Voigtlander ULTRON SL 40mm F2
フォクトレンダー・ウルトロン 40mm F2 SL Aspherical のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- FUJIFILM S3Pro
レビュー
ウルトロン40mmは、コシナが一眼レフ(以下、SL)用にリリースした最初のフォクトレンダー・ブランドのレンズ。
同時期にリリースされたSLレンズは以下の7本である。
- ウルトラ・ワイド・ヘリアー 12mm(ミラーアップ専用)
- スーパー・ワイド・ヘリアー 15mm(ミラーアップ専用)
- Ultron(ウルトロン) 40mm
- COLOR HELIAR(カラーヘリアー) 75mm
- APO LANTHAR(アポランサー) 90mm
- Macro APO LANTHAR(マクロ・アポランサー) 125mm
- APO LANTHAR(アポランサー・アポランター) 180mm
ミラーアップ専用の2本以外はレンズデザインが統一されており、黒い鏡筒にフォーカスリングにシルバーのアクセントを入れたデザインは、クラシックとモダンが同居したデザインで好ましいと思う。
ただし、長焦点レンズはフォーカスリングが根元過ぎるのは操作性に問題を感じる。
レンズマウントは多彩でM42、ニコンAi-S、キヤノンEOS、ミノルタ(ソニー)α、Pentax-K、Yashica Contax、オリンパスOM、ミノルタMD、キャノンFDなどがある。レンズは電子接点をもたずカメラ鏡筒は共通でマウント部だけ取り替えている。絞りは実絞りでマニュアルフォーカスで使用する。
5群6枚のガウス型レンズで、後端のレンズに非球面レンズを採用している。
バヨネットのフードが二種類リリースされており、円筒型(LH-40S・上写真2枚目)と半球から四角をくりぬいたような形状(LH-40D)の二種類がある。
レンズ名のウルトロンは、過去のオリジナルULTRONのレンズスペックが50mm F2で、コシナ・フォクトレンダーレンズは焦点距離は無視して、開放F値が2付近のレンズにウルトロンブランドを用いている。
最初にM42マウント版を手に入れて、マウントアダプター経由でソニー α700、ミラーレスカメラのパナソニック LUMIX GF1、ソニー NEX-5などで使用していた。その後、フジフィルム FINEPIX S3Proで使うためにNikonマウント版を入手した。
フォーカスリングは幅が狭く若干の柄づらさを感じるが、それほど問題にはならない。
APS-Cセンサーカメラで使用すると、35mm判換算で焦点距離60mmとなり少し長めの標準レンズとなろ。その描写は周辺部分まで解像し問題なく、ボケ見も素直で嫌みがない。
それほど価格は上がっていないため、いずれ三度入手したいと思っている。
本レンズは2002年のリリースから外観と対応マウントを変更しながら現在も販売されている息の長いレンズだ。このレンズは似たような名称で繰り返しリリースされているため、変遷がなかなか追いづらいので以下、仕様に違いをまとめた。情報はコシナ公式サイト、配布されたリーフ(PDF)などから情報をまとめて転載している。
リリース順としてはSL、SLII、SLIIN、SLIIS or Bとなり、主な違いは以下の通りである。
- SLは電子接点を持たない完全なマニュアルレンズ
- SLIIはゴムローレットがちょっとチープな改良型、レンズマウントが整理され、ニコンAi-S(CPU対応)とペンタックスKAマウントに対応し専用クローズアップレンズが付属
- SLIINはニコンAi-S(CPU対応)とキヤノンEOS(電子接点あり)マウントに対応し専用クローズアップレンズが付属
- SLIIS or Bは、鏡筒が一新され大柄になったが、最短撮影距離がレンズ単体で0.25mに短縮
仕様
項目 | ウルトロン SL | SL II | SL II N | SL IIS /SL IIB |
焦点距離(mm) | 40 | ← | ← | ← |
最大絞り | 2 | ← | ← | ← |
最小絞り | 16 | 22 | ← | ← |
絞り羽根 | 9枚 | ← | ← | ← |
レンズ構成 | 5群6枚 | ← | ← | ← |
最短撮影距離(m) | 0.4 | 0.38 | ← | 0.25 |
オプション・クローズアップレンズ | なし | あり (0.45-0.25) | ← | なし |
レンズ長(mm) Nikon Ai-Sマウント | 29.5 | 24.5 | ← | 37.5 |
レンズ最大径(mm) | 63.5 | 63 | 63.6 | 66.3 |
フィルター径(mm) | 52 | ← | ← | ← |
レンズマウント | 多くの一眼レフカメラ | ニコン Ai-S ペンタックスKA キヤノンEF | ニコン Ai-S キヤノンEF | ニコン Ai-S |
CPU内蔵(Nikon Ai-S,EOS) | なし | あり | ← | ← |
重量(g) | 255 | 200 | 180 | 260 |
鏡筒色 | シルバー +ブラック | ブラック | ブラック | ブラック リム色・ブラックかシルバー |
レンズフード | バヨネット式フード LH-40S LH-40D | ネジ式ドーム型フード | ← | 丸型ネジ式フード LH-40IIS |
備考 | – | ゴムローレット | – | 鏡筒が大型化 |
リリース年 | 2002.05 | 2007.11.17(Nikon) 2007.12(Pentax) 2009.11(CANON) | 2012.7.14 | 2017.9.7 |
希望小売価格(税別) | 45,000円 | 50,000円 | 53,000円 | 60,000円 |
- 以下は初期にリリースされたコシナのフォクトレンダーブランド、一眼レフ向けレンズのリスト、15mmと12mmの2本は、ミラーアップして使う特殊レンズなので下表からは除外している。
項目 | ULTRON | COLOR HELIAR | APO LANTHAR | Macro APO LANTHAR | APO LANTHAR |
焦点距離(mm) | 40 | 75 | 90 | 125 | 180 |
最大絞り | 2 | 2.5 | 3.5 | 2.5 | 4 |
最小絞り | 16 | 22 | ← | ← | ← |
絞り羽根 | 9 | ← | ← | ← | ← |
レンズ構成 | 5群6枚 | ← | ← | 9群11枚 | 7群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.4 | 0.7 | 0.5 | 0.38 | 1.2 |
レンズ長(mm) (Nikon Ai-S) | 29.5 | 40.2 | 57.6 | 88.2 | 79 |
レンズ最大径(mm) | 63.5 | ← | ← | 76 | 65.6 |
フィルター径(mm) | 52 | 49 | ← | 58 | 49 |
重量(g) | 255 | 250 | 390 | 690 | 485 |
リリース年 | 2002.05 | 2000.07 | 2002.03 | 2001.06 | 2003.08 |
定価 | ¥45,000 | ¥50,000 | ¥55,000 | ¥95,000 | ¥65,000 |
参考文献・参考リンク
- Cosina Voigtländer from Camera wiki
- Voigtlander-SL-product-PDF
- Photo Yodobashi Voigtlander ULTRON 40mm F2 SL II N ASPHERICAL
更新履歴
- 2024.03.28:改稿
- 2022.11.20:初稿
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