謎のグレー版 D-LUX Typ 109 Solid Grey

謎のグレー版 D-LUX  Typ 109 Solid Grey

LEICA D-LUX Typ109 Solid Grayのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

D-LUX typ109はPanasonic-OEMのコンパクトデジタルカメラで、Panasonic LUMIX DMC-LX100の外装とファームウェア違いの兄弟カメラである。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 F1.7~2.8
  • レンズ構成 7群9枚
  • EVF OLED 276万ドット
  • 絞り羽根 10枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • 撮影距離は50cm~無限遠で、3cmまで寄れるマクロモードあり
  • 記録形式はJPEG、RAW(RAW形式はPanasonicのRWL形式)
  • バッテリーはBP-DC15
  • オプション無しで43mmフィルターの装着が可能
  • レンズカラーバリエーション ブラック、ソリッドグレー、「ライカ D-LUX “RSJ Edition”」

このカメラは、ブラックが2014年11月28日に発売され、その約1年後の2015年12月にソリッドグレーが発売された。

画像センサーの使い方に特長がありキヤノン IXY1、IXY3でみられた、イメージセンサーサイズより小さなイメージサークルのレンズを用いて、最終的な画像はクロップした画像を記録する方式を採用している。

採用したイメージセンサーは当時一般的な1600万画素のフォーサーズイメージセンサーから撮影モード3:2の場合、4272 x 2856ピクセルで1220万画素分を使用していることになる。

そのために、本カメラ用に開発されたレンズが、LEICA DC VARIO-SUMMILUX 実焦点距離10.9mm~34mm F1.7~2.8、光学3.1倍ズームで、35mm版換算撮影範囲が24~75mmとなるように設計されている。

フォーサーズセンサーをフルに使って同じ焦点距離を実現しようとすると、実焦点距離12mm~37.5mm F1.7~2.8のレンズを用意する必要があり、そのレンズサイズは現在より大きくなるため、カメラ全体のサイズからレンズサイズを決めて、イメージセンサーの有効範囲が決まっていると考えられる。

以下はフォーサーズイメージセンサーからD-LUX typ109の使用部分を視覚的に示した例だ。

D-LUX typ109 Image sensor Crop sample

2.使用感

D-LUX typ109の描写はJPGはよく補正されており歪みは感じない。Rawでは歪みが目立つ焦点距離もある。
35mm判換算で24mm〜75mmをカバーするため、風景、ストリートスナップ、テーブルフォトなど万能に使える。

起動時間も早く、書き込み時間も待ちはほとんどなく、快適に使えるカメラだ。
オートフォーカス精度はで、背景が複雑な場合、意図しないところにピント位置が来ることがある。EVFも背面液晶も縮小画像なのでピントが合っているようにみえるけれど、すこしズレることはけっこう経験するので重要なショットは拡大してピント位置を確認するのがベターだ。

EVFはドット数はそれなりにあるが、描画速度はそれほど速くなく、EVFの見え方は良くはない。これはライカも認識しているようで後継のD-LUX8では60fpsと描画速度が高速になっている。

バッテリーは、BP-DC15で、パナソニックのDMW-BLE9、DMW-BLG10と互換性がある。
DMW-BLE9、DMW-BLG10は、パナソニックのカメラDMC-GF3、DMC-GF5、DMC-GF6、DMC-GX7 Mark II、DMC-TZ85、DC-TZ90、DMC-GX7MK2、DMC-GX7MK3、DMC-TX1、DC-TX2D、DC-G100V-Kなど多くの機種に採用されているため、互換バッテリーも豊富にリリースされており、バッテリーの入手に苦労することは無い。

3.まとめ

結論としてD-LUX typ109をまとめると、センサーサイズの大きさと、明るいレンズの組み合わせで、描写に期待のできるレンズ一体型デジタルカメラだ。

D-LUX typ109はPANASONICのベースカメラから変更点が外観程度に止まるため、よりライカ色の濃いレンズ一体型デジカメを求める場合、D-LUX8の方が満足感が高いと思われる。D-LUX8については次に記している。

