Voigtlander ULTRA WIDE HELIAR VM 12mm

VMマウント 12mm広角レンズ

フォクトレンダー ウルトラ ワイド ヘリアー 12mm F5.6のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M8.2

レビュー

1.概要

フォクトレンダー・ウルトラ・ワイド・ヘリアー12mm F5.6は、焦点距離12mmの超広角レンズ。

レンズ構成は8群10枚、最短撮影距離は0.5mとなっている。
レンズマウントはライカM互換のVMマウントで、0.7mまでレンジファインダーカメラの距離計に連動する。

レンズ全長はマウント面からフード先端まで42.5mm、フィルターは67mmフィルターをオプションなしで装着できる。

2.使用感

このレンズはM8.2でだけ使用したため、35mm判フルサイズセンサーでは使用していない。M8.2のAPS-Hセンサーで使用すると撮影可能範囲は12*1.33=16mmとなる。
作例をみればわかるとおり、周辺部の減光や解像度不足はない。

67mmフィルターをレンズに直接ねじ込むために、レンズ前面は花弁のように大きく開いている。レンズ構成が同じ前モデルの12mm L39スクリューマウント版と比べると、ずいぶん大きなレンズになっている。

ファインダーは、CONTAX G HOLOGAN 16mm、COSINA ZEISS 15mmのファインダーで撮影範囲をあわせていた。HOLOGAN 16mm不足のファインダーは、見え方はそれほど良くないがファインダーに水準器が内蔵されているため水平を撮る際に重宝する。

レンズはM8.2の距離計と連動するので、絞り開放で0.7m〜2m程度の被写体を撮影するときは2重像できちんと合わせておけばピント位置の画像がきちんと解像する。この距離計連動機構の追加に伴い最短撮影距離は0.5mまでに制限された。レンズ鏡筒には0.3m、0.4mの表記1があるがこれは被写界深度を利用した際にピントが合う位置の目安でレンズ自身のフォーカスリングは0.5mまでしか動かない。

初代のウルトラ ワイド ヘリアー 12mm L39スクリューマウント版(以下、初代)は物理的に0.3mまで寄れるため、ミラーレスカメラで使用する場合はこちらの方が利便性が高い。

3.付加情報

初代の12mmはL39スクリューマウントであったが、2代目でMマウントに変更され、3代目までリリースされている。3代目からはSONY Eマウント版も発売され、そちらは最短撮影距離の短縮、レンズ情報のカメラへの伝達など、デジタル時代に対応した改良が図られている。
前述しているが、L39スクリューマウント版は0.3mで、VM版は最短撮影距離0.5mである。

VMマウント版は汎用的なレンズの位置づけとなり、専用マウントを作るほど売れるとは思えないマイナーなミラーレスカメラのためにマウントアダプター経由で使うためのレンズとなっている。
一眼レフ時代は孤高のマウントであったMマウントがユニバーサルマウントの地位を確立するとは数十年前には想像もしていなかった。

2024年現在、当初併売された焦点距離10mmのヘリアー ハイパー ワイド 10mmは継続販売されているが、焦点距離12mmのレンズは販売終了している。

仕様

項目ウルトラ ワイド ヘリアー12mm 初代2代目3代目ヘリアー ハイパー ワイド10mm
焦点距離(mm)12121210
最大絞り5.65.65.65.6
最小絞り22222222
絞り羽根991010
レンズ構成8群10枚
非球面レンズ1枚
10群12枚10群13枚
最短撮影距離(m)0.3(距離計非連動)0.5
(距離計連動 0.7m)
0.5(VM)
0.3(E)
0.5(VM)
0.3(E)
レンズマウントL39スクリューVMVMVM
レンズ長(mm)38.242.558.458.7
レンズ最大径(mm)50.574.664.867.8
フィルター径(mm)別売フィルターアダプター使用時77mm67装着不可装着不可
フード専用花形フードレンズ組み込みレンズ組み込みレンズ組み込み
重量(g)162230283
350(E)
312
375(E)
リリース年2000.92010.32016.92016.7
価格(定価・税別)105,000(銀色)/108,000(黒色)89,250115,000135,000

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.12.1

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  1. ウルトラ ワイド ヘリアー 12mm II マニュアル PDF ↩︎

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