Carl Zeiss Makro Planar 120mm F4 ZV

カール・ツァイス・マクロ・プラナー 120mm F4 ZVのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLeica S typ007

レビュー

カール・ツァイス・マクロ・プラナー 120mm F4 ZVは、ハッセルブラッドVマウント・焦点距離120mmのマクロレンズ。
絞りは1/2段毎にクリックがありF4〜F32までほぼ等間隔、本レンズは電気接点がないCタイプのレンズで、無限から最短の0.8mまで250度程度の回転角がある。

中判デジタルセンサーを搭載した、ハッセルブラッドX2D、LEICA S typ007で使用すると96mmとなる中望遠レンズ、最短撮影距離は0.8mで、マクロの名称ほど寄れはしないが、そのおかげかレンズ鏡筒はコンパクトにできている。重量は890gあるためずっしりと重く、Leica S typ007と組み合わせると2kgオーバーのカメラシステムとなる。

写りは開放からシャープでF4でも十分にボケる。前後のボケにいやな感じはなくピント面からなだらかにぼやけていく描写が好ましい。LEICA S typ007で使う限り色調は整い、階調も豊富で逆光に強く、重さを苦にしなければ万能な中望遠レンズとして活用できる。そしてシルバーの鏡筒はとても美しく、ブルーのツァイスエンブレムがよく似合う。

本レンズはコシナからカール・ツァイスブランドで2008年に発売された1000本限定レンズだが、この手のレンズが1000本というのはかなり生産数が多いと考えられ、2年後の2010年には在庫処分価格でのたたき売りにあい、Yカメラは50mmが15万円、120mmが12万円、180mmにいたっては10万円を切る価格で放出された。Mカメラも在庫処分をやったようだが、3本ともに28万円とY橋カメラよりはマイルドなプライスであった。
しかし、10年もたてば稼働レンズが少なくなるためか、2023年現在はかなり価格を戻している。

2010年当時は中判にはまったく興味が無かったので、たたき売り価格もそんな物かと横目で眺めていたが、LEICA S typ007用にレンズを探している際に、中古カメラ屋でフード込みのレンズが在庫処分より少し高い価格にて売られており1日迷って購入した。

買った後に、これよりも古いVマウントのMakro Planar120mmについて調べると、レンズ構成はまったく変わっていなかった。本レンズの最短撮影距離が0.8mなのも設計が古いためと納得した。
本レンズの企画意図が純粋にハッセルブラッド Vマウントレンズの復刻であれば、正しい選択なのであろう。変わらないことはけっして悪いことではないが、本レンズのシルバーの鏡筒に価値を見いだせない場合、ハッセルブラッドVマウントのC/CF/CFi/CFEのどれを買ってもレンズ構成は同じで、中古のS Planar 120mmはかなり安い価格で売られている。
製造年代でレンズコートは違うかもしれないが逆光などの極端なシチュエーションをのぞけば差を感じることはないと考える。

マクロ・プラナーの中で異色なのは、CONTAX 645向けのアポ・マクロ・プラナー 120mmで、これは5群8枚で4群6枚のプラナー後ろに2枚レンズを足した構成となっており、アポによる色滲みの改善、最短撮影距離 0.3mとかなり実用的なレンズとなっている。

図はCarlZeissレンズデータベース資料から引用

仕様

項目Makro Planar ZVAPO Macro Planar
マウントHASSELBLAD VCONTAX 645
焦点距離(mm)120120
最大絞り44
最小絞り3232
レンズ構成4群6枚5群8枚
絞り羽根5枚8
最短撮影距離(m)0.80.3
レンズ長(mm)107.6104
レンズ最大径(mm)8086
フィルター径(mm)6772
重量(kg)890796
リリース年2008.91999

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.26:記載修正
  • 2023.04.15:最初の投稿

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