SIGMA DP1 / DP1s / DP1x
シグマ製コンパクトデジタルカメラ・DP1 / DP1s / DP1x のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
DP1シリーズは、第2世代Foveonセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ。
デジタル一眼レフカメラのSD14 / SD15と同じセンサーを積んでいる。記録画素数は450万画素 x3で実画素は450万画素だが、JPEG記録とSIGMA PhotoProでは画素を合成してより高画素の出力もできる。
DP1とDP2の違いはレンズだけで、DP1が16.6mm、DP2が24.2mmのレンズを積んでいた。
発売前はとても期待したカメラだったが、無印DP1はとても動作が遅いカメラでカメラとして基本性能が初期のデジカメのようで使用には忍耐を要求された。
代表的な問題点としては、シャッターラグが大きい、液晶の追従性が悪い、オートホワイトバランスがいいかげん(Rawで撮れば後調整は可能)、バッテリーライフが短い、ISO感度を上げられない、手ぶれをしやすいなどがある。
Foveon特有のキレのある画像は、晴天下の光量のあるところで撮影した結果は今見ても十分に通用すると思うが、このカメラを使っていた当時メインの被写体としていた猫にDP1を向けてみたが悲しい結果しか得ることができなかった。
通常、猫は素早く動き、暗いところを好むなど、DP1殺しのシチュエーションが多く、昼間の日向で寝ている猫くらいしか撮れなかった。
こんなにコンパクトなカメラなのに、フィルム時代のRICOH GR1のようにカメラのコンパクトさを活かしてストリートスナップをするような用途には残念ながらまったく使えない代物だった。
よって、DP1は筆者にとっては落ち着いて風景をじっくり撮る用途でしか出番がなかった。しかし、それならば一眼レフを持ち出すほうがよい結果が得られるという矛盾を抱えることになる。
カメラの不良品も多く、時期によってはDP1を修理に出すとDP1xになって返ってくるという話も見聞きした。最初のDP1にせめてTrue IIを積んで、DP2シリーズとインターフェースを揃えた状態でリリースすれば、プロダクトの印象はそれほど悪くなかったと思うが、初代DP1 / DP2はリリース時期を煮詰めることができないシグマのやらかした歴史の一つだと感じる。デジタル一眼レフカメラのSD1でもリリース価格で煮詰めを誤った判断をして失敗していることも似たような事象だろう。
この時代にコンパクトデジカメのサイズにほぼAPS-Cセンサーを突っ込んだカメラをリリースしたことは素直に賞賛する。APS-Cクラスのセンサーを積んだカメラではライカX1が2009年、RICOHのGRが2013年発売であるため、2008年リリースの本カメラの先進性は際立っている。
筆者はDP1購入後にあきれて売り払ったが、その後DP1のマイナーバージョンアップ版DP1sはパスして、最終形のDP1xを入手した。Dp1xは画像処理チップがTrue IIになり、少しだけましなカメラになっていたが、DP1リリースから2年の時を経過してもそれほど使える代物にはならなかった。当時のシグマにはコンパクトデジタルカメラを成立させる基本的な要素技術が足りていなかったと思われる。
初代DPシリーズは発売から少したつとアウトレットのような形で中古市場に商品が流れ比較的安く買えた。2024年現在中古価格は上昇気味であるが、現在はシグマにて修理受付もされていないので、壊れたらおしまいとなっている。
仕様
項目 | DP1 | DP1s | DP1x |
カメラ有効画素数 | 有効画素:約1,406万画素 (2,652×1,768×3層) | ← | ← |
焦点距離 | 16.6mm F4 (35mmカメラ換算:28mm相当の画角) | ← | ← |
レンズ構成 | 5群6枚 | ← | ← |
撮像素子 | FOVEON X3®(CMOS)・20.7×13.8mm | ← | ← |
画像処理 | True | ← | True II |
背面液晶 | 2.5型・23万ドット | ← | ← |
ファインダー | なし | ← | ← |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー(BP-31) | ← | ← |
外形寸法(mm) | 幅 x 高さ x 奥行 113.3mm × 59.5mm × 50.3mm | ← | ← |
重量(g) | 約250g (電池、メモリーカード除く) | ← | ← |
リリース年 | 2008年3月3日 | 2009年10月10日 | 2010年9月30日 |
価格 | 10万円(Open) | 54,800(Open) | 72,800(Open) |
オプション
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参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.02.12:改稿
- 2023.01.01:初稿
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