仕様・考察など

ソリッドグレーのD-LUX typ109は実際に売られていることは知っている。しかし、所有していたカメラは少々不思議なカメラだったのだ。

中古で入手したソリッドグレーボディは少し不思議な点があり、ライカの製品登録にシリアル番号を入力しても登録できなかった。ライカの製品登録は最近は登録したことがないのでわからないが、2016年当時は中古品は以前登録した人がいる場合、「本製品はすでに登録済み」と表示され登録できなかったが、本カメラの場合は、「このシリアル番号は製品として認識できません。」のようなことが表示され登録できなかった。製品登録できない旨をライカ社に問い合わせると登録できない製品番号の製品については弊社は関知しないとのコメントをいただいた。試作品などが何らかの理由で市場に流出したのか?ライカがOEM品の管理をきちんとしていないのかは定かではないが、不思議なことである。
また、所有していた個体とは異なる背面外装の製品を見たこともあり不思議な出来事に遭遇するカメラである。

後継のカメラとして、2018年に撮影センサーの解像度が1700万画素に向上した、D-LUX7が発売された、カメラ奥行の寸法が55mm〜64mmに変更されているのは、EVFの出っ張り部分を含めたためだ。

そして、EVFの性能は製品PDFをみると動作性能は同じだがパネルがD-LUX typ109のOLEDからD-LUX7はLCDに変わっている。これはD-LUX typ109の表記に疑問があり、D-LUX typ109のベースカメラであるPANASONIC DMC-LX100の仕様にはOLEDの表記はないため、D-LUX typ109のPDFの記載が誤っている可能性が高い。

結論として、D-LUX7はセンサー以外はほぼD-LUX typ109を踏襲しており、ブレイクスルーを感じさせないカメラと言える。

フォーサーズイメージセンサーを詰んだD-LUXの完成形と言えるのは、2024年に発売されたD-LUX8だ。
カメラボディデザインが全面的にリニューアルされ、ボタンの配置なども変更された。

変更点の中でも大きいのは、表示関係で背面液晶とEVFの仕様変更だ。EVFは有機ELの236万ドット、60fpsとなっており、ドット数は若干減ったがD-LUX typ109D-LUX7より性能が向上している。

そして、Raw画像保存形式がDNGになっており、可なりの部分でライカの要望が取り入れられたカメラとなっている。

項目D-LUX
Typ109
D-LUX7D-LUX8
レンズLeica DC Vario-Summilux 10.9-34
9群12枚(非球面10面5枚)
Leica DC Vario-Summilux 10.9-34
9群12枚(非球面10面5枚)
Leica DC Vario-Summilux 10.9-34
9群12枚(非球面10面5枚)
焦点距離24-75F1.7~2.8F1.7~2.8
絞り(開放)F1.7~2.8F1.7~2.8F1.7~2.8
画素数(万画素)128017001700
センサー4/3 MOS4/3 MOS4/3 MOS
ファインダーOLED?-EVF
276万ドット
?fps
LCD-EVF
276万ドット
?fps
OLED-EVF
236万ドット
60fps
背面液晶3.0
92万ドット
3.0
124万ドット
3.0
184万ドット
最短撮影距離
(マクロモード)
3cm3cm3cm
Raw形式RWLRWLDNG
バッテリーBP-DC15BP-DC15BP-DC15
メディアSDXCSDXCSDXC
フィルター径(mm)434343
サイズ(mm)
(幅 × 高さ × 奥行)
118 × 66 × 55118 × 66 × 64130 x 69 x 62
重量(g)・バッテリー込み
()内はボディのみ
405
(365)
403
(361)
397
(357)
リリース年201420182024
カラー
グレー

Panasonic版LUMIX DMC-LX100LUMIX DMC-LX100M2なし

オプション

  • レザーケース / レザープロテクター
  • ストラップ
  • 専用バック
  • 専用グリップ(#18547)

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参考情報

更新履歴

  • 2025.8.1
  • 2024.7.25
  • 2023.02.19
  • 2022.11.14

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