ラウンド&エッジ IXY CANON IXY 30S

ラウンド&エッジ IXY CANON IXY 30S

キヤノン製コンパクトデジタルカメラ・IXY 30Sのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

キヤノン・IXY 30Sは、2010年5月に発売されたキヤノン製コンパクトデジタルカメラ。
1000万画素の1/2.3型CMOSセンサーと35mm判換算28〜105mmのズームレンズを搭載している。

カメラの起動時間、シャッターのレスポンスはよく、電源ボタンを押すとレンズがせり出してくる、キヤノンの標準的なスタイルを採用している。バッテリーはNB-6L、仕様は3.7V、1000mAh、3.5Whで満充電時の公称撮影枚数は250枚となっている。最短撮影距離はマクロモードのワイド端が最短でレンズ先端から3cm。ボディカラーは、シルバー、イエロー、ホワイト、レッド、ブラックの5色展開。

カメラ上面は、ビデオ、写真を切り替えるスライドスイッチ、電源スイッチ、ズームレバー、シャッターボタン、カメラ背面は、画像再生、メニュー、機能のボタンと、セレクトダイヤルがあり、基本的な操作はボタンとダイヤルで実行できる。ダイヤルの四方向にも機能が割り当てられており、電源オン時に液晶画面に機能が表示されるようになっているため、ボディ表面には印刷された案内がない。ダイヤルには次の機能が割り当てられている。

  • 上:露出補正
  • 下:ディスプレイ表示変更
  • 右:フラッシュ設定
  • 左:撮影モード(マクロ、風景)

2.使用感

キヤノン・IXY 30Sは2010年に発売されたカメラで、同年にはキヤノンだけで14機種が発売されている。次年の2011年も15機種なので、このあたりがコンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジ)の最盛期と呼んで差し支えないだろう。

キヤノンのコンデジは、元祖IXYの特徴である6面体だけでは特徴がだしづらいためか、全体的に丸くなったり部分的にエッジを入れたりと試行錯誤を繰り返している。このカメラは前面のラウンドが強めで、角部を切り落としたようなシャープなエッジ面をもち、それらを小さなRで繋ぐ有機的なフォルムをしている。また、レンズ周辺部にメッキを施しておらず、カメラ全体のデザインは落ち着いてる。

IXY 30Sはコンデジの中でも汎用的な普及機で突出した特徴は無く、AF性能はそこそこ、背面液晶が23万ドットと低品質なので、撮影結果のプレビューでピントずれ、手ぶれを見分けるのも難しい。特に暗いシーンの撮影結果はPCで表示してがっかりすることがそれなりの頻度であり、望遠端のF値が5.3と暗いため手ぶれしやすいカメラだ。手ぶれ対策としてレンズシフト式の手ぶれ補正機構を搭載しているが正直なところあまり効果を感じない。カメラ撮影の基本であるしっかりとカメラ側をホールドしてブレないようにする必要がある。手ぶれ対策のもう一つとしてISO感度を上げるがあり、ISO感度を3200まで上げることができるが、小センサーの悲しさでISO3200の画質は許容できない。
個人的にはISO400くらいまでが撮影結果として我慢できる限界だ。高感度の許容範囲は人それぞれ感覚が異なるため、これはあくまで個人的見解とご承知いただきたい。

このカメラはJPG記録しかできないが、撮影距離によっては樽形の歪みが目立つ画像がそれなりにある。2010年台のカメラはそれほど積極的に記録画像に補正処理を加えていないことがうかがえる。

ホワイトバランスと色再現性は良好で、オートモードで撮影しても不満の無い色の画像を記録する。

電池を満充電でCIPA準拠250枚とのことだが、少しへたったバッテリーだとその半分くらいで電池切れとなる。新品では美しい外観をしているが、塗装皮膜は貧弱で角のほうから塗装が剥がれていくため、少しラフに扱ったらどんどん地が露出してくるように思われる。地はプラスチックなので剥げてくるとみっともない感じになる。

