APS-Hラストフラッグシップカメラ CANON EOS-1D Mark-IV

APS-Hラストフラッグシップカメラ CANON EOS-1D Mark-IV

キヤノン製デジタル一眼レフカメラ・CANON EOS-1D Mark-IVをCONTAX N VARIO SONNAR 24-85とLEICA Rマウントレンズで使用したレビューと写真作例

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目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のレンズを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

CANON EOS-1D Mark-IVは、2009年に発売されたAPS-Hサイズセンサーを搭載したキヤノン製デジタル一眼レフカメラ。

プロ向けAPS-Hサイズセンサー搭載のデジタル一眼レフカメラとしては2025年現在、最後のカメラとなる。そして、35mmフルフレームセンサー搭載のカメラが主流となっているため、APS-Hサイズセンサー搭載のカメラは今後作られないと考えられるため、最後のAPS-Hサイズセンサー搭載カメラとなるはずだ。

画素数は1600万画素、専用電池 LP-E4、LP-E4N、LP-E19で駆動し、記録メディアはコンパクトフラッシュカードとSDHCカード(最大容量32GB)に対応。

キヤノンのAPS-Hサイズセンサーは、概ね23.5×15.7mmで装着レンズの35mm版換算係数は1.3で、具体的に記すと焦点距離50mmレンズを使用する場合、キヤノンは65mm相当となる。

2.使用感

CANON EOS-1D Mark-IVの導入目的は、仕様・考察の最後に述べているとおり、ライカRマウントをレンズを使うためである。

1Ds Mark-IVの標準ファインダーは視度調整を適切におこなうことにより、広角レンズ以外はピントの山が掴みやすくなっている。広角レンズは少し暗い場所ではピントの山がとてもとらえづらい。

ボディは縦位置グリップが一体型の正方形ボディでレンズを装着したままでは鞄への収納性は悪い。コレは収納時はボディとカメラを分離せよということかもしれない。
正方形で大柄のボディだが、適度に深いグリップで手に馴染むグリップ形状をしており、手が小さな自分でも扱いやすい。

<サイレントモード>

一眼レフカメラのシャッターとミラー音は静かな場所での撮影に向いておらず、ミラーレスカメラに劣る一因となる部分だが、EOS-1D Mark-IVはサイレントモードという単射でミラー音とシャッター音を低減させるモードがある。コレも大きな期待はできなく、連写しているときの甲高い音が幾分マイルドになる程度で静かな場所での撮影に使用するのが難しいことに変わりは無い。それでも、連写モードの威圧感のある音よりはかなりマシになる。

サイレントモードは、カメラ左肩のAF-Driveボタンを押しながら、右肩のダイヤルを回して「S」にするとサイレントモードとなる。

<マウントアダプター>

CANON-EFマウントはマウントアダプターを介してさまざまな他社レンズを装着できる便利なマウントだ。
このボディを手に入れたのは、ライカRマウントレンズをデジタル一眼レフカメラで使うためだ。
しかし、ライカRマウントのいくつかのレンズはレンズ後玉がミラーに近い位置にあるため、35mm判フルサイズセンサーを搭載したEOSデジタル一眼レフカメラは装着レンズによってはカメラがエラーとなり使えないことがある。

一時、35mmフルフレームセンサーを搭載したCANON EOS 1Ds Mk-IIIをライカRマウントのボディとして使用したが、焦点距離50mmより広角のレンズはほぼすべて使うことができなかった。

APS-Hサイズセンサーを搭載した1Dシリーズは35mmフルフレームセンサー搭載カメラよりはマシだが、やはり一部のレンズは使用時にエラーが発生するレンズがある。もっとも使いたかったSUMMILUX R 35mmが実質的に使えないのはとても残念だ。Fisheye ELMARIT R 16mmは無限遠でNG、ELMARIT R 19mm(New)は最短撮影方向でたまにNG、SUPER ELMARIT R 15mmはずっとNG、21-35mm F3.5-4.0 ASPH Vario-Elmar-RはずっとNG、などやはり一部レンズではエラーが発生する。センサーサイズが小さくなってミラーが小さいのでもう少し期待していたが1D Mark-IVが厳しいのか広角側はそれなりに使えないレンズがある。

APS-Cサイズセンサーを搭載したCANON EOS 7Dはさらにミラーが小さいため上記レンズを問題なく使用できている。

ライカRマウントレンズとEOSデジタルカメラのエラーについてはリンク先にまとめた表が記載されているが、このデータベースのAPS-Hサイズセンサーの結果は手持ちのカメラとレンズの結果と違うところが多い。

レンズ名実焦点距離 1Ds Mark-IIICANON APS-H 換算係数 x1.3 1D Mark-IVCANON APS-C 換算係数 x1.6 7D
SUPER ELMARIT 15mmNGNGOK
SUPER ELMAR 15mmNGOKOK
Fisheye ELMARIT 16mmNGNGOK
ELMARIT 19mm NEWNGNGOK
SUPER ANGULON 21mm F4??OK
SUPER ANGULON 21mm F3.4NGNGNG
21-35mm F3.5-4.0 ASPH Vario-Elmar-RNGNGOK
ELMARIT 24mmNGOKOK
ELMARIT 28mm oldNGOKOK
ELMARIT 28mm newOKOKOK
ELMARIT 35mm 1st??OK
ELMARIT 35mm 2nd??OK
ELMARIT 35mm 3rd??OK
SUMMICRON 35mm oldNGOKOK
SUMMICRON 35mm newOKOKOK
SUMMICRON 50mm E55dOKOKOK
SUMMILUX 50mm E55OKOKOK
SUMMILUX 50mm E60OKOKOK

