SIGMA X3F RAW現像

<Affinity Photoとは>
Affinity PhotoはMac / Windows / iPadで使用できる画像編集ソフトで、Raw現像機能を備えている。
このRaw現像機能は、SIGMAのSD(SD9/ SD10/ SD14/ SD15/ SD1/ SD1 Merrill/ SD quattro/ SD quattro H)、DP(DP1,2,3/DP1,2,3Merrill/dp0,1,2,3 quattro)シリーズで使われるX3Fに対応している。
2023年現在、Affinity Photo2がリリースされているが、Raw現像に関しては違いが無いと思われる(Affinity Photo2はリリースされたとき1ヶ月試用してみたが、自分の使い方では旧版と明確な違いを感じることができなかったので、アップデート契約をしなかった。)。

<結論>
SPPは動作が重く不安定なことがあるが、サムネイルによるフォルダ内の画像を一覧で表示し、そこから処理するファイルを選択して現像するため、1つのソフトで一貫した処理が可能である。
デフォルトかAuto処理後に少し補正すると、見栄えのよい画像をつくることができる。
現像フォルダが元フォルダと常に同じなど、細かい不満はたくさんあるが、フリーで提供されるため、これがあれば費用不要でなんとかなる。

Affinity Photoは現像に特化しているため、フォルダ内の画像を一覧で表示することができない。よって、X3Fしか記録しないユーザーはファインダーやエクスプローラーも通常はサムネイル画像が表示されないため、SPPを起動してフォルダ内の画像一覧を表示して、ファインダーやエクスプローラーから目的のファイルをドラッグアンドドロップで現像するスタイルになる。一つのソフトで完結できない不便さはあるが、ソフトウェアの安定性は高く、操作性は普段からAffinityを使用している慣れの問題もあるが使い易いと感じる。
Affinity Photoのデフォルト設定は素材感が強いため、設定をいろいろ変えたくなるが、途中で偽色発生で破綻することもあり、調整のバランスはSPPより難度が高いと感じるが、設定を追い込めば好みの画像になる。
それほど価格が高いソフトではないので、Foveonユーザーであれば一本持っておいて損は無いと思う。

<現像結果の比較>
難物なX3Fの画像処理ができる貴重なソフトなので、SPP6.8.3と現像結果について比較した。
以下の図はAffinityは現像エンジンにAppleエンジンを使用し、SPP6.8.3は撮影時のデフォルト(Autoは使用していない)で現像した結果をキャプチャし縮小した。

<DP3 MerrillのRaw-X3F>
撮影時のパラメータは、以下の通りである。

デフォルト設定を比較すると、SPPのデフォルトは飽和気味(右側全体)であり、猫の赤みが強く、描写はシャープだと感じる。Affinityは露出状態はよいがマイルドで眠い感じがする。

Affinity 1.0デフォルト

SPP6.8.3デフォルト

SPPが飽和しているので、SPPの露出を-0.8してみた。
SPPの右下葉っぱのディティールがあらわれてくる。あわせて黒が締まってくる。

Affinity 1.0デフォルト

SPP6.8.3 露出-0.8

猫のおでこを拡大してみたところ、SPPの黒が濃いこととシャープネスが高いことが確認できる。

Affinity 1.0デフォルト・拡大

SPP6.8.3 露出-0.8・拡大

Affinityのシャープネス50%増しにしてみた。シャープネスよりも黒のしまりが気になる。

Affinity 1.0シャープネス+50%・拡大

SPP6.8.3 露出-0.8・拡大

Affinityの黒点を7%に変更、拡大すると偽色が気になるところが出てきた。

Affinity 1.0シャープネス+50%、黒点7%

SPP6.8.3 露出-1.5・拡大

SPPはFoveonの特徴となるシャープネスの上げ方と偽色の抑え方にノウハウがあるように感じる。
Affinityでも同様に追い込むことはできるような気がするが、一度決めたパラメータが汎用的に使えるかは研究が必要と考える。また、時間のあるときに別画像で比較したいと考えている。

<参考リンク>

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