超広角 ULTRA WIDE HELIAR 12mm L39

超広角 ULTRA WIDE HELIAR 12mm L39

フォクトレンダー・ウルトラ・ワイド・ヘリアー12mm F5.6をEPSON R-D1とLEICA M8で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA M8とEPSON R-D1

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ULTRA WIDE HELIAR 12mm L39は、焦点距離12mmの超広角レンズ。

レンズ構成 8群10枚、最短撮影距離 0.3mとなっている。
レンズマウントはライカL39スクリューマウント、ライカMマウントで使用する場合は、M/L変換リングを用意する。
このの初代12mmレンズはレンジファインダーカメラの距離計に連動しない。

レンズ全長はマウント面からレンズ先端まで38.2mm、フィルターは別売のVOIGTLANDER FILTER ADAPTER FOR 12mm F5.6をレンズ全面に装着することにより77mmフィルターを装着できる。

標準で付属しているフードは、縮緬塗装されている。

2.使用感

ULTRA WIDE HELIAR 12mm L39の描写の特徴は、超広角レンズにもかかわらず歪みが少ないことだ。しかし、APS-Cサイズセンサーでの撮影結果にも周辺減光がみられる。これは画像センサーとの相性もあり、35mmフィルムだと結果はことなるかもしれない。

先述のとおり、35mm判では使用したことが無いレンズで、EPSON R-D1、LEICA M8で使用した。
レンズマウントはL39スクリューマウントなので、L-Mリングを介してカメラに装着していた。

LEICA M8はセンサーサイズが35mm判よりも小さいため、撮影可能範囲は12*1.33=16mmとなるため、CONTAX G用HOLOGAN 16mm/COSINA ZEISS 15mmのファインダーで撮影範囲をあわせていた。
HOLOGAN 16mmのみえの今一なファインダーは水準器がついているのは、超広角レンズでは重宝した。

EPSON R-D1は、撮影可能範囲は12*1.5=18mmとなるため、CARL ZEISSの18mmファインダーを使用していた。こちらのファンダーはクリアーで見栄がよく広角ファインダーの中では出来のよいモノだ。

レンズとレンジファインダーカメラの距離計は連動しないため、目測での使用となる。しかし、絞り開放F値がF=5.6と暗いレンズなので、目測でおおよその距離を合わせる撮影でそれほどピントを外すことはなかった。初代は目測前提の使用だったので猫の写真のように下側からのノーファインダーで使うことも多かった。
目測撮影の結果は、厳密に拡大するとピントが怪しい写真も散見されるが、縮小すればそれほど気にならない。L番程度の印刷も問題はない。

また、ULTRA WIDE HELIAR 12mm のVMマウントとなる2代目からは、レンジファインダーカメラの距離計に連動するように改良された。

それでも、ミラーレスカメラで使用する場合は、現代の高性能EVFによって、距離計連動の有無については気にならなくなり、精密にピントを追い込むことは可能だ。

LEICA M8といえば、UV/IRフィルターの使用が問題になるが、このレンズに関してはUV/IRフィルターの使用は諦めていた、別売のL39版12mmF5.6用 フィルターアダプター、VOIGTLANDER FILTER ADAPTER FOR 12mm F5.6を使用すると77mmのフィルターをレンズ前面に装着できるけれど、せっかくのコンパクトなレンズが台無しになるためこのアダプターは購入しなかった。

3.まとめ

結論としてULTRA WIDE HELIAR 12mm L39をまとめると、コンパクトな超広角レンズ。単焦点レンズで歪み補正はよくされており実用に問題はない。レンズの絞り開放F値が暗いため暗所では手ブレに注意が必要だ。

中古だと安い価格で売られていることもあり、非日常的な焦点距離 12mmを手軽に楽しめるレンズだ。

仕様・考察

初代の12mmはL39スクリューマウントであったが、2代目でMマウントに変更され、3代目までリリースされている。3代目からはSONY Eマウント版も発売され、そちらは最短撮影距離の短縮、レンズ情報のカメラへの伝達など、デジタル時代に対応した改良が図られている。VM版の最短撮影距離も0.5mだ。

VMマウント版はコシナのレンズラインナップの中では、ライカMカメラ用から汎用的なレンズの位置づけとなっている。これは専用マウントを作るほど売れないマイナーなミラーレスカメラでマウントアダプターを経由して使うことを考えている。

このことは、一眼レフ時代は孤高のマウントであったMマウントがユニバーサルマウントの地位を確立するとは、多くの人が想像もしていなかった事態だろう。

2024年現在、焦点距離12mmのレンズは販売を終了し、Voigtlanderの広角レンズは焦点距離10mmのヘリアー・ハイパー・ワイド 10mmとスーパー・ワイド・ヘリアー 15mmの2本立てとなっている。

Before imageAfter image
項目ウルトラ・ワイド・ヘリアー L39 初代ウルトラ・ワイド・ヘリアー VM 3代目ヘリアー・ハイパー・ワイド10mm
焦点距離(mm)121210
最大絞り5.65.65.6
最小絞り222222
絞り羽根91010
レンズ構成8群10枚
非球面レンズ1枚
10群12枚10群13枚
最短撮影距離(m)0.5(距離計非連動)0.5(VM)
0.3(E)
0.5(VM)
0.3(E)
レンズマウントL39スクリューVMVM
レンズ長(mm)38.258.458.7
レンズ最大径(mm)50.564.867.8
フィルター径(mm)別売フィルターアダプター使用時77mm装着不可装着不可
フード専用花形フードレンズ組み込みレンズ組み込み
重量(g)162283
350(E)
312
375(E)
リリース年2000.92016.92016.7
価格(定価・税別)105,000(銀色)/108,000(黒色)115,000135,000

参考情報

更新履歴

  • 2025.7.14
  • 2024.04.02:改稿
  • 2023.09.06:初稿

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