショット・DSC-U30は、2003年6月27日に発売されたソニー製コンパクトデジタルカメラ、いわゆるオールドコンデジ。
200万画素の1/2.7型CCDセンサーと35mm判換算33mmの単焦点レンズを搭載している。
ずんぐりとしたカメラボディは近年の薄型機種と一線を画すデザインで、2020年代に見ると個性的なデザインと感じる。

2.使用感

サイバーショット・DSC-U30はアクセサリーとして鞄に付けておけるようなコンパクトサイズは好みだが、カメラの撮影結果は、2000年初頭の極小センサーと200万画素の組み合わせなので、昼間撮影してもそこそこノイジー、光が無くなってくるとよりノイズがのってくる。

カメラ前面の○はミラーになっており、自撮りに配慮した装備が追加されている。

カメラの起動時間は早くレンズバリアを開けばすぐに撮影可能で、シャッター応答、メモリー書き込みなどの撮影のレスポンスは良好だ。
カメラ起動スイッチを兼ねたスライド機構のため、ボディにスレ傷ができるのは少々悲しいところだが、構造的にしかたがない。

記録形式はJPEGのみで、画像サイズは200万画素(1632×1224)とVGA(640×480)が選択できる。どちらの解像度を選択しても、記録待ちが発生することは無く快適に撮影できる。

背面液晶はサイズ1型・解像度6万ドットと、サイズはとても小さく表示される情報は最低限だ。解像度からして撮影後のプレビュー表示は構図がわかる程度の表示でピント位置の判別は難しくディスプレイとしてはあまり役に立たない。

カメラには、撮影、再生、動画切り替えのスライドスイッチと、シャッターをのぞくと、操作用のボタンは3つしか無いため、カメラの操作性が劣ることは否めない。

撮影範囲は0.2m〜無限であるが、オードフォーカスモードは意図通りにマクロ域が選択されることが少なく、背景にピントが後ろに抜けていることが多い。
マクロ専用のマクロモードはメニューから選択できるが、メニューボタンを押してメニューに入る必要があり面倒である。
カメラ背面中央の上下ボタンでダイレクトにフラッシュと撮影モードを切り替えることができるのだが、撮影モードは夜景、風景(∞)、人(1m)はあるがマクロモードがないのは不思議である。

SONYの単三電池、単四電池を使うオールドコンデジは、電池部分の端子が劣化している物が見られる。このカメラも、電池端子が青錆で脆くなっており、最終的には電池端子がくだけて通電しなくなった。所有するカメラのセンサーは生きているため、センサーの壊れたジャンク品を購入して電池端子を移植しようかとも考えているけれど、ジャンク品の端子も劣化していると目も当てられないのでなかなか悩ましい。

3.まとめ

結論としてサイバーショット・DSC-U30をまとめると、とても小さくカメラと思えないフォルムが魅力だ。
写りは玩具カメラのようなトイチックな描写で記録性はない。古い時代のデジカメの描写を感じることができる。

仕様・考察など

DSC-U30は先代のDSC-U20の小改良モデルだ。DSC-U30の優れているところは、以下の5点であるが、正直なところ両機種を使っていても、便利なのはメモリースティック PROに対応したところだけである。

  • 反射型液晶と透過型液晶の両方の特徴を備えたハイブリッド液晶パネルを採用
    • 屋外での視認性は従来機同等レベルで、屋内でのコントラスト比は約3倍に向上
  • 拡大再生機能・静止画再生時に画像を5倍/2.5倍に拡大表示できる(拡大時の画像移動は不可)
  • シーンセレクションに「夜景モード」と「アクティブアウトドアモード」追加
  • メモリースティックPROに対応した(高速転送非対応)
  • 同梱される充電池の充電時間が従来の約13時間から約6時間に短縮。撮影枚数/時間が約120枚/約60分から約150枚/約75分に向上

このUシリーズは2002年から2003年の1年間に6機種がリリースされ、滅亡してしまった悲しいカメラだ。ソニーの生産終了カメラのリストにもなぜかわからないがDSC-Uシリーズの情報は無い。サポートにマニュアルだけは置いてある。

カメラシリーズについて記しておく、DSC-U40は記録メモリーがメモリースティック Duo専用となり、より小型化が進んでいる。DSC-U50はレンズが稼働するスイバルモデルになっている。こちらはコンパクトデジカメ低迷期のカメラで製造数が少ないためか中古で見かけることも少なく中古価格も高い。

DSC-U40とDSC-U50は、製造不具合カメラに該当しており、カメラの心臓部であるセンサーが修理されていないカメラは使用しているうちに不具合を発症して撮影ができなくなる。不具合の詳細については、こちらに情報がある。有料記事だが最初の5行で十分になにが問題かは把握できる。

オークションなどで動作品としつつ、日付画面だけ表示されており、撮影中のライブビュー画像がでていない品はセンサーが死んでいる可能性があるので注意が必要だろう。良心的な売り手であれば、センサー不良と明記してジャンクとして売られている。

このカメラシリーズで紛らわしいのは、防水デジカメDSC-U60だ。カメラの型番は最も大きいが、実際にはDSC-U30と同時発売であり、記録メディアはメモリースティックかメモリースティック PROに対応しているので注意が必要である。

項目DSC-U10DSC-U20DSC-U30DSC-U40DSC-U50
焦点距離(35mm版換算)33
画素数126万画素200万画素
センサータイプCCD
センサーサイズ1/2.7
レンズ5mm F2.8
撮影距離0.2m〜
背面液晶サイズ1
背面液晶解像度6.4万ドット
バッテリー単四電池 x2
メディアMSMSMS / MS PROMS DuoMS Duo
サイズ
幅 x 高さ x 奥行
84.5 x 39.8 x 28.685 x 40.3 x 29.782.8 x 39.0 x 26.099.9 x 40.5 x 24.9
重量(g)
*1:本体のみ
*2:バッテリー+メディア
87 *189 *1
123 *2
90 *190 *1
リリース年2002.7.202002.12.72003.6.272003.11.142003.9.19
カラーシルキープラチナシルバー
メタルソニックブルー
メロウパールピンク
シルバー
コズミックブルー
ブラック
シルバー
ゴールド
オレンジ
レッド
ディープブルー
グレー
シルバー
ブラック
ディープブルー
レッド
シルバー
ブラック
オレンジ

オプション

記録メディアがメモリースティック、メモリースティック PRO なので、通常売られているメモリースティック Duo、メモリースティック Duo PROを使うためには、MSAC-M2を用意する必要がある。こちらは2024年現在もソニーストアで売られている。価格も500円と破格に安い。

また、幸いなことにDSC-U30は1GBを超えるメモリースティック PROに対応しているため、現在市場で手に入りやすい大容量のメモリースティック Duo PRO が利用できる。1GBのメディアをDSC-U30に装着すると約1000枚撮影可能だ。

前モデルのDSC-U10とDSC-U20は、メモリースティック PRO に対応していないため、小容量のメモリースティックか、MSAC-M2+メモリースティック Duo PRO表記のないカードを用意する必要がある。本件についてはデジカメウォッチの2017年のDSC-U10の記事内に注意が記載されている。

後継モデルのDSC-U40とDSC-50は、メモリースティック Duo、メモリースティック Duo PRO対応になったため、MSAC-M2は不要である。前述のとおり、DSC-U60はDSC-U30と同時発売のカメラでメモリースティック メモリースティック PRO に対応している。

防水デジカメDSC-U60はDSC-U30と同時発売であるため、記録メディアはメモリースティックかメモリースティック PROに対応している。Duoには対応していないので注意が必要だ。

メモリースティックの大まかな分け方

製品名容量メディアサイズ
メモリースティック256MBまで21.5mm×50mm×2.8mm
メモリースティック PRO1GB以上21.5mm×50mm×2.8mm
メモリースティック Duo256MBまで“メモリースティック デュオ”アダプター
MSAC-M2を使うと、メモリースティックに変身
メモリースティック Duo PRO1GB以上“メモリースティック デュオ”アダプター
MSAC-M2を使うと、メモリースティック Proに変身
転送速度などの詳細な違いは、Wikipediaのメモリースティックを参照のこと

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参考情報

更新履歴

  • 2025.8.4
  • 2024.06.08

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