3.まとめ

結論としてCANON EOS-1D Mark-IVをまとめると、2025年現在も画質面において実用的な一眼レフカメラ。
しかし、一眼レフカメラというシステムがミラーレスカメラに劣る点が多いため、使用用途をはっきりさせてから購入するのが望ましい。

LEICA Rマウントレンズ仕様に関しては、35mmフルフレームセンサーのEOS 1Ds Mk-IIIと同様に一部広角レンズが使えないが、使えるレンズの種類は増えているため、こちらを選ぶ価値はある。

撮影時のミラー、シャッター音を好む撮影者もいるが、そこは好みの問題だろう。

一眼レフカメラの弱点とミラーレスカメラの優位性

  • ファインダー表示自由度のなさ →EVFによる情報表示の多彩さ、暗所における明るさの調整
  • 機械シャッターとミラー機構により動作音が五月蠅い →電子シャッターによる静音撮影
  • レンズを含むカメラシステムが大型になりやすい →シャッター機構がないためカメラとレンズを小型化できる

仕様・考察など

CANON EOS-1D Mark-IVは、プロ向けのデジタル一眼レフカメラ、一つ前のモデルMark-III同様にメカシャッターで10コマ/秒を達成しているカメラだ。

EOS 1D Mark-IVはスピード重視のAPS-Hサイズセンサーを搭載した最後のEOSデジタルカメラで、このカメラの後継は35mmフルフレームセンサーを搭載していたEOS-1Dsシリーズと統合され、2012年に発売の35mmフルフレームセンサーを搭載したEOS-1DXに引き継がれる。ここでAPS-Hサイズセンサーを積んだカメラは消滅することになる。

このカメラもプロ向けのカメラボディのためシャッターを酷使されたカメラが多く、公称のシャッター使用回数は30万回となっているが、10万回程度使われたカメラはよくみかける。

シャッター回数のカウントは、キヤノンカメラはカメラとPCをUSB接続して確認する必要がある。
確認には専用ソフトウェアが必要で、WindowsはSourceforgeに登録されているフリーソフトウェアの「Canon EOS DIGITAL Info」が無償ソフトとして公開されている。

Macの場合は有償のソフトウェアしか無く、「ShutterCount」、「Free Shutter Count」ともに有償登録をしないとシャッター数の確認ができない。後者の「Free Shutter Count」はソフト名称にフリーと付いているが、無償で確認できるのはシャッター数の下3桁のみという紛らわしいソフトウェアだ。

シャッター数の確認だがニコン製カメラは撮影画像にシャッター数が記録されており、確認が容易なのとはキヤノンと対称的だ。どちらの方法も数値が正確かは言い切れないことがあり、また、シャッター数が少なくても故障する場合はあるため、シャッター数はカメラ健全性の一つの目安と考えておくのが無難だ。

<APS-Hサイズセンサー>

APS-Hサイズセンサーは採用しているカメラは少なく、LEICA DIGITAL MODULE R、LEICA M8、LEICA M8.2、EOS-1Dシリーズである。

35mmフィルム判対応のレンズをAPS-Hサイズセンサー搭載カメラで使う場合、35mm判本来の焦点距離は望めないが、古いレンズでありがちな周辺部分の描写の乱れを強制的にカット(クロップ)して撮影できるのはメリットになる面もある。

CANON EOS-1D Mark-IVで35mmフィルム判のライカRマウントレンズを使おうと思ったのは、過去に使用したLEICA DIGITAL MODULE Rとほぼ同じセンサーサイズを持っているためだ。

CANON EOS-1D Mark-IIIはセンサー画素数がDMRとほぼ同じと条件がより揃っているが、画素数は多い方が便利な面もあるため、修理対応期間が終了して格安になったCANON EOS-1D Mark-IVをDMRの再来として購入した。
以下比較表を見てわかるとおり、サイズ、重量はほぼ同等で懐かしさを感じさせる。

項目EOS-1D Mark-IVLEICA R8 +DIGITAL MODULE R
カメラ有効画素数16001000
センサーCMOSCCD  KODAK / KAF-10010CE
センサーサイズ23.5×15.7mm22.3×14.9mm
マウントCANON-EFLEICA R
背面液晶3.0型/約92万ドット(VGA)1.8型/13万ドット
ファインダーペンタプリズム使用、アイレベル式 上下/左右とも約100% 約0.76倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)ペンタプリズム使用、アイレベル式 上下/左右とも約93% 0.75倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)
コマ速・メカシャッター10コマ/秒2コマ/秒
画像処理エンジンデュアルDIGIC 4
バッテリー LP-E4N / LP-E414447 [リチウムイオンバッテリー DMR]
記録メディアコンパクトフラッシュ
& SDHC(32GBまで)
SDカード(4GB)まで
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行156 × 156.6 × 79.9165 x 142 × 83
重量(g) ボディのみ11801495
リリース年2009年12月2002年

オプション

参考情報

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更新履歴

  • 2025.10.10

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