T-A18 14倍ズーム+ペンタックス

AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] MACROをPENTAX K20Dで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はPENTAX K20D
レビュー


1.概要
Tamron AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] MACRO A18は、2007年に発売されたAPS-Cサイズセンサー向け、オートフォーカス(以下、AF)の高倍率ズームレンズ。
タムロン A18の特徴として、18mm~250mmの約14倍の広い焦点距離をもつことと、使用しているカメラがPENTAX K20Dなので、表題を「14倍ズーム+ペンタックス」としている。
レンズの詳細な仕様は表に載せているが、主な仕様を抜粋すると以下の通りである。
- 焦点距離 18mm~250mm
- 絞り開放値 F3.5~6.3
- 絞り羽根 7枚
- 最短撮影距離 0.45m
- フィルター径 62mm
- フード 専用花形(プラ製のはめ込み)
2.使用感
タムロン A18は広角18mmから望遠250mmをカバーし、PENTAXのAPS-Cセンサー(センサー倍率 x1.5)で撮影すると、35mm判換算で27mm〜425mm相当のズームレンズとなる。
このレンズの総評かとしては、レンズ本体も軽くコンパクトで、撮影結果にも大きな不満はないため、カメラ荷物を減らしたい場合には有効な選択肢になる。
初期の高倍率ズームは撮影画像の質に難のあるレンズもあったが、このレンズは通常の使用には不満の無いレベルで補正されており、直線の被写体が周辺部にこなければ歪みを感じることはなく、画面全体で解像度不足を感じることもほとんどない。
広角端の18mm(27mm相当)は2020年代の標準である広角端24mmと比べると若干広さが足りないが、望遠端の焦点距離250mm(425mm相当)は月もそれなりの大きさで撮ることができる。
もっとも歪みが気になるのは、広角端の近接撮影で直線基調の被写体を撮影する場合だ。
K20Dでこのレンズを使うとき、JPG画像も歪みは自動的に補正されないため、撮影後の画像に後処理で歪み補正をすることになる。
RICOHイメージングのサイトを見るかぎり、K20Dの画像歪みを補正するソフトウェアを配布していないようだ。タムロンは自社レンズの補正プロファイルを配るようなこともしていないようだ。
有償のソフトウェアになるが、個人的に普段利用しているAffinity Photo2は、K20DとAF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] MACROの補正プロファイルがあるため、歪みを補正することが可能である。
下の画像は左が歪み補正オフで右側が歪み補正オン。


CaptureOne、Silypix、Adobeなどのソフトウェアにもレンズ補正プロファイルはあるかもしれないが、ソフトウェアを所有していないため不明である。
ズームは2段伸張で、広角端にあるレンズロックをしていないと、レンズが下を向いたとき重力に逆らえずレンズが伸びる。
焦点距離250mmをカバーする望遠レンズだが、レンズ重量は450gと非常に軽く仕上がっている。レンズ部品にエンジニアリングプラスチック(通称、エンプラ)を多く採用しているためで、軽量なレンズほどエンプラの使用量が多いと推測される。
3.付加情報
A18は2007年に発売されたレンズで、2025年現在中古レンズは格安で売られているが、当時は画期的レンズであったこが、ライバルのシグマレンズとの比較からわかる。
シグマが同時焦点距離の高倍率ズームレンズを発売するのは2009年、タムロンから遅れること2年にもかかわらず、定価で1.5万円程度高く、重量は1.5倍、全長は15mm長いため、大きく重いレンズとなっている。
この差はシグマがレンズ性能を重視した結果の可能性もあるが、2012年に最短撮影距離を0.35mに縮めたMacroバージョンを発売するときに、タムロンと同じカラス16枚に削減し、全長を3mm長く、重量を30g重い程度にまでコンパクトに変更したことをみると、2009年のレンズは過剰な作り込みであったか、このようなレンズを求める層がわずかな性能の違いよりも、軽さと安さを求めていることを把握していなかった、マーケティングの失敗ということも考えられる。
高倍率ズームは、35mmフィルムの頃は、28-300mmの10倍高倍率ズームレンズが一般的な高倍率ズームの焦点距離域として長く君臨してきた。
低価格デジタル一眼レフカメラが大量に供給されるようになると、それらのカメラが積んでいるAPS-Cサイズセンサー(以下、APS-C)はセンサーサイズが35mmフィルムよりも小さく焦点距離が1.5倍になるため、28-300mmは42-450mm相当となり、望遠側は有利だが広角側が物足りなくなった。
そのため、サードパーティーレンズを供給しているタムロンとシグマは、APS-Cサイズセンサー向けに18-200mm(35mm判換算 27-300mm)の約10倍ズームレンズを供給してきた。その後、高倍率望遠ズームレンズの望遠端は250mm、270mm、300mmと焦点距離を伸ばす方向へ進化している。
仕様
レンズ名 | A18 AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] MACRO | 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM | 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM |
焦点距離(mm) | 18~250 | 18~250 | 18~250 |
最大絞り | 3.5~6.3 | 3.5~6.3 | 3.5~6.3 |
最小絞り | 22~45 | 22 | 22 |
絞り羽根枚数 | 7 | 7 | 7 |
レンズ構成 | 13群16枚 | 14群18枚 | 13群16枚 |
最短撮影距離(m) | 0.45 | 0.45 | 0.35 |
レンズ長(mm) P-Kマウント | 85.3 | 101 | 88.6 |
レンズ最大径(mm) | 74.4 | 79 | 73.5 |
フィルター径(mm) | 62 | 62 | 62 |
フード | 花形フード | H680-04 | H680-04 |
重量(g) | 449 (P-Kマウント) | 630 (SIGMA-SA) | 470 (SIGMA-SA) |
マウント | キヤノン EF マウント ニコン F マウント ソニー A マウント ペンタックス K マウント | シグマ SA マウント キヤノン EF マウント ニコン F マウント ソニー A マウント ペンタックス K マウント | シグマ SA マウント キヤノン EF マウント ニコン F マウント ソニー A マウント ペンタックス K マウント |
製造年 | 2007年~2010年 | 2009年〜 | 2012年〜 |
価格(¥、税別) | 71,429円 | 85,700円 | 88,000円 |
参考リンク
- AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] MACRO・TAMRON 公式ページ
- SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC (OS)* HSM・Web Archive
- SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC (OS)* MACRO HSM・Web Archive
更新履歴
- 2025.3.9
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