SONNAR of CANON 50mm F1.5

SONNAR of CANON 50mm F1.5

CANON L39スクリューマウント・50mm F1.5をデジタルM型ライカで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はEPSON R-D1、LEICA M8、LEICA M9

レビュー

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1.概要

CANON 50mm F1.5は、キヤノンが自社のバルナックライカ互換カメラ向けに発売したL39スクリューマウントの標準レンズ。キヤノンではSマウントと称している。

この50mm F1.5はカール・ツァイス・ゾナーをベースに設計されたレンズであり、世界のライカレンズPart2(P44)/CANON 50mm F1.5にあるレンズ構成図を見るとよくわかる。

レンズ名はCANONとSerenarの二つがあるが、どちらも同じレンズである。

レンズの主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。

  • レンズ構成は3群7枚
  • 最短撮影距離は1.0m
  • レンジファインダーカメラの距離計連動は1.0m
  • 絞りはF1.5~16
  • 絞り羽根は13枚
  • フィルターとフードは40mm径のネジ込み式

2.使用感

CANON 50mm F1.5は、所有していたレンズは比較的状態が良く、作例を見てもわかるとおり、ピント位置の解像感のよさと、ピント位置の前後ともに嫌み無くなめらかにぼけていく様子が確認できる。
デジタルカメラで撮影していることもあり、ほぼすべての作例が絞り開放で撮影した結果だ。

このレンズも70年以上経過した古いレンズなので、レンズ面に傷、バルサム切れによる曇りが見られるレンズも多い。しかし、美品レンズはオールドな50mmレンズにしては高い価格がついている。それでも、外観が美品のレンズはシルバーが輝いており写欲をそそる。

3.まとめ

CANON 50mm F1.5をまとめると、クラシックなゾナーをほぼ再現している標準レンズ。レンズ状態が良ければゾナーの写りを手軽に楽しめる。

仕様・レンズ比較

CANON S 50mmとCarl ZeissのC SONNARを比較すると、後群の3枚はほぼ同じ形状をしている、しかし、CANON S 50mmは中郡も3枚の貼り合わせであるのに対して、C SONNARは2枚の独立したレンズとなっている。これは3枚貼り合わせるコストの高さを嫌ったためと考えられる。現代のコーティング技術であれば独立した2枚のレンズで過去の貼り合わせレンズ以上の性能となることも影響しているだろう。

Before imageAfter image

キヤノンミュージアムを見るとマイナーチェンジののようなレンズを含めると16本の50mm標準レンズが存在し、キヤノン S時代のキヤノン製L39スクリューマウントとても多彩で面白い。とくに1956年のガウス型のCANON S 50mm F1.2、1957年によりコンパクトなガウス型のCANON S 50mm F1.4をリリースしている。極めつけは1961年に発売したCANON 7専用となるSレンズ最後の標準レンズであるCANON S 50mm F0.95という超大口径標準レンズは当時としては画期的なレンズだった。

ニコンが1950年に発売したゾナータイプの50mmの絞り開放F値が1.4にたいして、1952年と2年遅れたこのレンズがF1.5とツァイス・ゾナーと同じ明るさしか実現できなったのは、キヤノンからすれば少々残念なレンズだったのかもしれない。また、ニコンは1949年に50mm F1.5のゾナー型スクリューマウントレンズを販売しており、デビッド・ダグラス・ダンカンという報道写真家が撮影に使用して、アメリカでニコンが人気になる一端をになったと、参考リンク・デビッド・ダグラス・ダンカンに記載がある。

項目キヤノンC ゾナー
焦点距離(mm)5050
最大絞り1.51.5
最小絞り1616
絞り羽根1310
レンズ構成3群7枚4群6枚
最短撮影距離(m)1.00.9
レンズ長(mm)3645
レンズ最大径(mm)4956
フィルター径(mm)4046
重量(g)270250
マウントL39ZM
リリース年1952.112006.8
価格(定価・税別)36,500-¥105,000-

参考情報

更新履歴

  • 2025.6.6
  • 2025.3.12
  • 2024.05.13

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