CANON S 25mm F3.5(L39)

L39スクリューマウント・CANON S 25mm F3.5をLEICA M6とFUJIFILM4002で使用したレビューと写真作例
- サイト内広告の詳細はリンクに記載。文中斜め文字リンクは広告リンクで他サイトへ移動する。
目次
ギャラリー
写真作例の撮影はLEICA M6 +FUJIFILM 400を使用した。
レビュー

1.概要
CANON S 25mm F3.5は、1956年にキヤノンが自社のバルナックライカ互換カメラ向けに発売したL39スクリューマウントの標準レンズ。キヤノンではスクリューの頭文字をとってSマウントと称している。
レンズ構成はトポゴンタイプと呼ばれる、対称型のレンズ構成の最後群にフラットなガラスを足している。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 3.5
- レンズ構成 5群5枚
- 絞り羽根 6枚
- 最短撮影距離 1.0m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 1.0m
レンズ構成図はキヤノン・ミュージアム、書籍世界のライカレンズ(P120)に記載がある。書籍にレンズ構成は3群5枚と記載があるが、キヤノン・ミュージアムの表記と図をみるかぎりすべてのレンズが独立しているように見えるため、5群5枚が正しいと考える。
2.使用感
CANON S 25mm F3.5はフィルムカメラだけで使ったのでデジタルカメラでの撮影結果については参考になることがい。フィルムカメラで撮影した結果をみると、F5.6程度に絞って使用していたので、四隅の像の乱れ、周辺減光はほとんどみられず、カラーネガフィルムで色も過不足無く表現されていた。
25mmという焦点距離をレンジファインダーカメラで採用しているのは、広角ファインダーを搭載したVoigtlander BESSA R4A / R4Mと、センサーサイズがAPS-Hと35mm判より小さいデジタルカメラ LEICA M8だけである。それ以外のカメラではファインダー枠が無いため、外付けファインダーの利用が必要となる。
フィルムカメラの場合は広角25mmなのでF8程度に絞っておけばフォーカスレバーを2m程度にセットしておけば、1m程度より遠くは概ねピントがあった状態で撮影できる。この方法だと25mmの外付けファインダーを覗きながら構図だけに集中できる。
外付けファインダーは、LEICAの24mm、Voigtlanderの25mm、CARL ZEISSの25mmファインダーが入手しやすく、製造年が新しいファインダーは見えもよくなっている。
いずれのファインダーも購入して使用した印象では、CARL ZEISS 25mm外付けファインダーがもっともクリアーな視界を提供してくれた。
また、フィルムカメラのアバウトさであれば28mmファインダー枠を持つカメラなら、見えているいっぱいで、24〜25mm相当として撮影することもできる。これはカメラによるので、覗いた範囲を記憶して撮影結果と比べて使えるか確認するしかない。
フィルムカメラは上記でそれほどストレス無く使えるが、デジタルカメラは、撮影結果をモニターで拡大表示をすると、パンフォーカスでもピント位置以外はぼやけた印象になることもあるので、ピント位置はファインダーできっちりとおこなった方がよい。構図はデジタルの場合は取り直しが比較的気軽にできるので、28mmファインダー枠をみながら撮影してもなんとかなる。
3.まとめ
結論としてCANON S 25mm F3.5をまとめると、古いレンズだが対称構成による歪みの少なさと、絞れば解像するためフィルムカメラでは十分に今でも使えるレンズだ。
デジタルカメラに関しては、周辺減光が目立つ場合や、カラーキャストの可能性があるため、試写してから購入を決めるのが無難と考える。
仕様・考察など
焦点距離25mmは現代ではズームレンズの広角端に採用され比較的メジャーな焦点距離となっている。それ以前は単焦点レンズか広角ズームレンズで見られる焦点距離であった。
28mmより広く、21mmよりは狭いという微妙な焦点距離で、レンジファインダーカメラを主に使用していたときは、LEICA ELMARIT M 24mm ASPH.、CARL ZEISS BIOGON 25mm ZM、スナップショットスコパー 25mmなど使用した。
24mmも25mmも微妙な焦点距離なので、カメラにレンズを付けていけば、それにあわせて撮影するが、24mmもしくは25mmでないと困るという場面に出会ったことはなかった。
他のレンズとの組み合わせから、18mm、24mm、35mmという広角3焦点の組み合わせ、25mm、50mm、75mmという広角から望遠までバランスよくという組み合わせなど、所有しているレンズとの兼ね合いで、24mm、25mmを入手するかを考えるのも1つの方法だろう。
項目 | CANON S | Snap Shot Skopar |
焦点距離(mm) | 25 | 25 |
最大絞り | 3.5 | 4 |
最小絞り | 22 | 22 |
絞り羽根 | 6 | 10 |
レンズ構成 | 5群5枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) (距離計連動) | 1 | 0.7(距離計非連動) |
レンズ長(mm) | 15 | 29.5(L39) |
レンズ最大径(mm) | 48 | 49.5 |
フィルター径(mm) | 40 | 39 |
重量(g) | 145 | 90 |
フード | ? | LH-1 |
マウント | L39スクリュー | VL |
リリース年 | 1956 | 1999.2 |
価格(定価・税別) | ¥32,500 | 45,000(銀色)/45,000(黒色) |
参考情報
- キヤノン・ミュージアム25mm F3.5
- 世界のライカレンズ(P120)/CANON 25mm F3.5・Ads by Amazon
- Snap Shot Skopar 25mm F4 ・Shige’s hobby
広告
- キヤノンレンズ・Ads by Amazon
- オールドキヤノン書籍・Ads by Amazon
- 世界のライカレンズ(P120)/CANON 25mm F3.5・Ads by Amazon

更新履歴
- 2025.9.11
コメントを残す