PANASONIC LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4

フォーサーズマウント PANASONIC LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.(L-X025)のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影カメラはOLYMPUS OM-D E-M1を使用した。
レビュー


1.概要
PANASONIC LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4はパナソニックがライカDブランドで発売した、大口径・標準レンズ。F1.4の明るさをもち、レンズ鏡筒 60.8mm、全長 52mmのサイズで定価は12万円だ。
Dブランドは、デジタルの意味で、ライカブランドとして、初めて正式にデジタルカメラに対応したレンズとなる。製造はパナソニックがおこなっており、「ライカカメラ社の品質基準に基づき、ライカカメラ社が認定した測定機器と品質保証システムによって生産されています。」とのことだ。
レンズは電気駆動なのであまり意味はないが、プラスチックカバーに被われた距離計メモリを装備し、絞り環とフォーカスリングを備えている。
レンズの意匠は、一眼レフカメラでは絞り環は付け根にあることが多いが、レンジファインダーカメラ用レンズを模しているようでレンズ先端部分に絞り環がある。しかし、この絞り環は電気的な機構で動作しており、パナソニックのフォーサーズカメラボディかライカブランドのフォーサーズカメラボディのみ有効で、オリンパスカメラボディではこの絞り環は機能しない。せっかくの絞り環がオリンパスボディで利用できないのはツメの甘さを感じる。
明るい単焦点レンズである、D ズミルックスはレンズ側に手ぶれ補正機構は搭載していない。
その理由は一般的に言われることと同じになるが、焦点距離が25mmと広角側で手ぶれの影響が少ない、レンズの絞り開放F値が明るい、レンズ側に手ぶれ補正機構を搭載するとレンズ鏡筒が大きくなる、などだろう。
パナソニックはライカDレンズとして全4本のレンズをリリースしているが、このレンズを除く3本のズームレンズはレンズ側に手ぶれ補正機構を搭載している。
2.使用感
PANASONIC LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4をOLYMPUS E-M1(マイクロフォーサーズカメラ)で使用したかぎり、オートフォーカス(以下、AF)の合焦速度、合焦精度に大きな問題はなかった。マニュアルフォーカス(以下、MF)におけるフォーカスリングの動きは、AFレンズ特有のトルクのない、よく言えばスムーズ、MFレンズに慣れている撮影者にとってはスカスカしている。AF中にフォーカスリングでの割り込みは可能だが、AF/MFの切り替えはボディ側からおこなう。
写りは、センサーサイズのためか、球面ズミルックス M 35mmのような周辺が暴れるようなことはなく、全体的に端正に写る現代的なレンズになっている。逆光時に大きな破綻を感じることもなかった。
D ズミルックス 25mmはマイクロフォーサーズボディのOLYMPUS E-M1を購入した際に、標準レンズとして所有するレンズを検討したところ、フォーサーズレンズの中古値崩れがはじまっており、マウントアダプターMMF-2と一緒に購入しても、マイクロフォーサーズ専用レンズとほぼ同等の価格だったため購入した。
それなりの大きさのあるOLYMPUS E-M1に装着すると、まずまずのボディとカメラのバランスとなる。
フォーサーズシステムには、単焦点レンズで35mm判換算50mmとなるレンズはこのレンズしかないが、少し古い35mmフルサイズの50mm F1.4よりも大きなレンズで、フォーサーズシステムの理念の一つであった、小サイズセンサーを生かしたコンパクトなカメラシステムという思想からは外れたレンズだ。
その反省を踏まえてか、マイクロフォーサーズ向けのLEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.は、体積を3割減らして重量は半減している。その影響で距離計目盛りと絞り環は無くなっている。
3.まとめ
結論としてPANASONIC LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4をまとめると、大きめのカメラボディにマッチするレンズで、フォーサーズカメラ・LEICA DIGILUX3とはよく似合う。
描写は古いSUMMILUX M 35mmのように暴れることはなく、端正で現代的な写りをする。
仕様・考察など
ライカのフォーサーズカメラシステムは、カメラボディは2006年11月に発売したDIGILUX 3の1台のみ、レンズはズームレンズ3本と単焦点レンズ、D SUMMILUX 25mm F1.4の1本だけで、計4本のみとなる。
