Voigtlander COLOR HELIAR SL 75mm F2.5
一眼レフ向け・75mm中望遠レンズ
フォクトレンダー・カラーヘリアー 75mm F2.5のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はSONY α900とα7SII
レビュー
1.概要
フォクトレンダー・カラー・ヘリアー SLは、焦点距離75mmの一眼レフ用レンズ。
レンズ構成は5群6枚、最短撮影距離は0.7mである。
フィルター径は49mm、レンズ前方にねじ込んで装着する。
レンズフードはアポランサー90mm、アポランサー180mmでも利用可能な、バヨネット式の角形のLH-75、円筒のLH-75Sが別売で提供されている。
2.使用感
写りは絞り開放からキレが有り、周辺部もきっちりと描写し、前後のボケも悪くないので、人気が無い理由がよくわからないが個人的には愛用しているレンズだ。
カラー・ヘリアー SL 75mmはフォクトレンダー SLレンズのなかでは人気がなく、中古市場にでる数が少ないわりに価格は上昇しない。
75mmという焦点距離は1眼レフカメラ向けレンズでは種類がほとんど無く、探してもロシア製シネレンズ、ペンタックス645向けくらいである。近い焦点距離ではペンタックスがKマウントで77mm、シグマは70mmという微妙な焦点距離のレンズを販売している。ズームレンズの高性能化により単焦点レンズの肩身の狭い時代が続いているが、個性的な単焦点レンズが今後も販売され続けることを願わずにはいられない。
本レンズは、PENTAX-Kマウント版を購入したが、絞ピンなどを除去して、シグマ SD9、SD10で使用していた。詳細はSD9、SD10のページに記しているが、シグマSAマウントのマウント形状はペンタックスKと同じ形状であるため余分な突起物がなければカメラにレンズは装着できる。フランジバックがSAマウントのほうが1.5mm短いため6mくらいで無限となり、近接性能が低下することになる。SD9、SD10がリリースされた頃は、シグマSAマウントのレンズを市場で見かけることは稀で、カメラで使えるレンズを求めて右往左往した時期で、許容できるフランジバックの違いであれば、まずはカメラに装着することが重要であり、SAマウントと形状が同じペンタックスKマウントレンズは貴重であった。
フランジバックの違いによる近接性能の低下は延長チューブを使えば補うこともでき、とにかく他社レンズが無限遠から使えるためSD9、SD10に装着して撮影を楽しんだ。
さすがにマウント部まで改造したのはこのレンズくらいで、あとはM42スクリューマウントレンズをK-M42アダプター、SA-M42アダプターを経由して使っていた。このレンズはマウント部を改造レンズなので中古で売るわけもいかず、ソニーのα900を手に入れたさいに、αマウントの接続部品をジャンクレンズから取り出し加工して、レンズ側にボルト止めしてミノルタαマウントに変更して現在も使っている。
3.付加情報
一眼レフ版のカラー・ヘリアー75mmはL39スクリューマウント版と同じレンズ構成だが、最短撮影距離は0.7mと一眼レフ版のほうが寄れて、かつフランジバックが長いためさまざまなマウントアダプターを経由して他マウントのカメラへ転用することができる。
もっとも汎用的なレンズとして、M42マウント版を持っていれば、EOS、PENTAX、SIGMA、ヤシカCYマウントなどがマウントアダプター経由で利用できる。
このレンズは、同シリーズのアポランサー125mmと比べると人気がなく市場評価の低さを感じる。
また、発売元のコシナのリニューアル対象からも外れており、SLシリーズに限っては本レンズの後継となるレンズは発売されていない。
同じ焦点距離75mmのレンジファインダーレンズは、同じレンズ構成のカラー・ヘリアー F2.5から、ヘリアー・クラシック F1.8、ノクトン F1.5、ウルトロン F1.9とリリースされているのとは対称的だ。
操作に関しては基本的に問題はないが、個人的に困るのがフォーカスリングの回転方向が左回りで、マニュアルフォーカス(以下、MF)レンズでよく使っているライカRマウントレンズとは逆回転なことだ。
オートフォーカスレンズであれば、それほどMFを使うことがないためフォーカスリングの回転方向は気にならないが、MFレンズの場合は撮影動作の主体となるため、回転方向の異なるメーカーのレンズを同時に持ち歩かないように注意している。
仕様
項目 | ULTRON | COLOR HELIAR | APO LANTHAR | Macro APO LANTHAR | APO LANTHAR |
焦点距離(mm) | 40 | 75 | 90 | 125 | 180 |
最大絞り | 2 | 2.5 | 3.5 | 2.5 | 4 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 |
レンズ構成 | 5群6枚 | 5群6枚 | 5群6枚 | 9群11枚 | 7群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.4 | 0.7 | 0.5 | 0.38 | 1.2 |
レンズ長(mm) | 29.5(Ais) | 40.2(Ais) | 57.6(Ais) | 88.2(Ais) | 79(Ais) |
レンズ最大径(mm) | 63.5 | 63.5 | 63.5 | 76 | 65.6 |
フィルター径(mm) | 52 | 49 | 49 | 58 | 49 |
重量(g) | 255 | 250 | 390 | 690 | 485 |
リリース年 | 2002.05 | 2000.07 | 2002.03 | 2001.06 | 2003.08 |
定価 | ¥45,000 | ¥50,000 | ¥55,000 | ¥95,000 | ¥65,000 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.12.2
- 2024.03.29:改稿
- 2023.11.05:初稿