LEICA ELMARIT R 135mm typ-II

描写がよいライカRマウント・中望遠レンズ

エルマリート R 135mm F2.8・2型のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、LEICA SL typ601
  • 写真作例の撮影は、ESO 1Ds MKIII

レビュー

1.使用感

エルマリート R 135mm タイプ2は23年の長きにわたり作られたレンズだ。

最短撮影距離は1.5mとなっており、M型のELMARIT-M 135mm(めがね付き)と同じだ。
ズミクロン 90mmの場合、RマウントレンズはMマウントレンズより最短撮影距離が短くなっているというメリットがあるだけに残念な仕様だ。
しかし、一眼レフカメラはファインダー像をそのまま見るとができるため、寄れないハンデをカバーするELPRO(前部ねじ込みクローズアップレンズ)、マクロアダプターをつかうことができる。

レンズは作例を見てもわかるとおり、絞り開放からしっかり解像し、ボケも素直、リリース後にレンズの改良が発生しなかったのは、これで完成されたレンズと言うことなのだろう。

中望遠レンズで後玉の出っ張りがないためEOS-1DsMKIIIでエラーなく使用できる。
単焦点では暗いF2.8のレンズなのでEOSのファインダーはピントの山が若干見辛く、ミラーレスカメラのライカ SL typ601でEVFを使用して撮影するのが使いやすい。

所有しているレンズは、シリアル番号が350xxxxで1990年に作られた300本の一つ、M型レンズならさぞ貴重なのだろうが、本レンズの市場価格は低く3万円弱で購入した。

2.レンズ概要

エルマリート R 135mmは1962年-1967年に初期の1型が製造され、1968年から1991年まで後期の2型が製造された。1型と2型を合わせて合計約6.6万本作られ、1型から2型への変更時にレンズ構成が変わっている。

レンズ構成の違いは、1型、2型共に4群5枚だが、貼り合わせ面が異なっており、1型は3枚目と4枚目が貼り合わせレンズで、2型は2枚目と3枚目が貼り合わせレンズになっている。

3.比較

135mmは、F2.8とおしの大口径ズームレンズに飲み込まれた焦点距離で、ライカRマウントレンズではVARIO-APO-ELMARIT-R 70-180mm F2.8がそれに相当するが、この70-180mmはかなり大柄で重いため単純な代替とはならず、R型135mmはその携行性に存在価値がある。

M型135mmはF3.4と少し絞り開放値が暗くなったがAPO仕様がリリースされたので、ライカRマウントにもう少し寿命があればR型135mmの改良型がリリースされた可能性があり、ライカRマウントの終焉は残念だ。

エルマリート M 135mmは、1962-1974年に製造された古いタイプが初期1型と同じレンズ構成で、1974年-1995年の間に製造された新型が今回紹介する後期2型と同じレンズ構成となっている。

そのときは絞り開放値F2になっていればと思うが、KYOCERA CONTAXがPlanar 135mm F2をリリースしたが、それほど人気がなかったことを考えると、135mm単焦点というレンズが市場から求められていないと考えらる。

一般的な評価の低さは市場価格に表れており、LEICAブランドのレンズの中では安く購入でいるレンズだ。対抗馬はElmar-M 90やElmar-M 135だろうか。本レンズも投げ売りでは2万円程度で見たこともある。

仕様・比較

項目エルマリート R typ IIエルマリート M 3rdアポ・テリートプラナー
焦点距離(mm)135
最大絞り2.83.42
最小絞り22
レンズ構成4群5枚5群5枚
最短撮影距離(m)1.5
レンズ長(mm)93114105101
レンズ最大径(mm)67665975
フィルター径(mm)554972
フード内蔵
重量(g)730780450790
リリース年1969-19911974-19951998-2005
製造本数50,8009,8504,500

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.10.09
  • 2024.02.17:改稿
  • 2022.03.02:初稿

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