アダプトール2最広角レンズ Tamron SP 17mm F3.5(51B / 151B)

アダプトール2最広角レンズ Tamron SP 17mm F3.5(51B / 151B)
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タムロン SP 17mm(51B / 151B)を各種デジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラとレンズを使用した。

レビュー

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1.概要

Tamron SP 17mm F3.5(51B / 151B)は、マニュアルフォーカスの広角レンズ。

この17mmレンズは2つの型番があり、51Bが1979年発売、151Bが1989年発売のレンズで、17mmの超広角レンズとしてはかなりの古参のレンズだ。

  • 型番51Bはフォーカスリングが縦ローレットでレンズ距離指標がむき出し、ライカRマウント用広角レンズと同様に、4色の回転式色フィルターを備えている。
  • 型番151Bは51Bの後継レンズで距離指標がプラカバーで覆われており、色フィルターは削除された。

レンズマウントにアダプトール2方式を採用しているため、ニコン Ai-S(ニコンF),キヤノンEF(EOS),ミノルタα、ヤシカ・コンタックス、プラクチカ M42、ライカRなど、幅広い一眼レフレンズで使うことができる。

フードはカメラ鏡筒にはめ込んでサイドのネジを締める方式で、51Bはラバー製20FHが付属しており、151Bには金属製の86FHが付属している。レンズフィルター径は82mmで、フィルターはフード前方にねじ込む方式のためフードがない場合はフィルターを取り付けることができない。

このレンズは中古で買うときフードが付属していないことが多く、後ほどフードだけ買うとそれなりに高価だ。フード以外の付属品として、専用のフロントキャップがあり、フードを付けない場合フィルターを装着できないので、このキャップでレンズを保護することになる。こちらは中古に付属している確率が高い。

TAMRON SP 17mm Front cap

2.使用感

Tamron SP 17mm F3.5(51B / 151B)は35mmフィルム判に対応する超広角レンズ、小さなセンサーを搭載した、SIGMA SD14で使用した場合はセンサー換算倍数1.7倍して29mm相当、PENTAX K20D、ソニーα700、フジフィルム FinePix S3Proで使用した場合はセンサー換算倍数1.5倍して26mm相当と、APS-Cサイズセンサーのカメラで使う場合は35mmフィルム判の広角レンズ感覚で撮影できる。

描写は古いレンズなので絞り開放では35mmフィルム判の周辺部分は像の崩れが気になることもある。これは絞りを絞ることによってある程度は改善する。
APS-Cサイズセンサー搭載のカメラでは周辺部がカットされるため中央部の描写のよいところだけを使用することができる。

レンズに外の空気を吸わせるために、ライカRマウントを装着しNOVOFLEXのX-Rマウントアダプターを経由してハッセルブラッドX2Dに装着し、1億画素の解像度に耐えれるか試してみた。ハッセルブラッド X2Dに装着すると、無限はオーバーインフ気味で、距離指標の無限と2mの間くらいが無限位置となっていた。
撮影の結果は、撮影画像の中央部は問題ない解像度があるが、44 x33mmセンターサイズにたいしてはイメージサークルが不足しており、33x33mmの正方形トリミングが使用の限界のようにみえる。35mmライカ版3:2でトリミングすると周辺減光だけを考えると9922*6614ピクセルが使えるため、横幅で37mm程度はカバーしており35mmフィルム判サイズは問題ない。

焦点距離17mmと短いレンズなので、一眼レフのファインダーではピントピークを見つけるのが難しいカメラもあったが、X2DのEVFで拡大機能を使うと、ピント位置をとても容易に確認できテクノロジーの進歩のありがた身を感じた。

フォーカスリングの回転フィールは、所有レンズでの感想となるが51Bは滑らかで、151Bはグリスが抜けているようで少々スカスカしている。

Tamronのマニュアルフォーカスレンズは、適切に保管と適宜使用していれば、それほど劣化が気にならず、40年前のレンズでも十分に現役として使える。

51Bはあまり中古市場に出るレンズではなく2015年に中古で51Bをみつけて購入した。151Bはその5年くらい前から使っている。51Bの内蔵色フィルターはフィルム時代の機構でデジタルカメラは、色については後処理でどうにもでもなるためそれほど必要な機能ではない。超広角レンズの使用頻度はそれほど高くないため、さまざまなマウントで使えるこのレンズは重宝した。

3.まとめ

結論としてTamron SP 17mm F3.5(51B / 151B)をまとめると、古い時代の超広角レンズだが2000万画素クラスのカメラでは十分に実用的なレンズだ。

それほど超広角レンズの使用頻度が高くなければ、このTAMRONのアダプトール2方式によるマウント交換によるメリットは大きい。

仕様・考察など

35mmフィルム判における焦点距離17mmは、2010年代においてはズームレンズに含まれる焦点距離となっており、2003年にシグマから17mmを含んだズームレンズSIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DGが発売されている。

また、単焦点レンズの超広角レンズは焦点距離14mmが一般的となっており、この17mmは時代遅れな焦点距離のレンズになっている。このレンズよりは新しい17mmレンズとして、レンズ専業メーカーのTOKINAからオートフォーカスのAT-X Pro 17mm F3.5がキヤノンEFマウントと、ニコンFマウント向けに販売されており、こちらも中古で比較的みかけるレンズだ。

焦点距離20mmと14mmの間を埋める単焦点レンズということで、機会があれば使って欲しい。

レンズ名51B151B
焦点距離(mm)1717
最大絞り3.53.5
最小絞り2222
絞り羽根枚数55
レンズ構成10群12枚10群12枚
最短撮影距離(m)0.250.25
レンズ長(mm)
ライカRマウント面からの距離
41.741.7
レンズ最大径(mm)7071
フィルター径(mm)8282
重量(g)ライカRマウント347325
リリース年1979〜19841989〜2000

参考情報

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更新履歴

  • 2025.9.3
  • 2024.09.09
  • 2024.03.29:改稿
  • 2023.06.05:初稿

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