コンパクトマクロ APO LANTHAR SL 90mm F3.5

SIGMA SD15,SONY α900,PENTAX K20DでVoigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5を使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。
レビュー

1.概要
Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5は、2002年にコシナからフォクトレンダーSLブランドでリリースされたレンズで、レンズ名称にマクロはないけれど0.5mまで近接撮影が可能な中望遠レンズ。
主な仕様はレンズ構成は5群6枚、最短撮影距離は0.5m、絞り羽根は9枚、フィルター径は49mm、レンズ前方にねじ込んで装着する。
レンズフードは丸形フード(LH-75S)、角形フード(LH-75)の2種類が装着できる。
このフードはCOLOR HELIAR 75mm、APO LANTHER 90mm、APO LANTHER 180mmで共通している。
2.使用感
Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5はM42版を購入して、SIGMA SD9、SIGMA SD10、SIGMA SD15、SONY α700、SONY α900、PENTAX K20Dなどで使用した。
作例にも使用した、SIGMA SD15ではこのレンズは抜群のキレを見せる。色分離のよいFOVEONセンサーとアポクロマートのこのレンズの相性は抜群に思える。
SONY α900の2400万画素フルフレームセンサーにも十分対応できる。
最後に、PENTAX K20DはM42レンズを快適に使うために購入したが、結局、M42レンズは電子接点がないため、カメラとの通信が出来ないことは他のカメラと変わらなかった。
APS-Cサイズセンサーを搭載していることもあり、ファインダーの見えもα900シリーズには及ばないため、このレンズとあと数本使っただけで早々に売却してしまった。
これを書いている今思うと、コンパクトで50cmまで寄れる90mmレンズはなかなか使い勝手のよいレンズだった。
このレンズをあまり使わなかったのは、マクロ撮影をするならばMacro APO LANTHER 125mmが寄れるため便利、スナップ的に使うのであればULTRON 40mm、COLOR HELIAR 75mmを使うことが多かったためだ。
3.まとめ
結論としてVoigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5をまとめると、コンパクトな中望遠マクロレンズだ。
レンズ性能は申し分なく、2400万画素レベルのカメラだと十分に使える。このレンズはマイナーチェンジをしながら何度か発売されているため、入手難易度はそれほど高くない。興味があれば使ってみるとよいレンズだと実感できる。
仕様・考察など
Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5はコシナ・フォクトレンダー・SLシリーズの焦点距離90mmは、2010年に本レンズの後継としてクローズアップレンズが同梱されたSLII、2023年現在はレンズコンセプトを完全に見直したアポ・スコパーの名前で販売されている。アポ・スコパーは従来のマクロレンズ路線を捨てて可搬性に重きを置いた、全長41mmのコンパクトなレンズとなっている。
項目 | APO LANTHAR 90mm | APO LANTHAR 90mm | APO SKOPAR 90mm |
焦点距離(mm) | 90 | ← | ← |
最大絞り | 3.5 | ← | 2.8 |
最小絞り | 22 | ← | ← |
絞り羽根 | 9 | ← | ← |
レンズ構成 | 5群6枚 | ← | 7群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | ← | 0.9 |
オプション・クローズアップレンズ | なし | あり (0.5-0.32) | なし |
レンズ長(mm) Nikon Ai-Sマウント | 57.6 | 48.2 | 41 |
レンズ最大径(mm) | 63.5 | 63 | 66.3 |
フィルター径(mm) | 49 | 52 | ← |
レンズマウント | 多くの一眼レフカメラ | ニコン Ai-S ペンタックスKA キヤノンEF | ニコン Ai-S |
CPU内蔵(Nikon Ai-S) | なし | あり | あり |
重量(g) | 390 | 320 | 260 |
鏡筒色 | シルバー +ブラック | ブラック | ブラック リム色・ブラックかシルバー |
レンズフード | 専用バヨネットフード LH-75S LH-75 | ネジ式ドーム型フード | LH-90IIs |
備考 | 鏡筒・レンズ構成変更 | ||
リリース年 | 2002.03 | 2010.05 | 2021.11 |
定価 | ¥55,000 | ¥55,000(Ai-S,KA) ¥58,000(EF) | ¥68,000 |
本レンズと同時期にリリースされたSLレンズは以下の7本である。
12mmと15mmはミラーアップして使用するレンズなので一般的な撮影に向いていない。実質40mmからはじまるレンズシリーズとなっている。後のSL IIシリーズでCOLOR SKOPAR 20mm、COLOR SKOPAR 28mm、NOKTON 55mmとAuto Topkor 58mmを変更したNOKTON 58mmが追加され焦点距離のバリエーションが増える。
- ウルトラ・ワイド・ヘリアー 12mm(ミラーアップ専用)
- スーパー・ワイド・ヘリアー 15mm(ミラーアップ専用)
- Ultron(ウルトロン) 40mm
- COLOR HELIAR(カラー・ヘリアー) 75mm
- APO LANTHAR(アポ・ランサー) 90mm
- Macro APO LANTHAR(マクロ・アポランサー) 125mm
- APO LANTHAR(アポランサー・アポランター) 180mm
- 以下は初期にリリースされたコシナのフォクトレンダーブランド、一眼レフ向けレンズのリスト、15mmと12mmの2本は、ミラーアップして使う特殊レンズなので下表からは除外している。
項目 | ULTRON | COLOR HELIAR | APO LANTHAR | Macro APO LANTHAR | APO LANTHAR |
焦点距離(mm) | 40 | 75 | 90 | 125 | 180 |
最大絞り | 2 | 2.5 | 3.5 | 2.5 | 4 |
最小絞り | 22 | ← | ← | ← | ← |
絞り羽根 | 9 | ← | ← | ← | ← |
レンズ構成 | 5群6枚 | ← | ← | 9群11枚 | 7群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.4 | 0.7 | 0.5 | 0.38 | 1.2 |
レンズ長(mm) | 29.5(Ais) | 40.2(Ais) | 57.6(Ais) | 88.2(Ais) | 79(Ais) |
レンズ最大径(mm) | 63.5 | ← | ← | 76 | 65.6 |
フィルター径(mm) | 52 | 49 | ← | 58 | 49 |
重量(g) | 255 | 250 | 390 | 690 | 485 |
リリース年 | 2002.05 | 2000.07 | 2002.03 | 2001.06 | 2003.08 |
定価 | ¥45,000 | ¥50,000 | ¥55,000 | ¥95,000 | ¥65,000 |
参考情報
- Voigtlander-SL-product-PDF
- APO SKOPAR 90mm
- Voigtlander ULTRAN 40mm・Shige’s hobby
- Voigtlander COLOR HELIAR 75mm・Shige’s hobby
- Voigtlander Macro APO LANTHER 125mm・Shige’s hobby
- Voigtlander APO LANTHER 180mm・Shige’s hobby
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更新履歴
- 2025.8.16
- 2024.03.28:改稿
- 2023.11.09:初稿
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