また、オリンパスのフォーサーズシステム、レンズラインナップはズームレンズ主体で、単焦点レンズは35mm、50mmのマクロレンズ2本とスナップ用の25mmパンケーキレンズ、8mm魚眼レンズ、300mm望遠レンズの5本と寂しい。
このように、フォーサーズシステムは単焦点レンズを充実させる前にシステムが終了してしまった。
ライカのフォーサーズシステムカメラはパナソニックとの連携から生まれたプロダクトだが、ボディ1台で終わっていることからもわかるようにあだ花で終わった感は否めない。そもそもフォーサーズシステム自身があだ花的な立ち位置とみられるため、ライカが早々に見切ったのは正しい判断だろう。
ライカのフォーサーズシステムはボディ、レンズ共に強気の価格でリリースされたシステムだったが、レンズは2020年頃の底値から2024年は少し戻している。ボディは引き続き下落傾向が続いている。
レンズマウントを支えるカメラボディは、パナソニックのフォーサーズカメラは2007年のDMC-L10が最後で、後継となるマイクロフォーサーズの初号機DMC-G1を2008年10月にリリースして、オリンパスに先んじてマイクロフォーサーズにシフトしている。
かたやオリンパスはマイクロフォーサーズの初号機E-P1を2009年7月二リリースし、そのあとの2010年10月にフォーサーズカメラ・E-5がリリースした、コンシューマはマイクロフォーサーズ、プロ&マニア向けハイエンドはフォーザーズと棲み分けを試みたが、熱心なフォーザーズユーザーを数年惑わせたが時代の流れには逆らえず、ミラーレスカメラのマイクロフォーサーズに移行していった。
そのマイクロフォーサーズカメラについても先行きは怪しく、オリンパスから切り離されたOMデジタルソリューションズは、小資本の悲しさか新ボディ、新センサーの開発費用も無いようで、従来カメラを焼き直したカメラを細々とリリースしている。パナソニックもコンシューマ向けはライカの提唱するLマウントにシフトしており、マイクロフォーサーズにリソースを割いているようには見られない。
ライカはマイクロフォーサーズ規格に乗ることはなく、2014年11月発売される独自仕様のライカ Tまでオートフォーカス搭載のレンズ交換式デジタルカメラについては音沙汰がなかった。それは2006年に発売したM型デジタルカメラ、ライカ M8シリーズがそれなりに売れたため、他のカメラシステムに注力する必要性がなかったことが原因の一つと思われる。
レンズ名 | D SUMMILUX 25 L-X025 | DG SUMMILUX 25(I) H-X025 | DG SUMMILUX 25(II) H-XA025 | ルミックス G 25mm/ F1.7 H-H025 |
焦点距離(mm) | 25 | ← | ← | ← |
最大絞り | 1.4 | ← | ← | 1.7 |
最小絞り | 16 | ← | ← | 22 |
レンズ構成 | 9群10枚 | 7群9枚 | 7群9枚 | 7群8枚 |
絞り羽根枚数 | 7 | 7 | 7 | 7 |
最短撮影距離(m) | 0.38 | 0.3 | 0.3 | 0.25 |
レンズ長(mm) | 75 | 54.5 | 54.5 | 52 |
レンズ最大径(mm) | 77.7 | 63 | 63 | 60.8 |
フィルター径(mm) | 62 | 46 | 46 | 46 |
重量(g)(レンズのみ) | 510 | 200 | 205 | 125 |
マウント | フォーサーズ | マイクロ・フォーサーズ | マイクロ・フォーサーズ | マイクロ・フォーサーズ |
リリース年 | 2007.3.24 | 2011.7.22 | 2019.10.17 | 2015.10.23 |
定価(円・税別) | 120,000 | 70,000- | 75,000- | 37,000- |
参考情報
- Panasonic公式ページ
- LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH .
- LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH .
- LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 Ⅱ ASPH.
- LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.
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更新履歴
- 2025.8.24
- 2024.11.1
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