3.まとめ

結論としてキヤノン・IXY 30Sをまとめると、キヤノンらしく外装の塗装が美しく、撮影機能はそつ無くまとまったコンパクトデジカメ。
搭載したレンズの焦点距離は広角側が28mmになっており、後継カメラは24mmが標準とより広角だが、この28mmでも不自由する場面は少ない。バッテリーの持ちも通常使用には不満の無い持ちをする。

最大の弱点は美しい外装が、少しのあたりやスレで剥げていくことである。

仕様・比較

キヤノンはコンデジの広角側を28mmにしたのは比較的早く、2006年の900ISから採用している。他社の28mmの採用状況は、リコーがCaplio GXで28mmを採用しており最も早く、フジフィルム 2008年(FinePix F100fd)、ソニー 2008年(DSC-W170)、パナソニック 2005年(DMC-LX1)、から28mmを搭載したカメラをリリースしている。パナソニックのDMC-LX1はライカのD-LUX1のベースカメラで、普及機は2006年のDMC-FX01からとなる。ペンタックス、カシオ、サンヨーなどは調べていない。

また、このカメラのリリースされた、2010年頃のIXYのデザインに迷いがあったようで、いくつかのボディパターンがみられる。

デザインの特徴は使用感で述べたとおりで、このデザインコンセプトはマイナーチェンジを2回ほどして消滅した。
古いIXY Digital 200IXY1IXY3のようなエッジが強い直方体デザインが個人的には好みなのだが、そのデザインも主流にはならなかった。
最終的には全体的はスクウェアで角に丸みをおびたIXY 420Fのようなデザインが主流として残っていくことになる。

項目IXY Digital-20ISIXY 30SIXY 100FIXY 210
焦点距離(35mm版換算)38-11428-10528-22424-240
画素数800万画素1000万画素1600万画素2000万画素
センサータイプCCDCMOSCCDCCD
センサーサイズ1/2.51/2.3
レンズ6.2-18.6
F2.8-F4.9
4.8-18.6
F2-F5.3
5-40
f3.2 – f6.9
4.3-43
f3.0 – f6.9
撮影距離
(オート)
30cm~∞
広角マクロ時3cm
3cm~∞ / 30cm~∞1 cm – ∞ / 1.3 m – ∞1 cm – ∞ / 1.0 m – ∞
手ぶれ補正レンズシフト方式
ファインダー実像式ズームファインダー
背面液晶サイズ2.5(TFT)3.0(TFT)2.7(TFT)
背面液晶解像度23万ドット
バッテリーNB-4L NB-6L
NB-6LH
NB-11L
メディアSD メモリーカード
SDHC メモリーカード
マルチメディアカード
MMCplus カード
HC MMCplus カード
SD メモリーカード
SDHC メモリーカード
マルチメディアカード
MMCplus カード
HC MMCplus カード
SDメモリーカード
SDHCメモリーカード
SDXCメモリーカード
SDメモリーカード
SDHCメモリーカード
SDXCメモリーカード
WIFIなしなしありあり
サイズ
幅 x 高さ x 奥行
86.8×54.8×22.0100×54.1×23.692.9×52.4×21.695.3×56.8×23.6
重量(g)
*:本体のみ
**:バッテリー+メディア
125 *150 *
175 **
118 *
134 **
122 *
137 **
リリース年2008.32010.52013.82017.2
カラーシルバー
ピンク
キャメル
ブラウン
ホワイト
シルバー
レッド
ホワイト
イエロー
ブラック
シルバー
ブルー
ピンク
シルバー
ブラック

オプション

  • バッテリーチャージャー CB-2LY
  • ACアダプターキット ACK-DC40
  • DCカプラー DR-40
  • コンパクトパワーアダプター CA-DC10
  • ソフトケース IXC-400
  • レザーネックストラップ IXS-300
  • イクシチェーンネックストラップ
  • ネックストラップ IXS-100
  • ハイパワーフラッシュ HF-DC1
  • HDMIケーブル HTC-100
  • インターフェースケーブル IFC-400PCU
  • AVケーブル AVC-DC400ST

参考情報

更新履歴

  • 2025.6.17
  • 2024.06.08

広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA