DISTAGON 35 for CONTAX 645

Kyocera/Contax製中判・標準レンズ、DISTAGON 35mmをLEICA Sで使用した記録

目次

<ギャラリー ・作例 / LEICA S typ007>

<レンズの印象>
コンタックス645では21mmとなる最広角レンズだが、ライカSでは28mmと普通の広角レンズになる。
最初の撮影結果の中で、少し絞った際のキレのある描写をモニターで確認したとき少しゾクッとした。
35mmと比べると45mmの方が柔らかい描写をしていると感じる。55mmは興味があるが高すぎる。
標準レンズのスタンダートが24mm以下の2023年では、28mmという画角はすごく広角なわけではないが、中判センサーのカメラで撮影するときは、構図を決めやすくバランスがよいと思う。
ディストーションは風景など被写体では目立たないが、3m程度の距離で格子状の被写体を写すと周辺部で樽形の歪みが気になることがある。格子状の物を撮影した場合は補正したくなる。
以前は比較的珍しいレンズで価格も高値で数も少なかったが、2023年は中古市場にまとまった数が供給されたため、レンズ状態によっては格安の物も見つかる。紹介するレンズはフード(GB-101)付きを8万円程度で入手した。
このレンズもLEICA S typ007との通信で使用可能までのラグはあるが、SONNAR 140mm、DISTAGON 45mmよりは少し早い気がする(気がする程度で明確な差はないかもしれない)。
フォーカス速度も特別早くはないが実用の範囲だと思う。
さすがに古いレンズなので、フード無しで使用すると、逆光時にゴーストによる迷光、フレアが発生しコントラストが低下することがあり、野外ではフードを装着することが無難と考える。

DISTAGON 35mmの比較対象としては、「ハッセルブラッドHC35mm」、「ライカ エルマリート S f2.8/35mm ASPH.(Order no. 11077 | CS: 11078)」が考えられる。
エルマリート S 35mmは100万円近い価格で個人的な収入では入手できるとは思えない。そして2023年現在商品は終売しており、中古市場で探すことになる。机上でのスペック比較はレンズ仕様に示すとおりで、エルマリートSは重くて大きいが、開放F値が1段明るいF2.5、9群12枚の贅沢なレンズ構成、非球面レンズの採用、ガラスの小さい群を動かすリアフォーカスの採用(DISTAGON35mm/HC35mmもリアフォーカスを採用しており逆望遠レンズでは一般的)など、最新の光学設計を取り入れているように読み取れる。MTFチャートの比較ではライカは27mm、ZEISSは35mmまで記載と表示範囲は異なるが、27mmまでの範囲でエルマリートSとディスタゴンを比較すると、グラフの線図ではエルマリートの圧勝でありリリースが新しく高価格が納得できるレンズだと思える。

HC35mmはフィルター径は同じ95mm、レンズの最大径はほぼ同じだが、DISTAGON 35mmはレンズ長が短く、鏡筒フォーカス部が細くスリムで重量も100g程度軽量である。
これはHC35mmの方がレンズ構成が少し複雑でシャッター機構を持っているためだ。
HC35mmはHASSELBLAD X2Dで使う場合、Phocasがよい具合に補正して粗が目立たないが、LEICA Sで使用してDNGを現像する場合、少し樽形の歪みが気になることがある。先述したとおりDISTAGON 35mmも同じように樽形が気になることがある。定量的な評価はしていないがほぼ同程度の歪み量と思われる。

<レンズの仕様>
焦点距離35mmの広角レンズ、LEICA Sで使う場合は28mmとなる。
レンズフードは専用品(GB-101)を使用する。

項目仕様1仕様2仕様3
レンズ名CONTAX
ディスタゴン35mm
LEICA
ズマリットS35mm
HASSELBLAD
HC35mm
焦点距離(mm)35.53535.8
最大絞り3.52.53.5
最小絞り322232
レンズ構成8群11枚9群11枚10群11枚
最短撮影距離(m)0.50.550.5
レンズ長(mm)
マウント面からの距離
108122124
レンズ最大径(mm)10288100
フィルター径(mm)958295
重量(g)877930/1030(CS)975
リリース年19992013/10/10
価格287,000円
2023年中古価格7万円〜
847,000円
979,000円(CS)
2023年中古価格
150,000円〜

<参考文献・リンク>

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