VM超ワイド単焦点 SUPER WIDE HELIAR 15mm II

VM超ワイド単焦点 SUPER WIDE HELIAR 15mm II

スーパー・ワイド・ヘリアー 15mm F4.5 IIをLEICA M8.2、EPSON R-D1xG、LUMIX GF1で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

Voigtlander SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 II VMは焦点距離15mmの超広角レンズ。

主な仕様は以下のとおりで、詳細は仕様に記載した。

  • レンズ構成は6群8枚
  • 最短撮影距離は0.5mとなっている。
  • レンズマウントはライカM互換のVMマウント
  • 0.7mまでレンジファインダーカメラの距離計に連動する。
  • フィルター径は52mm、レンズ前面にねじ込む

2.使用感

Voigtlander SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 II VMは最短撮影距離が0.5mに制限されたことと52mmフィルターが前面に装着可能になったを除いて、描写はL39マウント版Voigtlander SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 と同様だ。レンズ構成がレトロフォーカス型のおかげで周辺減光も少なく、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーより小さなセンサーを搭載したカメラでは、若干乱れの見られる周辺部がカットされるためより整った画像になる。

焦点距離15mmと広角なのでフィルター枠が厚いフィルターは、撮影画像にケラレが発生する必要があるため注意が必要だ。

35mm判フルサイズセンサー以外の35mm判換算焦点距離は以下のとおりだ。

  • LEICA M8.2(x1.33 APS-Hサイズセンサー)=20mm
  • EPSON R-D1xG(x1.5 APS-Cサイズセンサー)=22.5mm
  • LUMIX GF1(マイクロフォーサーズセンサー)=30mm

マイクロフォーサーズセンサーは30mmとなるため、普通の広角レンズ28mmと同じ感覚で扱うことができる。

LEICA M8.2は上述のとおり焦点距離20mmとなるため、構図を確認するためにCARL ZEISSの21mm外付けファインダーを使用して撮影した。撮影結果は周辺部がクロップされるため、35mm判フルサイズセンサーカメラのように周辺部でカラーキャストに悩まされることはなかった。0.7mまで距離計に連動するため、∞〜0.7mまでは正確にピント位置を合わせることができた。この距離計連動機構の追加に伴いレンズの物理的な最短撮影距離は0.5mまでに制限された。

EPSON R-D1xGは上述のとおり焦点距離22.5mmとなるため、構図を確認するためにLEICAの24mm外付けファインダーを使用して撮影した。それ以外はLEICA M8.2と同様である。APS-Cサイズセンサーより大きなセンサーを持つカメラで使用すると撮影範囲の広さを実感できる。

Panasonic LUMIX GF1はミラーレスカメラなので、構図確認は背面液晶画面でおこなえるため外付けファインダーは利用していない。上述の通り焦点距離30mmとなるため、超広角という趣は薄れて普通の広角レンズ28mmと同じ感覚で扱うことができる。

作例はいずれも絞り開放だがF4.5と少し暗いレンズのためか全面でしっかりと解像している。GF1は4:3からのクロップ撮影ができたので、1:1にクロップして撮影した結果も残っている。これは周辺部をかなりトリミングした結果となっているため画質にはまったく不満が無い。横幅いっぱいを使う16:9の画像を見るとマイクロフォーサーズで使うには周辺部も十分な性能と分かる。

紹介した2代目 15mmは最短撮影距離が0.5mに制限されるため、ミラーレスカメラで使用する場合、初代 15mm L39スクリューマウント版は最短撮影距離0.3mまで寄れるので利便性が高い。

3.まとめ

結論としてVoigtlander SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 II VMをまとめると、52mmフィルターに対応し、VMマウント化され、最短撮影距離が0.5mへスペックダウンした超広角レンズ。

フィルター装着とVMマウント化に価値が見いだせれば選択にあたいするレンズとなる。

仕様・考察など

初代の15mmはL39スクリューマウントであったが、2代目でMマウント互換のVMマウントに変更され、3代目までリリースされている。

3代目は初代、2代目とレンズ構成が大きく変わり、レンズも大型化している。そして、このレンズ構成を使用してミラーレスカメラ専用マウント版として、SONY EマウントニコンZマウントが発売された。
ミラーレスカメラ専用マウント版は最短撮影距離が短縮され、電子接点が付加されてレンズ情報をカメラへ伝達するようにデジタルカメラ向けの改良が施されている。

電子接点のないVMマウント版は汎用的なレンズの位置づけとなり、専用マウントを作るほど売れるとは思えないマイナーなミラーレスカメラのためにマウントアダプター経由で使うためのレンズとなっている。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
Before imageAfter image
項目2代目 SUPER WIDE HELIAR 3代目 SUPER WIDE HELIAR
焦点距離(mm)1515
最大絞り4.54.5
最小絞り2222
絞り羽根1010
レンズ構成6群8枚 非球面レンズ1枚9群11枚
最短撮影距離(m) (距離計連動)0.50.5
レンズ長(mm)38.255.2
レンズ最大径(mm)59.464.8
フィルター径(mm)5258
重量(g)156247
フードレンズ組み込みレンズ組み込み
マウントVMVM
リリース年2009.42015.3.19
価格(定価・税別)65,00095,000

参考情報

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更新履歴

  • 2025.7.22
  • 2024.12.1

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